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2/3up: 記事・考・白川 第1部 検証 立野ダム③ 洪水調節 緑川、市房の”能力”下回る

考・白川 第1部 検証 立野ダム③
洪水調節 緑川、市房の”能力”下回る

 昨年7月12日朝、熊本市中央区本荘の代継橋は記録
的な豪雨で、水位が堤防ぎりぎりまで迫った。「ゴォ
ーゴォーと音を立てる白川は激しくうねっていた。
プロパンガスやコンテナ、流木が次々と流れてきて、
これまで見たことのない濁流だった」。同校区自治協会
長の榮そのみさん(52)は、緊迫した状況を振り返る。
 仮に立野ダムが完成していれば―。国土交通省熊本
河川国道事務所は「代継橋地点で水位を約30センチ下げる
効果がある」と試算する。河川改修と遊水地を整備す
れば同地点で約25センチ、これにダムが加わると約55センチ下
げることができるという。
 国交省が当面の目標として掲げるのが、「20~30年
に一度の大雨」に対応する白川水系河川整備計画。2
日間雨量が400ミリ前後の1980年8・30水害や90
年7・2水害、昨年7・12水害クラスの豪雨を想定す
る。代継橋地点で想定される最大流量毎秒2300トン
のうち、立野ダムで200トン、県が整備する黒川遊水
地群で100トンをそれぞれカット(洪水調節)し、残
る2千トンを河道で安全に流す計画だ。
 同事務所の中元道男調査第一課長は「立野ダムが完
成していれば、雨が短時間に大量に降った7・12水害
時は200トン以上のカットが期待でき、河川改修と遊
水地の効果と合わせ、代継橋では推定最大流量230
0トンを1900トン程度に減らせた」と強調する。
 しかし、白川で過去最大級となる53年の6・26大水
害は、2日間雨量が550ミリを超える「150年に一
度の大雨」。代継橋地点での最大流量は推定3200
~3400トンで、現行計画の河川改修、遊水地、ダム
すべてを整備しても耐えられる状況にない。
 将来的な目標として国交省が掲げる「150年に一
度の大雨」に対応する河川整備基本方針では、同地点
の最大流量(基本高水)を3400トンと設定。立野ダ
ムはダムヘの流人量が増えることで効果が増し、最大
400トンをカット。残る3千トンを河道で流す構想だ
が、さらなる河川整備に膨大な予算が必要で、めどは
立っていない。
 毎秒400トンカットは代継橋地点での最大効果。ダ
ム地点では600トンカットに相当する。
 これに対し、他ダムの洪水調節能力は(ダム地点)
は、緑川ダム(美里町)が毎秒800トン、市房ダム(水
上村)650トン、竜門ダム(菊池市)440トン。立野ダ
ム工事事務所は「ほかのダムと比べても効果は決して
小さくない」と説明するが、三つのダムはいずれも利水
機能などを備えた多目的ダム。治水専用である立野ダ
ムのカット量は緑川、市房両ダムを下回り、決して大
きな効果とは言えない。
 同ダム建設に反対する市民団体の中島康代表(72)=
同市=は「ダムは想定を超える洪水では、ダム湖が満
水になり調節不能となる。環境にも悪影響を与えるダ
ムに頼るのではなく、河川改修や遊水地など代替治水
策を徹底して進めるべきだ」と指摘する。(横山千尋)

【写真】昨年の7・12豪雨で増水した白川。奥は代継橋
    =熊本市中央区本荘

熊本日日新聞 2013年2月2日

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2/2up: 記事・動き出した白川大規模改修 大幅に計画前倒し、短期間で

