11/26up: 立野ダム 国交相は慎重に判断、説明を(くまにち社説)

立野ダム 国交相は慎重に判断、説明を

http://kumanichi.com/syasetsu/kiji/20121126001.shtml

2012年11月26日

 ダム事業の見直しに関する国土交通省の有識者会議は、白川の洪水防止を目的とした立野ダム(南阿蘇村、大津町)建設事業について、事業主体の同省九州地方整備局が継続と判断した方針を追認した。これを受け国交相が建設の是非を決定する。事業は大きな岐路に差し掛かった形だが、流域住民の間で推進論と反対論が交錯している上、ダム計画自体を知らない県民も少なくないことを踏まえ、国交相には慎重な判断と丁寧な説明を求めたい。

 国交省が2002年に策定した白川水系河川整備計画は、20~30年後を目標に熊本市街地での流量を現在の毎秒1500トンから2000トンに増やす。さらに立野ダムと黒川遊水地群で合わせて300トンをカットすることで、基準地点の代継橋付近を2300トンの洪水に対応できるようにする。

 立野ダムは、最下部に三つの穴を設ける穴あきダム。関連工事は1983年に着手し、本体工事を残す。総事業費は当初425億円としていたが、現在は917億円に膨らみ残事業費は491億円。民主党政権に交代後、検証対象とされた全国83ダムの一つで、九地整が県や流域市町村などと検証作業を実施。河道掘削や輪中堤などのダム以外案に比べダム案が最も有利と結論付けた。

 特に、今年7月12日の豪雨で熊本市北区の龍田地区が甚大な浸水被害に遭ったことを受け、行政側の動きは加速した。知事と熊本市長がダムに期待する姿勢を明確にし、県議会と同市議会も9月定例会で建設推進を求める意見書を可決した。

 龍田地区などに「ダムを含め早期の治水対策を」という強い声がある通り、対応にはスピード感が不可欠だ。ただ、気になるのは賛否の議論が流域全体で熟しているかどうか。国交省とダムに反対する市民団体の間には多くの見解の相違がある。

 まず、費用対効果をめぐって同省は「完成までの費用はダム以外の案よりダム案が一番少なく、10年後に最も効果が期待できる」と結論付けている。それに対し市民団体は「ダム以外の事業費を過剰に見積もった結果であり、完成まで10年かかるのは即効性を欠く」と反論する。

 安全度に関して同省が「整備計画に掲げた目標達成にはダムが最も有利」としているのに対し、市民団体からは「熊本市ではダムによって20センチほど水位が下がる程度で、効果は限定的」との指摘もある。

 環境面では同省が「通常は水を流す穴あきダムのため生態系への影響は少ない。環境保全措置も実施する」と強調。市民団体は「穴あきダムでも堆砂による水流の遮断は避けられない。予定地の原始林や阿蘇の景観も損なう」と批判する。

 公聴会を済ませたとはいえ、こうした議論を置き去りにしたままの判断は禍根を残しかねないことを、国交相には念頭に置いてもらいたい。

 仮にただちに着工したとしてもダム完成までの10年の間に、「7・12」級の豪雨がいつ発生するか分からない。ダムの判断とは別に、中下流域の河道変更、川幅拡張、河床掘削、橋の架け替えといった総合的な河川改修は、国と県が待ったなしの姿勢で取り組んでほしい。

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11/24up: 「ダム解体の時代へ」田中優の“持続する志”

転載します。

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第185号
2012.11.24発行

※このメルマガは転送転載、大歓迎です。

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□◆ 田中 優 より ◇■□■□

「ダム解体の時代へ」

▼ 脱原発の裏で進むダム建設

 原発問題がクローズアップされる一方で、こっそり進められているものがダム建設だ。

 かつて象徴的に言われていた西の「川辺川ダム」、東の「八ツ場(やんば)ダム」。
川辺川ダムは知事の決定によって一応は止まっているが、八ツ場ダムは推進されている。

 戦後のはげ山から森が回復したことで、流れ出る水はずっと減っているというのに。
どこにダムが必要な理由があるというのか。他の地域で進められるダムも推して知るべ
しだ。

 北海道から沖縄まで、ダム建設が進められる。どれも合理的な理由は見当たらない。
見当たるのは地方であえいでいる建設会社のわずかな利益と、原発が作れなくなった
ゼネコンの利権、政治家たちのだみ声だけだ。

