12/27update: ダム建設中止の要望書”を提出 12/26-28, 1/15 説明会

「立野ダムと白川の自然を考える県民の会」の本体チームが、
関係する自治体に“立野ダム建設中止の要望書”を提出します。

●12月26日(月)7:30熊本市役所前で立野ダム問題チラシ配り
          9時大津町役場
         11時南阿蘇村役場
         13時阿蘇市役所

●12月27日(火)7:30熊本県庁前で立野ダム問題チラシ配り
          10時熊本市役所(5階秘書室・副市長が対応)
          13時高森町役場

●12月28日(水)11時熊本県庁(13階1301会議室)

です。中島会長やビラを作ってくれた緒方さんが行かれますので、一緒に提出に立ち会ってくださったり、
会って交流を持ったりしていただくのに絶好の機会だと思います。

以下、要請文です。
https://kawabegawa.jp/tatenodam/pdf/yobo20111226.pdf

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                               2011年12月26日
熊本県知事  蒲島郁夫 様
熊本市長   幸山政史 様
阿蘇市長   佐藤義興 様
大津町長   家入 勲 様
菊陽町長   後藤三雄 様
高森町長   草村大成 様
南阿蘇村村長 長野敏也 様
西原村長   日置和彦 様
           立野ダムと白川流域の自然を考える県民の会(準備会)

                    連絡先 中島 康  熊本市島崎4丁目5-13
                    電話 090-2505-3880 FAX
096-354-2966

立野ダム計画および
阿蘇と白川流域の自然保護に関する要望書
~世界遺産登録をめざす阿蘇に、高さ90mの巨大ダムはいりません~

 貴職におかれましては、「阿蘇くじゅう国立公園」の豊かな自然環境の保全、日本一の地下水都市・熊本の地下水の保全、そして白川流域の災害対策などに常日頃からご配慮くださっていることに、心から感謝申し上げます。

 立野ダムは、白川・黒川合流点のすぐ下流に計画された、高さ約90mの洪水調節専用の穴あきダムです。立野ダム予定地の左岸は国指定の天然記念物である阿蘇北向谷原始林で、「阿蘇くじゅう国立公園」の特別保護地区にも指定されています。立野ダム予定地自体も同国立公園の第三種特別地域に指定されています。立野ダムが建設されたならば、阿蘇北向谷原始林を含む同国立公園の広大な自然環境に致命的なダメージを与えます。北向谷とダム予定地周辺のすばらしい渓谷は、国民の宝です。国立公園内にダムを造るべきではありません。高さ90mのコンクリートの巨大構造物(立野ダム)ができれば、世界遺産登録をめざす阿蘇にとって致命的なダメージとなります。

 洪水時の白川の水は多くの火山灰を含みます。白川にダムを造っても、土砂や火山灰で早い段階で埋まってしまうことは明らかです。立野ダム工事事務所では堆砂容量を「検討中」とのことですが、2000年の建設省(当時)の資料では堆砂容量230万m3、ダムの底から50mも堆砂する計画になっています。穴あきダムは大量の土砂をため込み、周辺の山林を荒し、環境に大きなダメージを与えます。洪水が終わった後もたまった土砂が流れ出し、長期間下流の川を濁すことは、川辺川上流の朴の木(ほうのき)ダムの例を見ても明らかです。

 立野ダム予定地周辺の立野渓谷は、阿蘇カルデラ内の火山から流下してきた立野溶岩で、冷却によって生じた角材状の割れ目(柱状節理)がよく見られ、巨大ダムを建設するには非常に危険な地質です。また、立野ダム予定地には、国内で地震発生確率の高い活断層である「布田川・日奈久断層帯」の一部である「北向山断層」が通っています。北向山林道を通り、立野ダム本体予定地左岸の地盤を見ると、多くの崩壊箇所が見られます。阿蘇の火山活動や地震などにより立野ダムが崩壊すれば、大津町から熊本市までの下流域は大きな危険にさらされます。