考・白川 第1部 検証 立野ダム②
動き出した白川大規模改修 大幅に計画前倒し、短期間で

 「氾濫した白川が農地をのみ込み、濁流が数百メートルに
わたって押し寄せた。ぼう然とするしかなかった」。
熊本市東区石原の西島幸二さん(41)は経営する白川左
岸のゴルフ練習揚が約3メートル浸水。当時の被災写真を前
に、無念さをにじませた。
 昨年の7・12豪雨災害を受け、国と県は2016年
度末を目標に、白川流域で大規模な改修に乗り出す。
国の河川激甚災害対策特別緊急事業費423億円に県
の災害関連事業などを加え、総事業費は544億円
に上る。
 甚大な被害が出た同市の龍田地区では、県管理の小
磧橋~みらい大橋区間で、家屋240戸や農地などを
買収。河川の大幅拡幅や河道掘削、築堤などを進める。
特に龍田陳内4丁目は110戸を買収し、蛇行した流
れを大胆にショートカットする。
 「数十年かかる河川改修を一気に進める」と県河川
課。①河川拡幅で水位を下げ、蛇行部分を緩やかに変
更②できるだけ住宅を残し、農地を優先して買収③
コストの縮減④短期間で工事完了―などを考慮して計
画を練り上げたという。
 県は昨年10月、対象地域で事業計画の地元説明会を
開き、買収予定地を公表。線引きには一部の被災世帯
から不満も。対象外となった西島さんは「なぜ浸水し
たのに買収対象にならないのか。住民の要望も聞かず、
納得できない」と憤る。
 一方、温泉街や広範な農地が浸水した阿蘇市の内
牧、黒川一帯でも、白川の支流となる黒川改修が始ま
る。
 県は住宅を堤防で囲む輪中堤や河道掘削、宅地か
さ上げのほか、農地を堤防で囲み、洪水時には水をた
める地役権方式の遊水地を2ヵ所新設する。所有者に
は浸水被害の補償分を含め、地価の2~3割を事前
に支払う。家屋の浸水を防止するとともに、白川の流
量を一時的に減らすのが狙いだ。
 昨年12月14日夜、内牧で開かれた県の黒川改修説明
会。被災住民からは「本当に浸水被害を防げるのか」
と不安も。内牧の自宅が床上浸水した湯浅陸雄さん
(72)は「今ある遊水地のおかげで避難する時間を稼ぐ
ことができた。遊水地や河道掘削など、さらなる対策
を進めて低しい」と願う。
 一連の河川改修は、国交省と県が2002年に策定
した「20~30年に一度の大雨」に対応する河川整備計
画を大幅に前倒すものだ。
 7・12クラスの大雨でも、小磧橋上流の県管理区
間は「家屋の床上浸水をなくす」、下流の国管理区間
も「堤防で越水させない」のが目標だ。
 ただ、計画には河川改修や遊水地とともに「立野ダ
ム建設」(大津町、南阿蘇村)も盛り込まれている。
同省熊本河川国道事務所は「立野ダムが完成してはじ
めて、7・12クラスの豪雨を安全に流せるようにな
る」と、その必要性を強調する。(横山千尋)

【写真】激特事業の工事はこれからだが、現在は国の緊急対策特定区間
で河道掘削削などの工事が進む新代継橋上流の白川右岸=熊本市中央区下通

熊本日日新聞 2013年2月1日

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2・1up:記事・考・白川 第1部 検証 立野ダム① 着手30年改修は進まず 7・12豪雨 繰り返された水害