 北海道の静内にある二風谷ダム。堆積した砂によってわずか5年で貯水池が埋まり、
そのせいで上流に洪水をもたらし、あてにしていた「苫小牧東部開発(苫東開発)」は
企業が来なくて水は売れず、発電もできない。ダムの造られた沙流川は「砂が流れる川」
という意味なのだから、最初から埋まることはわかりきっていた。しかしその上流に、
さらに役立たない平取ダム建設が計画され、これに対する「有識者会議」は「他の選択
肢よりも有利」と答申し、建設されようとしている。

 数年前、レンタカーを借りてダム予定地に出かけてみた。低い山が連なる中、ここしか
ないだろうと考えて車を停めた谷こそダム予定地だった。

 役立たずに砂で埋まったとき、有識者の皆様には賠償してほしい。北海道のサンルダム
も全く同様に意味がない。推進する下川町は、森の保全で名ばかり有名になっているがダ
ム建設で川を壊している。

  愛知県の豊川には、すでに工業用水道と水害防止、河川維持用水を理由にして設楽
(したら)ダムが建設されようとしている。しかし水はこれまでの開発で十分にあるし、
水害地点とされる場所ではほとんどダムは役立たない。流域のアユの生息を理由にする
「河川維持用水」に至っては、ダムがない方がよほどいい。山口には成瀬ダム、長崎に
は石木ダム、熊本には立野ダム、全国津々浦々に数限りなくダムが新設されようとして
いる。

 山形の清流、小国川には意味不明な「穴あきダム」が予定される。穴あきダムは洪水
のときだけ水を少しずつ流すためだけのものだ。地元の漁協は完全に拒否しているのに
ダム建設を止められない。

 「有識者」とは、「思慮も知識もないが、物分りだけはいい」人を指す言葉でしかな
い。その議事録を見ると驚く。かつて洪水が起きたとされる場所は高台の上だ。川の水
が坂を上り、高台に上るというのか。もちろん現実には起きていない。しかしそれを防
ぐのにダムが必要で、それが最も安い方法だという。

 無能な有識者を弾除けにして、官僚・ゼネコン・政治家たちが国土を壊し続けている。

▼むごい未来を残す開発

 子どもの頃、近所の小川でたくさん遊んだ。魚やシジミを取り、川沿いの林で虫取り
したり栗拾いやクルミを取って遊んだ。ぼくがダムに反対するのは、そこにある生き物
たちを追いやるのがいやなのだ。

 ぼくは自分が虫だったらどこに集まるかと考え、魚だったらどうするか考える。その
大切な友人たちの棲み家を失わせるのはしてはいけないことだと思うのだ。

 ぼくは保守主義者だ。再生できないのに自然や生き物たちの棲み家を壊し、未来の
子どもたちの育つ場を奪っていく。多くの人はすでに清流を知らない。

 たとえば川に入って足元がぬるぬるするのはダムのせいだ。水は貯めると腐ると言わ
れるように、ダムで水を貯めれば水は微生物だらけになる。その微生物が下流の石の
周囲で懸命に生き残ろうとするからぬるぬるになるのだ。もはや上流にダムのない川は、
全国にほとんどない。

 もっと以前には、川は魚を踏まずに渡ることはできなかった。産卵期になると、遡る
魚群によって川は黒く盛り上がり、その魚を狙う動物たちで賑わう場になっていた。
海外ならまだ見ることができるが、日本では失われてしまった。

 水生昆虫が多いことが魚を支え、魚が動物を支え、その動物たちが森に養分を届けて
いく。アイヌは川を海から遡るものと考えるように、山の養分は生き物たちの遡上なのだ。
本当はこの美しい景色の話をしたい。しかしいまや失われてしまったのに、子どもたちに
伝えたとしても酷なだけだ。そう思うと言葉を失う。

「この水の色、神秘的ね」

『それはダムのせいで水が腐ってしまった色だ』、

「鯉がいるから水がきれいなのね」

『鯉は水が汚れていないといられない魚だ』、

「やっぱり地場のウナギはおいしいわ」

『この皮の厚さは中国産だ。国内のウナギは絶滅寸前、ウナギがおいしいむつ小川原は、
六ヶ所村再処理工場からの放射能汚染が見つかっている』…。

▼ダム建設からダム解体の時代へ

 この秋、産卵のために琵琶湖に遡上するはずのアユの数が以上に少なかった。あち
こちで異常に数が少ないと聞く。琵琶湖のアユが各地に放流されているアユの元だ。
各地の川はダムや河口堰に阻まれ、自然にアユが遡上できない。

