公聴会最終日の南阿蘇村公聴会、昨日の有識者の意見聴取会の記事です。
南阿蘇村公聴会 意見発表いずれも反対、疑問
国が白川の治水対策として計画している立
野ダム建設について、流域住民の意見を聴く
公聴会が24日夜、建設計画地となる南阿蘇村
の久木野庁舎であった。住民ら18人が参加
し、4人が意見を発表。いずれもダム建設に対
し、反対や疑問を表明した。
発表者は「災害対策は、ダムに頼らず、河
川改修を優先するべきだ」「穴あきダムは白
川の水質汚濁を招き、流域や有明海の農漁業
に影響を及ぼす」などと主張。阿蘇の自然や
観光への悪影響や、計画地の地盤など安全性
に対する不安の声も上がった。
一方、会場からは、公聴会そのものに対し
て「周知期間が短すぎる」「国は説明責任を
果たしておらず、形だけの公聴会はアリバイ
づくりだ」などと反発が相次いだ。
(藤山裕作)
熊本日日新聞 2012年9月26日
立野ダム計画で学識経験者から意見聴取
http://www.kkt.jp/news/index1.html
白川の治水対策として国が計画している立野
ダム。
建設計画の参考にするため九州地方整備局が、
25日、学識経験者から意見を聞いた。
出席したのは熊本大学の小林一郎教授ら4人
だ。
立野ダムは穴あきの治水ダムで、国は、建設
費およそ900億円、10年後の完成を目指
している。
学識経験者からは、「穴あき式ダムは有効だ」、
「ダムと比較できる代替案も出すべき」など
の意見が出された。
穴あきダムはふだんはダムの底に設けられた
放流口から水を流し、洪水のときだけ水を貯
める。
国は環境に優しいとしているが、有効性が確
認されないうえ流木や土石が穴をふさぎ、崩
壊や大規模洪水が起きると指摘する専門家もいる。
立野ダム 専門家、有用性を評価
国交省が意見聴取 住民周知求める声も
国上交通省九州地方整備局は25日、白川の
治水対策として計画する国営立野ダム(南阿
蘇村、大津町)の検証結果について、河川工
学や防災の専門家らから意見を聴いた。治水
対策としての有用性を評価する意見のほか、
住民への十分な周知を求める声が上がった。
熊本市の市民会館崇城大ホールで、小林一
郎・熊本大大学院教授、山田文彦・同教授、
下津昌司・元熊本大教授、平野有益・新聞博
物館長が出席。盛田禮一郎・熊本大名誉教授
は文書で意見を寄せた。
下津氏と山田氏は、白川の上流に雨が多く
勾配が急な点を挙げ、「上流域で洪水量を調
節する方策は理にかなう」とダム案を評価。
一方、地域防災力の向上などソフト面の対応
の必要性も指摘した。
小林氏は、代替治水案5案と総合的に比較
して「ダム案が最も有利」とした同局の検証
結果について「項目ごとに各案と比べるので
はなく、代替案の申の最良案とダム案を比べ
るべきだ」と述べた。
平野氏は、住民への周知不足を懸念。流域
住民の不安に対する丁寧な説明を求めた。盛
田氏は、ダムが環境に与える影響を回避・低
減するための具体策の検討を注文した。
同局は今後、流域7市町村の意見を踏まえ
た蒲島郁夫知事の意見を聴いた上で、住民や
専門家の意見も反映した検証の報告書原案を
策定。事業評価監視委員会の評価を経てダム
事業を継続するか否かの方針を決定し、国土
交通相が最終判断する。(楠本佳奈子)
【写真】治水対策として立野ダムの有用性を
認める意見や住民への周知を求める声が上がっ
た会合=25日、熊本市中央区の市民会館崇城
大ホール
熊本日日新聞 2012年9月26日