考・白川 第1部 検証 立野ダム①
着手30年改修は進まず 7・12豪雨 繰り返された水害

 「朝5時半ごろ、新聞配達員から『道路に水が
流れ込み始めた』と聞いた。車を高台に移すよう
住民を起こして回ったが、増水が速く、途中で
動けなくなった車もあった」
 九州北部を襲った昨年7月12日の豪雨。熊本市
北区龍田陳内4丁目の松崎欣五郎さん(77)は、隣
保組組長として走り回った。
 阿蘇地方では土砂崩れで23人が死亡、2人が行
方不明に。熊本市では白川の代継橋の水位が19
53年の6・26大水害後、観測史上最高(6・
32メートル)を記録。堤防未整備区間で氾濫が相次ぎ、
龍田地区は家屋の全半壊約190戸など甚大な被
害を受けた。
 松崎さん宅も床上約2メートルまで濁流に漬かり、1
階の家財道具が壊滅。愛犬も流された。
 「阿蘇に大雨が降れば、水害の危険性がある地域
なのは分かっていたはず」。龍田校区7町内自
治会の井添吉穂会長(73)は治水事業の遅れを指摘
する。    
 白川の歴史は水害の歴史でもある。江戸時代以
降、6・26大水害まで13回の記録が残る。市街部
を襲った6・26大水害は422人の死者・行方不
間者を出し、80年、90年にも死者を伴う水害が起
きた。
 白川は同市の小磧橋より上流を県、下流を国が
管理する。両者は2002年に河川整備計画を策
定。国交省は市街部10・5キロを緊急対策特定区間
として改修し、3月末までに堤防整備区間(9・
1キロ)の7割が完成見込みだ。同省熊本河川国道
事務所は「市街部の改修は緊急性が高く、他の直
轄河川に比べて手厚く予算措置してきた」と強調
する。
 一方、龍田地区を含む県管理区間は小磧橋から
上流1キロの用地取得を進めていた段階。河道拡幅
や築堤は手付かずだった。「改修は下流からが
原則。先に上流を拡幅すれば下流への流れが加速
し、水害の危険性が増す」と県河川課。
 しかし、河川整備の道半ばで「7・12」が起き
た。治水の進め方に工夫はできなかったのか。
 白川上流に計画されている立野ダム(南阿蘇村、
大津町)の問題を指摘する声もある。
 ダムは国交省が1983年に事業普天総事業
費917億円で、3月末までに約426億円がつ
ぎ込まれる。
 建設に反対する市民グループは「これまでに投
じたダム関連工事費を、河川改修に使っていれば
水害は防げた。ダムを優先させた代償は大きい」
と非難する。
 国交省と県は昨年の水害後、国の河川激甚災害
対策特別緊急事業として、白川水系の大規模な
河川改修計画を打ち出した。
 同時に、ダムも動きだした。ダムは用地取得や
家屋移転はほぼ完了しているが、本体工事は未着
工。民主党政権のダム事業見直し対象となり、一
時凍結された。しかし、検証を受け国交相は昨年
12月、事業継続を決めた。政府の来年度予算案には
約28億円の工事費が盛り込まれた。
 龍田陳内4丁目には、あるじ不在の壊れた家屋
が点在する。
 自宅が用地買収の対象になった松崎さんは言
う。「なぜ水害が繰り返されるのか。この歳にな
って、住み慣れた土地を離れることになるなんて
…」    (川崎浩平)
   ◇  ◇
 7・12豪雨を境に、白川への関心は一気に高まっ
た。大規模改修が打ち出される一方で、立野ダム
建設も加速する。治水はどうあるべきか、ダムの
効果、環境や景観、生態系への影響は―。シリー
ズ「考・白川」の第1部ではダム事業を検証する。

立野ダム 国土交通省が白川と黒川の合流地点から
約1.3キロ下流に計画する治水専用の穴あきダ
ム。高さ約90メートル、幅約200メートル、総貯水容量
約1千万トン。本体下部に5メートル四方の三つの
穴を設け、平常時は水をためない。下流域の洪水被害
を軽減するため流量を同ダムで毎秒200トン、上流の
黒川遊水地群で100トンカットする計画。

【写真】県の河川改修計画で自宅が買収対象となった
ため、リフォームを中止した床の間を指さす松崎欣五郎さん
=熊本市北区龍田陳内4丁目

熊本日日新聞 2013年1月31日

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1/31up: 報道いろいろ・立野ダム事業費に28億円

立野ダム事業費に28億円(熊本県)
http://news24.jp/nnn/news8681851.html
国営立野ダムの建設事業費として約28億円が閣議決定され、20
13年度の政府予算案に盛り込まれた。民主党政権下で見直しの対
象となっていた立野ダム事業は、本体工事へ向け動き出す。総事業
費は約917億円で、残りの事業費は約491億円。2013年度
は川の流れを切り替える工事から始まる予定で、その後ダム本体が
着工され、完成までは約10年かかる見通し。