 しかし今年、ダムが解体され始めた球磨川の荒瀬ダムではウナギが戻ってきたそうだ。
来年はアユがたくさん遡上しそうだが、その少し上流には瀬戸石ダムがまだ残されてい
る。ダムを造ることより解体すべきなのに、未だに無意味なダム建設が進んでいく。

 全国で水は余っている。人口も減っているのになぜダムを造るのか。いまや発電用の
ダムは造られていないし、世界的に流れを壊さない小規模水力発電が主流になっている。

 下流域の治水のためなら、人口集中地域の上流に遊水地を造ればいい。氾濫原だった
はずの低湿地は人の住まないエリアに戻せばいい。それは今、アメリカで進められてい
ることだ。

 原発神話は福島原発事故で壊れ始めた。しかしダム神話は未だに根深く根付いたままだ。
ダムは安全ではないし、いつかは流れてきた土砂に埋まる。さらに巨大ダムは群発地震を
招く。いまや川はどぶに変わり、人々が集える空の広い場所ではなくなってしまった。

 地球は人間のものではないし、ましてやゼネコンや官僚たちのものではない。いまや
日本の川の水の半分以上が取水されて管路を通る。その水を川に戻そう。人間は、一時
だけ地球に間借りする存在に戻るのがいい。

 ダムは造るときを終えて、解体すべき時期に入っている。

(※ 川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)

★ 田中優ブログにて「降雨量と直接流出量の変化」のグラフを添付しています。
  http://tanakayu.blogspot.jp/2012/11/blog-post_8746.html

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◇■ 11月27日(火)愛知・日進市「これからのエネルギーを考える」 ■◇

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田中優講演会
「これからのエネルギーを考える ~原発のない社会へ私たちに出来ること~」

日時 11月27日(火) 10:00~12:00

会場 日進市民会館 小ホール

参加費 組合員 無料 /組合員外の方は資料代200円

主催 生活クラブ生協 脱原発活動推進プロジェクト

申込 愛知本部 052-806-5871 担当:津島

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 ◇■ 12月の天然住宅バンクミーティング ■◇
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どなたでも参加できる、天然住宅バンクのミーティングです。
田中優ももちろん出席します。

日時  12月18日(火) 19:00
場所  東京都新宿区歌舞伎町2-19-13 ASKビル4F
参加費  無料

 ▼お申し込み受付はこちら
 http://tennen.org/bankentry.html

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 ◇■ 11月~12月講演会情報 ■◇
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11月25日(日) 13:00 日本教育会館ホール(東京)
11月27日(火) 10:00 日進市民会館 (愛知)
11月29日(木) 18:30 益田市合同庁舎 5階(島根)
11月30日(金) 10:00 +R リンケンモデルハウス(島根)

12月 1日(土)       ピースボート脱原発クループ
  ~ 4日(火)       福岡→韓国・釜山→沖縄
12月 6日(木) 18:00 EROSA(宮崎市)
12月 7日(金) 18:00 地域交流センター歩歩路(静岡・島田市)
12月 8日(土) 10:35 地球市民かながわプラザ(横浜市)
12月 9日(日) 12:00 吉祥寺ROCK JOINT GB (東京)
12月15日(土)       仙台
12月16日(日)  14:30 クーポール会館(静岡市)
12月18日(火) 19:00 ASKビル4F (東京・新宿)
12月21日(金) 10:30 神奈川県民ホール(横浜市)

各講演会の詳細は随時 田中優公式HPの講演会情報にアップされています。
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11/14up: 北向山を撮って素晴らしさを広めよう!白川~北向山 秋の撮影会 11/23(金祝)

大津の“守る会”有志と、帆足さん(ふるさとの夢と文化を育てる会)がコラボして
白川~北向山 秋の撮影会 を企画しました。

のんびり白川散歩を楽しみながら思い思いの写真を撮りましょう。
そして『白川写真展』(流域各市町村で開催準備中)で皆さんに披露し、
白川・北向山の素晴らしさ、貴重さを多くの人に知ってもらいましょう!

