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11/26up: 立野ダム 国交相は慎重に判断、説明を(くまにち社説)

立野ダム 国交相は慎重に判断、説明を

http://kumanichi.com/syasetsu/kiji/20121126001.shtml

2012年11月26日

 ダム事業の見直しに関する国土交通省の有識者会議は、白川の洪水防止を目的とした立野ダム(南阿蘇村、大津町)建設事業について、事業主体の同省九州地方整備局が継続と判断した方針を追認した。これを受け国交相が建設の是非を決定する。事業は大きな岐路に差し掛かった形だが、流域住民の間で推進論と反対論が交錯している上、ダム計画自体を知らない県民も少なくないことを踏まえ、国交相には慎重な判断と丁寧な説明を求めたい。

 国交省が2002年に策定した白川水系河川整備計画は、20~30年後を目標に熊本市街地での流量を現在の毎秒1500トンから2000トンに増やす。さらに立野ダムと黒川遊水地群で合わせて300トンをカットすることで、基準地点の代継橋付近を2300トンの洪水に対応できるようにする。

 立野ダムは、最下部に三つの穴を設ける穴あきダム。関連工事は1983年に着手し、本体工事を残す。総事業費は当初425億円としていたが、現在は917億円に膨らみ残事業費は491億円。民主党政権に交代後、検証対象とされた全国83ダムの一つで、九地整が県や流域市町村などと検証作業を実施。河道掘削や輪中堤などのダム以外案に比べダム案が最も有利と結論付けた。

 特に、今年7月12日の豪雨で熊本市北区の龍田地区が甚大な浸水被害に遭ったことを受け、行政側の動きは加速した。知事と熊本市長がダムに期待する姿勢を明確にし、県議会と同市議会も9月定例会で建設推進を求める意見書を可決した。

 龍田地区などに「ダムを含め早期の治水対策を」という強い声がある通り、対応にはスピード感が不可欠だ。ただ、気になるのは賛否の議論が流域全体で熟しているかどうか。国交省とダムに反対する市民団体の間には多くの見解の相違がある。

 まず、費用対効果をめぐって同省は「完成までの費用はダム以外の案よりダム案が一番少なく、10年後に最も効果が期待できる」と結論付けている。それに対し市民団体は「ダム以外の事業費を過剰に見積もった結果であり、完成まで10年かかるのは即効性を欠く」と反論する。

 安全度に関して同省が「整備計画に掲げた目標達成にはダムが最も有利」としているのに対し、市民団体からは「熊本市ではダムによって20センチほど水位が下がる程度で、効果は限定的」との指摘もある。

 環境面では同省が「通常は水を流す穴あきダムのため生態系への影響は少ない。環境保全措置も実施する」と強調。市民団体は「穴あきダムでも堆砂による水流の遮断は避けられない。予定地の原始林や阿蘇の景観も損なう」と批判する。

 公聴会を済ませたとはいえ、こうした議論を置き去りにしたままの判断は禍根を残しかねないことを、国交相には念頭に置いてもらいたい。

 仮にただちに着工したとしてもダム完成までの10年の間に、「7・12」級の豪雨がいつ発生するか分からない。ダムの判断とは別に、中下流域の河道変更、川幅拡張、河床掘削、橋の架け替えといった総合的な河川改修は、国と県が待ったなしの姿勢で取り組んでほしい。

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11/24up: 「ダム解体の時代へ」田中優の“持続する志”

転載します。

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第185号
2012.11.24発行

※このメルマガは転送転載、大歓迎です。

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□◆ 田中 優 より ◇■□■□

「ダム解体の時代へ」

▼ 脱原発の裏で進むダム建設

 原発問題がクローズアップされる一方で、こっそり進められているものがダム建設だ。

 かつて象徴的に言われていた西の「川辺川ダム」、東の「八ツ場(やんば)ダム」。
川辺川ダムは知事の決定によって一応は止まっているが、八ツ場ダムは推進されている。

 戦後のはげ山から森が回復したことで、流れ出る水はずっと減っているというのに。
どこにダムが必要な理由があるというのか。他の地域で進められるダムも推して知るべ
しだ。

 北海道から沖縄まで、ダム建設が進められる。どれも合理的な理由は見当たらない。
見当たるのは地方であえいでいる建設会社のわずかな利益と、原発が作れなくなった
ゼネコンの利権、政治家たちのだみ声だけだ。