立野ダム建設に28億円余計上
http://www.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/5005168231.html
事業が一時、凍結され、先月、国土交通省が事業継続の方針を決め
ていた白川上流部の立野ダムについて、政府は平成25年度予算案
に建設事業費として28億円余りを計上しました。
南阿蘇村と大津町にまたがる地域に国が建設を計画している立野ダ
ムを巡っては、3年余りに渡って事業が一時、凍結されていました
が、国土交通省は先月、白川の治水対策としてコストや実現性の面
から検証を重ねた結果、ダム事業を継続する方針を決定しました。
これを受けて、政府は25年度予算案に、立野ダムの建設事業費と
して28億3200万円を計上しました。
国土交通省は来年度以降、数年間かけて川の流れを変える工事を行
い、この工事が終わり次第、ダム本体の建設工事に取りかかること
にしていて、ダム完成にはおよそ10年かかる計画です。
また、来年度の建設事業費28億3200万円のうち、5億円余り
は熊本県の負担分となる見通しで、県は来年度の予算の中で対応す
る方針です。

13年度予算案:立野ダム、本体関連28億円 知事「防災対策推進を評価」 /熊本
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20130131ddlk43010508000c.html
 29日閣議決定された13年度政府予算案で、県関係の主な事業
では白川の治水専用「立野ダム」(建設予定地・南阿蘇村)の本体
関連事業費28億3200万円が盛り込まれた。民主党政権のダム
事業見直しで凍結されたが、国や流域自治体が検証し昨年9月に
「早期建設が必要」と結論づけていた。
 事業費のうち国負担は23億400万円。残る5億2800万円
を県が負担する。13年度はダム本体の早期着工へ向け、川の流れ
を切り替える転流工事に着手する。雨量・流量の調査や工事用道路
の建設も継続。約10年後の完成を見込んでいる。
 立野ダムは熊本市など7市町村の洪水被害を防ぐ目的で83年に
事業着手。ダム事業見直しで10年10月、全国82のダム事業と
ともに必要性が検証された。国土交通省九州地方整備局は11年1
月から流域市町村と検討を続け、昨年9月に「代替治水案と比べて
も立野ダム建設が最も有利」とする報告をまとめた。ただ、環境へ
の影響を懸念する市民団体などの反対も根強い。
 蒲島郁夫知事は「公共事業の充実は、大規模災害などを踏まえ防
災対策を進めるためのものと一定の評価をする」とのコメントを出
した。【取違剛】

立野ダム28億円、本体関連工事へ 政府予算案
http://kumanichi.com/news/local/main/20130130002.shtml
 国土交通省は29日、2013年度政府予算案に国営立野ダム建
設事業費として28億3200万円(国費23億400万円)を盛
り込んだ。前年度事業費の約6倍増。国が事業の可否を検証し継続
と判断したことを受け、初めてダム本体関連工事に入る。
 白川の南阿蘇村・大津町間に建設を予定している立野ダムは19
83年に事業着手。民主党政権下でダム事業見直しの対象になり、
09年度以降は「新たな段階に入らない」との方針で、工事用道路
の補修など生活再建事業にとどまっていた。12年度の事業費は4
億7800万円(同4億3600万円)だった。
 総事業費は約917億円で残事業費は約491億円。13年度は、
進捗[しんちょく]率83%(12年3月末時点)の工事用道路の
整備を進めつつ、河川をせき止めて仮排水路トンネルに水を流す転
流工事に着手する。
 国交省は今後の工程として、転流工事(3年程度)を経て基礎掘
削、基礎処理工事を進めた後、ダム本体のコンクリート打設を実施。
完成まで約10年を見込んでいる。
 立野ダムをめぐっては、羽田雄一郎国交相(当時)が昨年12月、
事業主体の同省九州地方整備局の検証結果や外部の事業評価監視委
員会、流域7市町村、蒲島郁夫知事の意見を聴くなどして事業継続
を最終判断していた。ただ、環境への影響を懸念する市民団体など
が建設反対を訴えている。(原大祐)

【写真】水位低下設備を取り付けるための穴をコンクリートのダム
本体に開けるパワーショベル=28日午後、八代市坂本町(石本智)