24年11月23日(金曜祝日) , 10:00~15:00

集合:JR立野駅前 9:30受付
参加費:1000円(昼食付き)

※お申し込みは:帆足さん 090-4994-1881
        大津の野村 090-3986-4795
 お弁当の数がありますのでふるって事前申し込みをお願いいたします!
        (当日飛び込みもOKです)

チラシはこちら
https://kawabegawa.jp/tatenodam/pdf/20121123.pdf

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10/31up: 立野ダム事業検証の終了について

緒方です。

10月29日、国土交通省九州地方整備局の事業評価監視委員会は、立野ダム事業計画について「事業継続が妥当」とする同局の方針を了承し、同局での検証作業は終了しました。同じ日、同局は立野ダム建設予定地周辺での動植物調査結果を公表しました。国や県が保護すべきと定めている重要種174種の動植物が生息し、ダム工事の影響で42種もの生息地域や個体自体が消失するか、その恐れがあると公表しました。なぜそのことを、検証の途中で公表しないのでしょうか。

国土交通省はこれまで「立野ダムは普段は水を貯めず、水没するのは洪水調節をする短い時間であるので、環境に与える影響は小さいと想定される」と主張してきました。これまでの主張を大きく覆す調査結果を、検証作業の最終日に公表したことに、怒りを感じます。

立野ダムは、阿蘇くじゅう国立公園の36ヘクタールもの広大な自然を水没させます。水没する阿蘇北向谷原始林は国指定の天然記念物であり、阿蘇くじゅう国立公園の特別保護地区にも指定されています。現状変更行為が許されない国立公園の特別保護地区に、本来ダムを造ることはできません。

そもそも、事業者が自らの事業を検証することに無理があります。9月に行われた立野ダム公聴会では、30人の住民が発言し、立野ダム建設を求める意見は全く出ませんでした。熊本県も大規模な白川の改修計画を発表し、白川の安全度は格段に高まります。阿蘇は、熊本が世界に誇る自然遺産です。世界の阿蘇に、高さ90mもの巨大なコンクリートのダムは似合いません。

国土交通省に対し、事業検証のやり直しを求める申し入れを行う準備を進めたいと思います。

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10/9up: A4チラシを更新しました!

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10/9up: 9月定例県議会最終日(10/3)、平野みどり県議(県民クラブ)による「立野ダムの拙速な建設に反対する請願」不採択への反対討論

10月3日の県議会本会議で、
「立野ダムの拙速な建設に反対する請願」が不採択となりました。
そのことに対する平野みどり県議(県民クラブ)の反対討論が送られてきましたので紹介します。

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                              平成24年10月3日
                            9月定例県議会最終日

請第25号「立野ダムの拙速な建設に反対する請願」の不採択に反対の討論を行います。

あらためて7.12九州北部大水害で亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さんに心よりお見舞申しあげます。そして、未だに行方不明のお二人が、一日も早く見つかることをお祈りします。さて、水害から3ヶ月が経とうとしていますが、未だに爪跡はなまなましく、復旧復興の途上にあることは、今回の水害がいかに大きかったかを物語っています。

7月12日、大水害の情報を報道で得ながら、真っ先に脳裏を過ぎったのは、「あー、立野ダムが出来ていなくてよかった」という思いでした。7.12規模の水害はこれからも発生すると言われており、ダムからあふれ出るだけでなく、ダム自体が決壊した際の中流域、下流域の被害は想像を絶するものだと思うからです。

その最悪のシナリオはこうです。ダム湖の水位が急激に上がり、ダム湖周辺の断層や岩盤内の割れ目にも一気に水が入り、水圧の上昇に軟弱な岩盤が耐えきれなくなり、ダム湖周辺のいたるところで大規模な地滑りが発生し、満水になったダム湖に、大量の土砂が一気に崩落する。そして、ダム湖に高さ50メートルの大津波が発生し、ついに大津波はダム本体を乗り越え、下流域を襲い、ダム本体の決壊が事態を更に深刻化させるというものです。

去る9月11日、国土交通省は、「立野ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場(第3回)」で、立野ダムを含む現行の河川整備計画が最も有利であるとの検証結果を提示しました。確かに、7月12日に本県を襲った「これまでに経験したことのないような大雨」は、白川流域の各地での氾濫をもたらし、流域の住宅地や農地等は甚大な被害を受けましたが、浸水被害を受けた箇所は、河川改修が未完成の箇所ばかりです。素案では、現行の立野ダムも含む河川整備計画を容認していますが、ダムより河川改修を優先させるべきことは明白です。ダム計画があることにより、河川改修に向けられるべき予算と労力が、速やかに、そちらに向けられないのではという懸念を流域住民は持っています。

現に、9月22日、23日、24日と、熊本市、大津町、阿蘇市で行われたこの素案に対する国交省主催の意見公聴会で出された、被災された方や流域住民どの方からの意見も、どれ一つダム建設を支持する意見ではなく、むしろダム建設の危険性等問題点を指摘する内容であったり、河川改修の不十分さあるいは河川計画の未整備を指摘する内容ばかりでした。私も22日の熊本市での公聴会を傍聴しましたが、それらのご意見を聞きながら、更に大きな疑問と不条理を感じたのは、立野ダム建設についての国の事業の進め方を、県や熊本市を含む流域関係自治体がなぜ容認なのかを含め、多くの流域住民を含む県民への情報や説明責任が極めて不十分な中、今がチャンスとばかりにダム建設へと舵が切られようとしている点です。