 北海道の静内にある二風谷ダム。堆積した砂によってわずか5年で貯水池が埋まり、
そのせいで上流に洪水をもたらし、あてにしていた「苫小牧東部開発(苫東開発)」は
企業が来なくて水は売れず、発電もできない。ダムの造られた沙流川は「砂が流れる川」
という意味なのだから、最初から埋まることはわかりきっていた。しかしその上流に、
さらに役立たない平取ダム建設が計画され、これに対する「有識者会議」は「他の選択
肢よりも有利」と答申し、建設されようとしている。

 数年前、レンタカーを借りてダム予定地に出かけてみた。低い山が連なる中、ここしか
ないだろうと考えて車を停めた谷こそダム予定地だった。

 役立たずに砂で埋まったとき、有識者の皆様には賠償してほしい。北海道のサンルダム
も全く同様に意味がない。推進する下川町は、森の保全で名ばかり有名になっているがダ
ム建設で川を壊している。

  愛知県の豊川には、すでに工業用水道と水害防止、河川維持用水を理由にして設楽
(したら)ダムが建設されようとしている。しかし水はこれまでの開発で十分にあるし、
水害地点とされる場所ではほとんどダムは役立たない。流域のアユの生息を理由にする
「河川維持用水」に至っては、ダムがない方がよほどいい。山口には成瀬ダム、長崎に
は石木ダム、熊本には立野ダム、全国津々浦々に数限りなくダムが新設されようとして
いる。

 山形の清流、小国川には意味不明な「穴あきダム」が予定される。穴あきダムは洪水
のときだけ水を少しずつ流すためだけのものだ。地元の漁協は完全に拒否しているのに
ダム建設を止められない。

 「有識者」とは、「思慮も知識もないが、物分りだけはいい」人を指す言葉でしかな
い。その議事録を見ると驚く。かつて洪水が起きたとされる場所は高台の上だ。川の水
が坂を上り、高台に上るというのか。もちろん現実には起きていない。しかしそれを防
ぐのにダムが必要で、それが最も安い方法だという。

 無能な有識者を弾除けにして、官僚・ゼネコン・政治家たちが国土を壊し続けている。

▼むごい未来を残す開発

 子どもの頃、近所の小川でたくさん遊んだ。魚やシジミを取り、川沿いの林で虫取り
したり栗拾いやクルミを取って遊んだ。ぼくがダムに反対するのは、そこにある生き物
たちを追いやるのがいやなのだ。

 ぼくは自分が虫だったらどこに集まるかと考え、魚だったらどうするか考える。その
大切な友人たちの棲み家を失わせるのはしてはいけないことだと思うのだ。

 ぼくは保守主義者だ。再生できないのに自然や生き物たちの棲み家を壊し、未来の
子どもたちの育つ場を奪っていく。多くの人はすでに清流を知らない。

 たとえば川に入って足元がぬるぬるするのはダムのせいだ。水は貯めると腐ると言わ
れるように、ダムで水を貯めれば水は微生物だらけになる。その微生物が下流の石の
周囲で懸命に生き残ろうとするからぬるぬるになるのだ。もはや上流にダムのない川は、
全国にほとんどない。

 もっと以前には、川は魚を踏まずに渡ることはできなかった。産卵期になると、遡る
魚群によって川は黒く盛り上がり、その魚を狙う動物たちで賑わう場になっていた。
海外ならまだ見ることができるが、日本では失われてしまった。

 水生昆虫が多いことが魚を支え、魚が動物を支え、その動物たちが森に養分を届けて
いく。アイヌは川を海から遡るものと考えるように、山の養分は生き物たちの遡上なのだ。
本当はこの美しい景色の話をしたい。しかしいまや失われてしまったのに、子どもたちに
伝えたとしても酷なだけだ。そう思うと言葉を失う。

「この水の色、神秘的ね」

『それはダムのせいで水が腐ってしまった色だ』、

「鯉がいるから水がきれいなのね」

『鯉は水が汚れていないといられない魚だ』、

「やっぱり地場のウナギはおいしいわ」

『この皮の厚さは中国産だ。国内のウナギは絶滅寸前、ウナギがおいしいむつ小川原は、
六ヶ所村再処理工場からの放射能汚染が見つかっている』…。

▼ダム建設からダム解体の時代へ

 この秋、産卵のために琵琶湖に遡上するはずのアユの数が以上に少なかった。あち
こちで異常に数が少ないと聞く。琵琶湖のアユが各地に放流されているアユの元だ。
各地の川はダムや河口堰に阻まれ、自然にアユが遡上できない。