荒瀬ダム撤去交付金継続 政府予算案
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20130131-OYT8T00017.htm
 政府が2013年度予算案を閣議決定したのを受け、県などは3
0日、主な県関係分を発表した。新規事業としては、ラムサール条
約に登録された荒尾干潟のビジターセンターの建設に向けた調査費
を計上。昨年秋に始まった県営荒瀬ダム(八代市)の撤去について
は交付金が継続された。
 ■ 荒尾干潟
 荒尾干潟ビジターセンターの調査費は500万円。センターは、
干潟の役割や飛来する鳥などを紹介し、有明海全体の自然保護運動
の拠点施設として、荒尾市などが国に設置を要望していた。前畑淳
治市長は「建設実現のため、国への要望を強めていきたい。早速、
建設候補地選定のための検討会を設ける」としている。
 ■ ダム関連
 代替施設を造らないダムの撤去としては全国初の荒瀬ダム撤去事
業については、「生物多様性保全回復整備交付金」として、前年度
と同額の1億円を計上。
 建設中止が決まっている国営川辺川ダム(相良村)関連では、水
没予定地として多くの住民が移転した五木村の振興事業費などで4
億2700万円が盛り込まれた。橋の建設など大規模事業が終わる
ため、前年度比約20億円減となった。
 昨年7月の九州北部豪雨で氾濫した白川の治水効果を狙う立野ダ
ム(大津町、南阿蘇村)には同24億円増の28億円が盛り込まれ
た。
 ■ 水俣病対策
 水俣病対策では142億3200万円を計上。内訳は、水俣病被
害者救済法に基づいて療養手当を給付するなどの総合対策関係費が
同約11億円増の105億8400万円、原因企業チッソの経営状
況に応じて出す支援金が同約17億円増の36億4800万円。
 総合対策関係費は救済対象者の増加を見込み、チッソへの支援金
は今年度中間決算で収益が減っていることに配慮した。
(2013年1月31日 読売新聞)

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1/2 0up: 報道:立野ダム「いらない」 熊本市 市民団体が意見交換

 国土交通省が白川に計画する立野ダム(南阿蘇
村、大津町)に反対する市民団体が19日、熊本市
中央区で集会を開き、環境への影響や穴あきダム
の構造的な問題点について意見交換した。
 「立野ダムによらない自然と生活を守る会」
(中島康代表)が、ブックレット「世界の阿蘇に
立野ダムはいらない」(花伝社、800円)の出版を
記念して開催し、約80人が参加した。
 ブックレットでも指摘した①水没する国指定天
然記念物「阿蘇北向谷原始林」の一部が枯れる②
想定外の洪水には役に立たない③流木などでダム
の穴がふさがるなど―の懸念について、同会事務
局が説明。県立大の中島熙八郎名誉教授が「ダム
計画のために後回しにされた河川改修こそ優先す
べき。流域住民が行政に対して声を上げていくこ
とが重要だ」と訴えた。
 参加者からは「流域住民がダム計画を知らない
ことが一番の問題だ」「白川は県民の財産。河川改
修も含め国と県は説明責任を果たしていない」な
どの意見が出た。(横山千尋)

【写真】出版記念集会で立野ダムの問題点などに
ついて意見を交わす参加者=熊本市中央区

熊本日日新聞 2013年1月20日

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1/11up: 立野ダム本体工事向け予算化 概算要求で国交省(熊本日日新聞)

http://kumanichi.com/news/local/main/20130111002.shtml

 民主党政権下でダム事業の見直し対象となり、昨年12月に事業
継続が決まった国営立野ダム建設事業(南阿蘇村、大津町)で、国
土交通省が2013年度政府予算案の概算要求に本体工事に向けた
予算を盛り込むことで最終調整していることが10日、分かった。
 立野ダムは1983年に事業着手。総事業費917億円で、残事
業費は491億円となっている。基礎掘削などダム本体工事は着手
しておらず、民主党政権に移行した2009年以降は工事用道路の
補修などにとどまっていた。国交省は計上額の詰めを急いでいる。
 立野ダムは民主党政権が検証対象とした全国83ダム事業の一つ。
事業主体の国交省九州地方整備局は11年1月から検証作業に着手
し、昨年9月、ダム案が最も有利とする検証結果を提示した。
 同12月、羽田雄一郎国交相(当時)は検証結果や外部の事業評
価監視委員会、流域7市町村、蒲島郁夫知事の意見を聴くなどの手
続きを経て、事業継続を最終判断していた。「国土強靱[きょうじ
ん]化」で公共事業の拡充を打ち出した自民党政権が発足し、前政
権の方針を踏襲する判断をしたとみられる。
 ただ、環境への影響などから一部の地元団体が建設反対を訴えて
いる。(原大祐)