私が議員になって直後の平成10年2月定例県議会で、川辺川ダム事業の予算増額への見直し計画が容認される場面に遭遇しました。既に私は川辺川ダム問題を考える市民グループとの関わりを持っていましたので、川辺川ダムに疑問を持っていましたが、困惑の中で、不本意ながら議決に賛同してしまいました。その後、当時の県民クラブ、民主・県民クラブと変遷する中、川辺川ダムの問題点を改めて勉強し、私たちは他会派の議員諸氏とともに、「ダムによらない治水・利水を考える議員の会」を立ち上げるに至りました。その経験から、今を、「いつか来た道」と感じています。

国交省の内部には、道路、橋梁、ダム等、それぞれの技術を継承し、予算獲得に奔走する官僚グループや技術者が存在するのでしょう。ダムのすべてを否定するものではありませんが、立野ダム計画は、川辺川ダム計画に酷似しており、正当性と実効性には大きな疑問があります。もし、そうでないならば、国交省、熊本県、熊本市などは、安全性や正当性、実効性に納得が得られるまで、流域住民に徹底的に情報を開示し、疑問にこたえていくべきです。あまりに拙速に、住民への周知徹底もなされないまま、どさくさにまぎれるような形で、立野ダム建設を進めることは、「住民参加」の河川法の精神に背くものだと言えます。行政のアカウンタビリティーとしては時代錯誤です。

被災された流域住民の方々が口々に訴えておられるように、河川改修による安全対策を何より優先すべきです。立野ダムによる治水はあまりにも問題が大きいだけでなく、ダム計画がある限り、下流の河川改修が遅れる、あるいは予算がダムに流れるとの疑問は消えません。拙速な立野ダム建設ではなく、国、県、熊本市など流域自治体は連携し、徹底して住民の声に真摯に耳を傾け、優先すべき事業を再確認し、速やかに対応されることを切に願い、「立野ダムの拙速な建設に反対する請願」の不採択に反対します。議員各位のご理解とご賛同をお願いいたします。

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10/9up: 会報2号をアップしました。

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10/5up: 10/3日県議会本会議での「立野ダムの拙速な建設に反対する請願」不採択に対する反対討論

3日の県議会本会議で、
「立野ダムの拙速な建設に反対する請願」が不採択となりました。
そのことに対する共産党県議松岡徹氏の反対討論が送られてきましたので、
紹介します。
=============================
日本共産党の松岡徹です。請第25号「立野ダムの拙速な建設に
反対する請願」は、白川の治水対策では、河川整備を優先させる
べきこと、ダムによらない治水対策を優先して検討すること、立
野ダムについては、その効果や悪影響を慎重に審議するよう求め
たもので、至極当然で適切なものであり、不採択には断固反対し
ます。

なぜ河川の整備、ダムによらない治水対策を優先すべきか
河川整備の遅れがこの度の白川水害の原因だからです。

甚大な被害をもたらした「7・12熊本広域大水害」は、「過去
に経験したことのないような大雨」「1000年に一度の豪雨」
と指摘される大雨でした。県自身が、「これまで白川では、昭和
28年6月、昭和55年8月、平成2年7月など、たびたび洪水
が発生していますが、今回の豪雨は、『これまでに経験したこと
のないような大雨』でした」と被災地での説明会で述べていると
おりです。

同時に、白川があふれた被害現場を調査すると、私自身流域を4
回調査しましたが、国直轄、県管理区間のいずれも、堤防がない
ところからの氾濫であり、計画はありながら改修が遅れたがため
の水害でした。中流域の大津、菊陽、熊本市の一部は、河川整備
計画自体がなく、整備がなされず放置されたもとでの被害でした。
「急いで河川整備を」「堤防を急いでつくって」「堆積した土砂
の浚渫・掘削を」というのが被害にあった方々の要求です。龍田
陣内4丁目については、「多くの死者が出なかったのは奇跡だ」
といわれるほどの被害でした。死者が出なかったことは幸いでし
たが、そうした重大な危険に住民をさらした責任は重大です。県
が、開発許可を下した責任、開発許可を下しながら、住民の生命・
財産を守るための対策をとらなかったことの責任、10年前につ
くった河川整備計画を実行しなかった責任、ソフト面でも避難指
示が3時間余りも遅れたことの責任等、県として厳しく責任を
自覚し、対策を急がなければなりません。