 しかし今年、ダムが解体され始めた球磨川の荒瀬ダムではウナギが戻ってきたそうだ。
来年はアユがたくさん遡上しそうだが、その少し上流には瀬戸石ダムがまだ残されてい
る。ダムを造ることより解体すべきなのに、未だに無意味なダム建設が進んでいく。

 全国で水は余っている。人口も減っているのになぜダムを造るのか。いまや発電用の
ダムは造られていないし、世界的に流れを壊さない小規模水力発電が主流になっている。

 下流域の治水のためなら、人口集中地域の上流に遊水地を造ればいい。氾濫原だった
はずの低湿地は人の住まないエリアに戻せばいい。それは今、アメリカで進められてい
ることだ。

 原発神話は福島原発事故で壊れ始めた。しかしダム神話は未だに根深く根付いたままだ。
ダムは安全ではないし、いつかは流れてきた土砂に埋まる。さらに巨大ダムは群発地震を
招く。いまや川はどぶに変わり、人々が集える空の広い場所ではなくなってしまった。

 地球は人間のものではないし、ましてやゼネコンや官僚たちのものではない。いまや
日本の川の水の半分以上が取水されて管路を通る。その水を川に戻そう。人間は、一時
だけ地球に間借りする存在に戻るのがいい。

 ダムは造るときを終えて、解体すべき時期に入っている。

(※ 川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)

★ 田中優ブログにて「降雨量と直接流出量の変化」のグラフを添付しています。
  http://tanakayu.blogspot.jp/2012/11/blog-post_8746.html

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◇■ 11月27日(火)愛知・日進市「これからのエネルギーを考える」 ■◇

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田中優講演会
「これからのエネルギーを考える ~原発のない社会へ私たちに出来ること~」

日時 11月27日(火) 10:00~12:00

会場 日進市民会館 小ホール

参加費 組合員 無料 /組合員外の方は資料代200円

主催 生活クラブ生協 脱原発活動推進プロジェクト

申込 愛知本部 052-806-5871 担当:津島

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 ◇■ 12月の天然住宅バンクミーティング ■◇
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どなたでも参加できる、天然住宅バンクのミーティングです。
田中優ももちろん出席します。

日時  12月18日(火) 19:00
場所  東京都新宿区歌舞伎町2-19-13 ASKビル4F
参加費  無料

 ▼お申し込み受付はこちら
 http://tennen.org/bankentry.html

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 ◇■ 11月~12月講演会情報 ■◇
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11月25日(日) 13:00 日本教育会館ホール(東京)
11月27日(火) 10:00 日進市民会館 (愛知)
11月29日(木) 18:30 益田市合同庁舎 5階(島根)
11月30日(金) 10:00 +R リンケンモデルハウス(島根)

12月 1日(土)       ピースボート脱原発クループ
  ~ 4日(火)       福岡→韓国・釜山→沖縄
12月 6日(木) 18:00 EROSA(宮崎市)
12月 7日(金) 18:00 地域交流センター歩歩路(静岡・島田市)
12月 8日(土) 10:35 地球市民かながわプラザ(横浜市)
12月 9日(日) 12:00 吉祥寺ROCK JOINT GB (東京)
12月15日(土)       仙台
12月16日(日)  14:30 クーポール会館(静岡市)
12月18日(火) 19:00 ASKビル4F (東京・新宿)
12月21日(金) 10:30 神奈川県民ホール(横浜市)

各講演会の詳細は随時 田中優公式HPの講演会情報にアップされています。
こちらもご参考くだい。
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11/14up: 北向山を撮って素晴らしさを広めよう!白川~北向山 秋の撮影会 11/23(金祝)

大津の“守る会”有志と、帆足さん(ふるさとの夢と文化を育てる会)がコラボして
白川~北向山 秋の撮影会 を企画しました。

のんびり白川散歩を楽しみながら思い思いの写真を撮りましょう。
そして『白川写真展』(流域各市町村で開催準備中)で皆さんに披露し、
白川・北向山の素晴らしさ、貴重さを多くの人に知ってもらいましょう!

24年11月23日(金曜祝日) , 10:00~15:00

集合:JR立野駅前 9:30受付
参加費:1000円(昼食付き)

※お申し込みは:帆足さん 090-4994-1881
        大津の野村 090-3986-4795
 お弁当の数がありますのでふるって事前申し込みをお願いいたします!
        (当日飛び込みもOKです)

チラシはこちら
https://kawabegawa.jp/tatenodam/pdf/20121123.pdf

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