【写真】白川の立野ダム建設予定地を上流側より望む=南阿蘇村、
左は大津町

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1/1up: 熊日~取材前線 立野ダムは必要か 横山千尋(熊本総局)

 民主党政権が代替治水策を含め検証し、継続が
決まった立野ダム建設事業(大津町、南阿蘇村)。
先の衆院選で「国土強靭化」を掲げた自民党が
政権に返り咲き、ダム本体着工に向け事業が加速
する公算が大きくなった。
 ダム予定地一帯は、カーテンのように切り立っ
た「柱状節理」や広葉樹に覆われた美しい渓谷が
連なる。国指定天然記念物「阿蘇北向谷原始林」も
広がり、まさに世界の阿蘇の″玄関□″にふさわ
しい絶景だ。ダムが完成すれば景観は一変する。
美しい渓谷には高さ約90メートル、幅約200メ
ートルの巨大なコンクリートがそびえる。世界遺
産登録や世界ジオパーク認定を目指す阿蘇地域に
とってイメージダウンは必至だろう。
 立野ダムの洪水調節能力は毎秒200トンのカッ
ト。650トンをカットする県営市房ダム(水上村)
よりも効果は小さい。総貯水容量も約1千万トン
と、市房ダム(約4千万トン)の4分の1だ。
 果たして立野ダムは必要なのか―。白川水系の
治水対策を取材すればするほど疑問が膨らむ。ダ
ムの治水効果に比べ、貴重な生態系や自然環境、
景観などダムによって失われる阿蘇の財産があま
りにも大きいからだ。
 7・12豪雨災害を受け、国交省と県は白川水
系で今後5年かけ、総事業費423億円の大規模
対策に乗り出す。河川改修のほか、貯水容量約3
50万トンの遊水池も計画。単純計算では同規模
の遊水地をさらに3ヵ所整備すれば立野ダムの総
貯水容量に匹敵する。
 同省は「ダム案が最も有利」と結論付けたが、
本当にそうなのか。423億円の大規模な白川改
修計画に、立野ダムの残事業費491億円を加え
れば、環境や景観に配慮した代替治水策が可能で
はないか。

熊本日日新聞 2012年12月31日

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12/25up: 報道~立野ダム反対 市民団体訴え 下通でビラ配布

熊日さん いつもありがとうございます。

————————————
 国土交通省の立野ダム(南阿蘇村、大津町)
建設事業に反対する市民団体が24日、熊本市
中央区の下通アーケードでダム反対のビラを
買い物客らに配った。
 団体は「立野ダムによらない自然と生活を
守る会」(中島康代表)。北向谷原始林など自然
や生態系への影響、穴あきダムによる洪水調
節の限界など、守る会が考える立野ダムの問
題点を指摘している。
 この日は、クリスマスイブでにぎわう街頭
にメンバー10人が繰り出し、ビラを配布。中
島代表(72)=同市西区=は「世界の阿蘇にダ
ム計画があることを、まずは県民に認識して
ほしい。その上で、ダムの弊害を周知してい
きたい」と話していた。
 立野ダムは民主党政権のダム事業見直しの
対象となったが、検証作業の結果を受け国交
相は12月、事業継続を決定した。(川崎浩平)

2012年12月25日 熊本日日新聞

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12/18up: 立野ダム継続で市民団体が抗議文  報道

立野ダム継続で市民団体が抗議文 
http://www.kab.co.jp/pc/auto/news/news_20121218.html#id_7
{動画もあります}
国が「継続」の方針を決めた白川上流の立野ダム建設事業を巡り市民団体が県に抗議文を提出しました。抗議文は「ダム案に異存はない」とする蒲島知事や、熊本市長などに宛てたもので、河川改修による治水を求める「立野ダムによらない自然と生活を守る会」が提出しました。大雨や災害の際にダムが洪水調節機能を失い災害を起こす危険性や、建設による自然環境への影響を指摘した上で「説明責任を果たすべき」、「独立・中立の機関による事業の審査を行うべき」と抗議しています。立野ダム建設事業は民主党政権下で見直しの対象となり河川の掘削などダム以外の5つの治水案とダムを建設する案をコストや安全度などで比較・検証して今月、国が「継続」を決めました。団体の代表を務める中島康さんらは「流域での公聴会でも住民から反対意見しか出なかった上、国の調査でダム建設により42種類もの重要な動植物が消失する恐れがあることがわかっている」、「継続するのは間違っていて中止させるために世論を高めたい」と話しています。