国・県が当然やるべき河川整備をやらず、住民を死の危険にさら

し、貴重な財産の流失、崩壊等もたらしたのが今回の水害であり、
ここに白川の治水対策の問題、課題が集約されているといっても
過言ではありません。
国・県は、来年雨期までに、「2012年7月12日」規模の大
雨が降っても、洪水被害を出さない特別対策を実施することをは
じめ、スピード感をもって、地域ごとの水害対策を具体化し実行
すべきです。

立野ダム計画を進めれば、厳しい財政の下、その配分上、いま国・
県が急いでやるべきこうした河川整備が遅れてしまうことは疑い
ありません。球磨川で川辺川ダム建設が進められた時、毎年15
0億、110億という予算が組まれました。その一方で球磨川で
は、毎年のように水害があちこちで起きました。ダム建設にお金
がつぎこまれ、河川改修が後回しにされたからです。立野ダム計
画を持ち込むことは結果として、水害被害にあった住民の緊急・
切実な願いに背くことにならざるを得ません。

立野ダムについては、十分な検証が必要であり、ダム以外の治水
対策に全力をあげるべきです。

国交省は、9月11日に開かれた第3回「検討の場」で、「立野
ダムが最も有効」との見解を示しましたが、この結論は、国交省
の過去の実績に照らすとまったく信用できません。

川辺川ダム建設計画では、国交省は、住民討論集会などで、2日
間雨量440ミリで人吉の流量は7000トンになると固執して
いました。ところが、440ミリ程度の雨が降っても人吉の流量
は4000トンから4300トンでした。そこで突然、国交省は
2日間雨量を12時間雨量に変えました。基準地点は八代と人吉
で、八代の流量は9000トン、人吉は7000トンでした。と
ころが八代9000トンでは人吉が7000トンにならないので、
八代を基準地点から、突然外してしまいました。しばらくすると、
また突然、八代を基準地点に復活させました。そして八代の流量
はいつの間にか、9000トンから9900トンに代わっていま
した。県議会の議事録に載っていますが、私の一般質問での指摘
に、当時の潮谷知事も「2転3転」し、「誰が聞いても理解しが
たいものだった」と述べています。

これも一般質問で取り上げたことですが、国交省九州地方整備局
の内部資料によると、九地整の幹部及び各河川事務所長等が内部
の会議で、「本当は余裕高でいくと、立野ダム一つが吹っ飛んで
しまうわけですね」というような議論をしています。「立野ダム
はいらない」ということです。

コスト面でも、川辺川ダムは当初、350億円だったのが、33
00億円に、10倍に膨れ上がりました。国交省は、住民討論集
会で、川辺川ダムはあと630億円で済むのに、ダム以外の対策
では2100億円以上かかると主張しました。ダム中止の方向が
決まり、国交省が「第8回検討する場」で示したダム以外の急いで
やるべき治水代替案は、2100億円の5分の1の約370億円
から400億円の費用でした。立野ダム案が安上がりという国交
省の結論を「ハイ、そうですか」と信用できないのは当然です。

立野ダムについては、説明責任が果たされていません。住民参加
の検証がなされていません。

国交省は、9月11日の「立野ダム建設事業の関係団体からなる
第3回検討の場」で「立野ダムが最も有効」と述べました。そし
て国交省九州地方整備局ホームページにいきなり、「関係住民の
意見を聞く会」を、9月22日、23日、24日に開くこと、意
見を述べたい人は20日までに提出することが掲載されました。

A4で350ページを超える専門用語と数字を交えた報告書案、
説明文書を、短期間で、多くの流域住民、県民が読み解き、意見
を発表することは不可能です。

「検討する場」で、村田副知事が、「県民への説明責任」を求め、九
地整河川部長は、「説明責任を果たす」ことを約束しましたが、国
交省のやり方は、説明責任を果たすどころか、県民に知らせない、
考えさせない、検証に参加させないというものです。

なお22日、23日、24日に開かれた公聴会では住民30名が
発言しましたが、立野ダム賛成は一人もいませんでした。
川辺川ダム問題では、住民討論集会を9回開き、のべ53時間公
開討論をし、約1万2千人余が参加しました。森林保水力の検証
もやりました。「球磨川・明日の川づくり報告会」は、流域で5
1回、熊本市、山鹿市合わせて53ケ所で開かれました。熊本県
が有識者会議を設置し8回の審議がなされました。こうした経験
を立野ダムの検証においても生かすべきです。