 「東日本大震災のような想定外の災害のためにも立野ダムが必要だ」という意見があります。しかし、立野ダムの洪水を貯める容量は、想定した洪水を調節する分しかありません。想定以上の洪水ではダム湖は満水になり、ダム湖に流入した水をそのままダム上部の8つの穴から非常放流することになります。それまで洪水をため込み放流をおさえた分、下流では川の水位が急激に上昇し、非常に危険です。

 一方では、熊本市の心臓部とも言える、大甲橋から銀座橋周辺までの右岸側の堤防が整備されておらず、同区間の左岸側より堤防が2m程度低いままになっており、白川が増水する度に土嚢が積まれています。この区間の堤防整備は平成14年策定の河川整備計画に入っているにもかかわらず、10年近く手つかずです。早急に堤防の改修を進めるべきです。

 立野ダムは、ダム本体工事や仮排水路工事に着手されていないにもかかわらず、総事業費約425億円のうち平成20年度までに約405億円が使われています。平成23年度評価では、総事業費は当初計画の2倍以上の約905億円に膨れ上がりました。川辺川ダムなどの例を考えるとさらに事業費が膨らむことが容易に考えられます。この財政難の中、許されることではありません。

 さて、国土交通省は立野ダム計画で、「立野ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」の2回目の会合を10月14日に開催し、ダム以外の治水対策で複数の方策を組み合わせた治水対策案を県や流域の7市町村に示しました。

 今回の「複数の治水対策案の立案及び概略評価による治水対策案の抽出」は、各治水対策案の事業費の内訳や、具体的な事業内容などを明らかにしないまま、トータルの概算事業費で評価しようとするものであり、極めてずさんです。それらを明らかにしなければ客観的な検証はできません。ダム代替案の中に、現在工事中の白川7km400m地点周辺の河道掘削や、改修済みの「十八口堰改修」が含まれていることも不可解です。

 次に、立野ダムの白川流域への適用性が「事業の進捗状況を踏まえて」という点でしか検討されていないことも問題です。環境面で重大な影響がある点や、堆砂の問題、地質の問題、想定以上の洪水に対処できない点など、立野ダムの問題点を含めて比較検証しなければ、科学的な検証はできません。また、立野ダムが白川の各地点で何cmの水位低減効果があるのかが明らかにされていません。なぜ中流でも下流でも1mの堤防のかさ上げが必要なのか不可解です。

 「ざる田」と言われ高い浸透能力を持つ流域の水田の保全は、治水対策案の組み合わせの対象に入れるべきです。洪水時に流域の水田約55k㎡を対象に15cm雨水をため込めるように畦を高くするだけで約825万m3の容量があり、それだけで立野ダムの有効貯水量と同程度の水を蓄えることができます。流域の水田の高い浸透能力を考えると、立野ダムを大きく上回る治水効果を得ることができます。

 県内の1級河川でダムがないのは白川だけです。コンクリートのダムをつくるのではなく、阿蘇の草原を守り、白川中流域の農業を守ることが、白川の治水や熊本の地下水の保全にもつながります。立野ダムは、世界遺産登録をめざす阿蘇と白川流域の貴重な自然環境を破壊することは明白です。立野ダム建設中止を含め以下3点を要望します。

 1.立野ダム建設の即時中止を国土交通省に要請すること。
 2.立野ダム以外の治水対策の早期実現を国土交通省に要請すること。
 3.立野ダムの問題点を明らかにし、立野ダム案を含む各治水対策案の事業費の内訳や具体的な事業内容などを明示した上で、治水対策案の立案および抽出をやり直すことを国土交通省に要請すること。
                                    以上

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また、

1月15日(日)、午後1時30分から、「第7回・大津町自然エネルギー講座」の中で
緒方紀郎さんに立野ダムがどんなにヒドいダムかプレゼンテーションをしていただきます。
美しい北向山原生林や立野峡谷、白川中流域の写真もふんだんに使って、

阿蘇山系にとって北向山~白川がどんなに大切な存在か目を開かせてもくれます。

ダム水没予定地に、明治時代に作られた素晴らしい石橋もあるんですよ。とてももったいないです。
場所は大津町町民交流施設「オークスプラザ」です。

地図
http://www.town.ozu.kumamoto.jp/product_sisetsu_okusu  

みなさまよろしく!

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