立野ダム容認に抗議文
http://rkk.jp/news/index.php?id=NS003201212181646500111

今月初め、国土交通省が事業継続を決めた立野ダムですが、県知事がダム建設を容認したことは将来に禍根を残すと市民団体が抗議しました。
(立野ダムによらない自然と生活を守る会中島康代表)「国交省の情報のみで立野ダム建設を容認した熊本市長、熊本県知事は、あまりにも無責任と言わざるを得ません。
」県に抗議したのは「立野ダムによらない自然と生活を守る会」の中島康代表らです。
中島代表らは「公聴会では30人の住民が意見を述べたが、『立野ダム案がよい』とした人は一人もいなかった」と指摘、知事に対し「ダムについての討論ができるような説明会を開いてほしい」と要求しました。
また、通常この規模のダムであれば3年程度で建設できるはずだが、それが10年もかかる予定であるのはそれだけ地盤が脆弱であることを示しているとして将来に禍根を残すと訴えました。
この抗議文は国土交通省や熊本市に対しても提出することにしています。

12/18up: 立野ダム継続で市民団体が抗議文  報道 はコメントを受け付けていません

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12/8up :News共有 立野ダム建設事業 国が「継続」決定

立野ダム建設事業 国が「継続」決定
http://www.kab.co.jp/pc/auto/news/news_20121206.html#id_1
継続か中止かを巡って検討が続いていた南阿蘇村の立野ダムの建設
事業について国は「継続」の方針を決定しました。国土交通省が6
日、決定したものです。立野ダム建設事業の検証は民主党政権下で、
2010年9月から始まり、国がダム建設案と川幅を広げるなどダ
ムによらない治水対策案の合わせて6案を検討してきました。その
結果、ダム建設案がコスト面で優れ最も効果が早く出るなど、総合
的に最も優位として「継続」を決めました。検証の過程では自治体
からダム建設を要請する声があがる一方で一部住民から、環境問題
などを理由に建設反対の声もあがっていました。幸山政史熊本市長
は「白川の水害の経験教訓を踏まえ、治水対策の強化を求めてきた
ところでもありますし、速やかに事業に移って頂きたい」とコメン
ト。また、蒲島知事は「白川水系の総合的な治水対策をスピード感
を持って推進していく」などとコメントしています。

立野ダム建設継続決定
http://rkk.jp/news/index.php?id=NS003201212061732590111
国土交通省は建設をストップしていた立野ダム事業についてきょう
「継続」とする方針を決定しました。
この決定により具体的な本体工事に入るための条件が整ったことに
なります。
国土交通省によりますと治水対策のため南阿蘇村の白川に建設計画
が進められている立野ダムについて、他の治水対策案ーダムなしの
河川掘削案や遊水池案など、最終的に7つの案と比較検討した結果、
コストや実現の可能性などから立野ダム案がもっとも優位だとして
継続を決定したということです。
具体的な工事再開の時期などは未定ですが、この決定により、これ
までの「新たな段階に入らない」という方針は解消され、本体工事
に取り掛かる条件が整ったことになります。
蒲島知事は、今回の決定に対し「今年7月の大水害を踏まえ国と連
携しながら立野ダムを含めた総合的な治水対策を推進していく」と
して国に対してはダムに関するコスト縮減や環境保全対策に最大限
努力すること、それに住民へ丁寧に説明していくことなどを求めて
います。
また、建設促進期成会会長の幸山熊本市長は「熊本市ではダムを含
めた改修案が優位性が高いのではないかと表明してきたので今回の
継続の方針決定を受けて速やかに事業に移っていただければと思い
ます。
」と述べ、選挙期間中の継続決定には戸惑いも感じるとしながらも
政府の決定を歓迎しました。