白川の整備計画河道流下能力算定表によると、すべての区間がダ
ムなしの目標流量2300トンをはるかに上回っており、計画を
実行すれば目標流量は流せます。ダムなしで十分です。150分
の1の流量―これ自体を信用しているのではありませんが―これ
に対しても、ほとんどの区間でこれさえも超えており、個別的な
堤防かさ上げや掘削などの対策で流下は可能となります。なぜ5
00億円、あるいはそれ以上かけて、10年先、あるいはそれ以
上先の立野ダムをつくる必要があるのか。検証が必要です。

立野ダムの安全性については、立野ダム建設予定地周辺には、崩
落しやすい柱状節理が見られること。布田川・日奈久断層帯の一
部である北向山断層が通っていること。ダム上流の水位の上下動
による地下水位の上下変動による斜面崩壊による危険があること。
阿蘇の山々の山崩れによる土石流により、大量の流木、巨大岩石、
大量の泥が流れこみ、穴あきダムの放流口がつまり、満杯になり、
穴あきダムの機能が失われること、そしてダム堤周辺の危険性も
心配されるなど多々あります。十分な検証が必要です。

いま求められているのは、国交省に対して、情報開示と説明責任
を果たさせ、公正な県民参加の討論集会を求めることです。討論
集会では、「治水対策のあり方」「コスト」「安全性」「環境」
「地域経済」のテーマごとの検証が必要です。県議会はそのた
めに役割を果たすべきです

以上で討論を終わります。

10/5up: 10/3日県議会本会議での「立野ダムの拙速な建設に反対する請願」不採択に対する反対討論 はコメントを受け付けていません

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9/27up: 国土交通省が、立野ダムに関する住民の意見を募集。明日9月28日(金)18時必着!

国土交通省は、立野ダムに関する住民の意見を募集しています。
明日9月28日(金)18時必着となっています。
立野ダムに関するあなたの率直な意見を書いてください。
まだ国交に意見書を送ってない人は、ぜひお送りください!
http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kawa/kensyo/02-tateno/soan-iken(tateno)/iken-bosyu/youryou.pdf

添付しました用紙に必要事項を記入のうえ、国土交通省にお送りください!

◇意見の提出先(平成24年9月28日(金)18時必着)
 国土交通省九州地方整備局河川計画課「立野ダムの検証に係る検討に関する意見募集」事務局宛
  ①電子メールの場合:tatenodam-kyusyu@qsr.mlit.go.jp
  ②郵送の場合:〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2丁目10番7号 福岡第二合同庁舎
  ③ファックスの場合: 092-476-3470
   (件名に「立野ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に関する意見」と
   明記して下さい)

以下、参考にされてください。
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●素案を公表し、1週間足らずで「意見を聞く場」の募集を締め切るとは、住民に開かれた河川行政とは言えない。200ページ以上の膨大な資料を、関係役場等のロビーで立ったまま閲覧し、意見を書くということは不可能です。また意見の書式も指定されており、一般住民が非常に書きづらい形式になっています。住民への周知徹底も全く不十分で、「住民参加」の河川法の精神に背くものだと言えます。

●本年7月12日、熊本県内は広範囲において「これまでに経験したことのないような大雨」に見舞われ、白川は各地で氾濫し、流域の住宅地や農地等が甚大な被害を受けました。今回の7・12洪水で浸水被害を受けた箇所は、河川改修が未完成の箇所ばかりです。素案では、現行の河川整備計画を容認していますが、ダムより河川改修を優先させるべきです。

●白川中流域(大津町、菊陽町)では河道の流下能力が低いため、白川は至る所で氾濫しました。素案によると、現行の河川整備計画では、改修工事のもととなる「整備計画」が中流域で未策定です。中流域では河道の掘削、堰の改修などを実施し、河道の流下能力を高めることが不可欠です。

●最も大きな被害を受けた阿蘇市では、河道の整備が済んだ地区でも黒川は至る所で氾濫しました。黒川遊水地群の整備をすすめるほかにも、できるだけ雨水の河川への流出を抑制する方策が必要です。素案によると、現行の河川整備計画ではこのような方策が盛り込まれていません。

●このように白川上中流域をみると、立野ダムを含む現行の河川整備計画では7・12洪水には対処できないことが明らかになります。素案では、現行の河川整備計画を容認していますが、立野ダムに頼れば頼るだけ、これまで以上に河川改修などに予算が回らないことになるのは明白です。

