国土交通省が白川に計画する立野ダム(南阿蘇
村、大津町)に反対する市民団体が19日、熊本市
中央区で集会を開き、環境への影響や穴あきダム
の構造的な問題点について意見交換した。
「立野ダムによらない自然と生活を守る会」
(中島康代表)が、ブックレット「世界の阿蘇に
立野ダムはいらない」(花伝社、800円)の出版を
記念して開催し、約80人が参加した。
ブックレットでも指摘した①水没する国指定天
然記念物「阿蘇北向谷原始林」の一部が枯れる②
想定外の洪水には役に立たない③流木などでダム
の穴がふさがるなど―の懸念について、同会事務
局が説明。県立大の中島熙八郎名誉教授が「ダム
計画のために後回しにされた河川改修こそ優先す
べき。流域住民が行政に対して声を上げていくこ
とが重要だ」と訴えた。
参加者からは「流域住民がダム計画を知らない
ことが一番の問題だ」「白川は県民の財産。河川改
修も含め国と県は説明責任を果たしていない」な
どの意見が出た。(横山千尋)
【写真】出版記念集会で立野ダムの問題点などに
ついて意見を交わす参加者=熊本市中央区
熊本日日新聞 2013年1月20日