立野ダム建設継続を国が決定
http://www.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/5004000391.html
3年前から事業が一時凍結されている白川上流部の立野ダムについ
て、国は、ダムを建設する場合と、ほかの方法で実施する場合の比
較・検証を行った結果、費用対効果の観点からダム建設を継続する
方針を決めました。
南阿蘇村と大津町にまたがる地域に計画されている立野ダムを巡っ
ては、九州地方整備局が白川の治水と利水対策について、ダムを建
設する場合と、ほかの方法で実施する場合の比較・検証を行った結
果、コストや実現性などの観点から「ダム建設を継続することが妥
当だ」とする検討結果を今年10月にまとめました。
その後、外部の専門家でつくる事業評価監視委員会でもダム事業の
継続を容認する判断を示したことを受けて、九州地方整備局は立野
ダム建設を継続するとする方針案を決定し、国土交通省に報告して
いました。
これを受けて国土交通省の羽田大臣は、6日、ダム事業を継続する
方針を決定しました。
この国の決定について蒲島知事は、「県としては、九州北部豪雨を
踏まえ、国と連携しながら、白川水系の総合的な治水対策をスピー
ド感をもって推進して行く覚悟だ。国には、コスト縮減や環境保全
対策に最大限努力するとともに、住民に対して丁寧に説明していた
だくよう要望する」とコメントしています。

12月06日 18時08分

立野ダム本体工事可能に 国交相、事業継続決定
http://kumanichi.com/news/local/main/20121207002.shtml
 羽田雄一郎国土交通相は6日、民主政権のダム事業見直し対象に
なっていた立野ダム建設事業(南阿蘇村、大津町)について、事業
主体の同省九州地方整備局(九地整)が「ダム案が最も有利」とし
た検証結果を妥当として、事業の継続を決定した。
 同ダム建設を容認した国交相の最終判断を受け、同事業は、約2
年間凍結されていた本体工事の着手が可能になる。
 同ダムをめぐっては、九地整が河道掘削や遊水地など治水策の代
替5案をコスト、安全度などで評価・比較し、「ダム案が最も有利」
とする検討結果をことし9月に提示。外部の事業評価監視委員会も、
流域7市町村の意向や「ダム案に異存はない」とした蒲島郁夫知事
の意見を踏まえ、九地整の「継続」方針を了承していた。
 国交相は、国の有識者会議の意見も参考にした上で、「総合評価
でダム案が優位であり、事業継続は妥当。検証手続きも国の基準に
沿って適切だった」と結論づけた。
 同ダム事業には、環境への影響などから見直しを求める意見も強
く、九地整が「ダム案が有利」とする検討結果を示した地元公聴会
でも、市民団体などから反対、疑問の声が相次いだ。
 立野ダムは白川に建設する洪水調整専用の穴あきダムで、198
3年に事業着手。総事業費917億円で、残事業は491億円。
(渡辺哲也)

【写真】立野ダム建設予定地を白川上流側より望む=10月、南阿
蘇村、左は大津町

立野ダム:建設継続へ 歓迎と反対の声交錯 /熊本
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20121207ddlk43010468000c.html
 ダム事業見直しで凍結されていた立野ダム(予定地・南阿蘇村な
ど)の建設継続を国土交通省が6日決定し、蒲島郁夫知事は「7月
の九州北部豪雨災害で治水の重要性を改めて認識したところだった」
と歓迎した。
 白川改修・立野ダム建設促進期成会会長の幸山政史・熊本市長も
報道陣の取材に対し、九州北部豪雨水害を受けた治水対策として早
期建設を訴えた。一方で蒲島知事、幸山市長ともに、国に対しコス
ト縮減や環境対策、流域住民への十分な説明を求めた。
 幸山市長は衆院選期間中の決定に「少し意外だったが、今の政権
が進めてきたことなので、その責任を果たすという意味にも取れる」
と印象を語った。一方で事業の必要性が検証された2年間を振り返
り「政治に振り回された感がある」と述べた。
 事業に対しては環境への影響などを懸念し反対も根強い。河川改
修などを求めてきた「立野ダムによらない自然と生活を守る会」の
中島康代表は「住民無視の一方的な決定」と話した。【取違剛、松
田栄二郎】

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