●素案によると、立野ダムの洪水を貯める容量は、想定した洪水を調節する分しかありません。想定以上の洪水では立野ダム湖は満水になり、洪水調節不能となります。ゲートのない「穴あきダム(流水型ダム)」である立野ダムが洪水調節をする場合も、洪水調節する時期と、洪水のピーク時が一致するとは限らず、むしろ一致しない場合(洪水調節に役に立たない場合)が多いと考えられます。

●洪水時の白川の水は大量の火山灰を含みます。白川にダムを造っても、流下してきた土砂や岩石・火山灰で早い時期に埋まってしまうことが考えられます。国土交通省は素案で、「立野ダムの計画堆砂量は60万m3と想定している。水位の低下とともに貯水池内に堆積した土砂はダム下流へ流下し、もとの川床の状態に戻ると考えられる」としている。しかし、ダムへの堆砂は、ダムサイトのはるか上流の、ダム湖の上流端付近、つまり土砂を含んだ洪水の流速が低下する場所に発生します。それは日本全国、どのダムでもいえることです。ダムに穴が空いていようが、それは変わらないはずです。

●国土交通省は素案で、立野ダムの堆砂計画の点検では松原ダム、下筌ダム、緑川ダムなど近傍の5ダムと比較して検討したとしているが、立野ダムの集水域は阿蘇カルデラであり、近傍のダムとは地質、地形が全く異なっています。比較するならば、同じ阿蘇地区にある水のたまらない大蘇ダムと比較すべきである。

●素案では、立野ダムの工期は10年としていますが、川辺川ダムなど他のダムの例を考えると工期が延びることは容易に考えられ、その間、治水効果は全く期待できません。ダム以外の治水対策では、実施した工事から順に治水効果が期待でき、その方が大変有利である。

●立野ダムは、阿蘇の玄関口である立野峡谷を含む、阿蘇くじゅう国立公園の36ヘクタールもの広大な自然を水没させます。水没する北向谷(きたむきだに)原始林は国指定の天然記念物です。また、立野ダム事業区域は阿蘇くじゅう国立公園の特別保護地区に指定されています。素案では、文化庁や環境省と協議を行うとしているが、文化財保護法や国立公園法に照らし合わせると、明らかに問題がある。

●素案では、立野ダムは環境に十分配慮しているとしているが、試験湛水の期間は、国指定の天然記念物であり、国立公園の特別保護地区に指定されている北向谷原始林が長期間水没することは明らかではないか。

●素案では、立野ダムは環境に十分配慮しているとしているが、穴あきダムは洪水時に大量の土砂をため込み、周辺の山林を荒し、周辺の環境に大きなダメージを与えます。洪水が終わった後も穴あきダムであるために、たまった土砂が露出し、今度はたまった土砂が流れ出し、長期間下流の白川を濁します。このように、立野ダムの環境に与える悪影響も大いに懸念されます。

●素案では、「立野ダムでは模型実験で、流木による放流施設の閉塞は発生しない。放流施設(穴)の呑口部にスクリーンを設置する」としているが、今回の7.12洪水では、たとえば大津町の下井手取水堰では、堰の柱と柱の間がすべて流木で詰まっていた。スクリーンなどを設置すれば、流木で詰まってしまうことは明らかである。

●素案では「ダムを構築するには十分な強度と岩盤特性を有している」としているが、立野ダム予定地の地盤は、阿蘇火山から流下してきた立野溶岩で割れ目が非常に多く、ダムができれば地すべりや漏水の危険性があります。地震発生確率の高い活断層「布田川・日奈久断層帯」も直下を通っています。立野ダムが完成すれば、熊本市など下流域は大 きな危険にさらされます。

●阿蘇カルデラの草原は、九州の水がめの役割をしています。草原が荒廃すると、山崩れなど土砂災害を起こしやすくなります。阿蘇の草原を保全するとともに、荒れた人工林の間伐を進めると、流域の保水力は高まり、土砂災害を防止することもできます。このような方策は素案には述べてありません。

●素案によると、立野ダムは、ダム本体工事や仮排水路工事に着手されていないにもかかわらず、総事業費は当初予算の2倍以上の917億円に膨れ上がりました。河川法によると、立野ダムの総事業費の3割を熊本県が負担することになります。熊本県の負担額は917億円の3割、約275億円ということになります。県民1人あたり約15000円を立野ダムに負担することになります。川辺川ダムなどの例を考えるとさらに事業費が膨らむことが容易に考えられます。

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