8/23up: 7月12日の豪雨被害の記事

竜神橋上流 白川改修急ぐ 熊本市中心部の洪水被害軽減ヘ
堤防整備など 国と県連携

 7・12豪雨で熊本市内内に22年ぶりの
洪水被害をもたらした白川の流量は、前回氾
濫時より3割も多い毎秒2300トンだった。
国土交通省熊本河川国道事務所は、市中心部
は河川改修が進んでいたことから浸水被害を
最小限に食い止めることができたと説明。改
修が進んでいない市街地上流部について、県
と連携して対応を急ぐ考えだ。 

 国交省が2002年7月に決定した白川水
系河川整備計画は、20~30年後を目標に熊本
市街地での流量を現在の毎秒1500トンから
同2000トンに増やす。さらに立野ダムと
黒川遊水地群で同300トン分をカットするこ
とで、同2300トンの洪水に対応する能力を
持たせる内容。
 小磧橋より下流を管理する国は、同計画の
中で市中心部10・5キロ(八城橋-竜神橋)を
緊急対策特定区間として03~15年度の予定で
集中して改修中。堤防整備は9100メートルの計
画のうち、12年3月末で67%に当たる610
0メートルが終了した。
 熊本河川国道事務所は、今後は竜神橋より
上流部の改修が主な課題になるとし、同橋の
上手にある小磧橋より上流を管理する県と連
携していく。
 県は河川整備計画の中で小磧橋-みらい大
橋間9・4キロ区間を担当。改修は下流から進
めるため、小磧橋から1キロ区間の用地買収の
うち約8割済んだ段階だった。
 今回の災害では、北区龍田地区など県管理
区間で大きな被害が出たことから、県は流下
能力向上と家屋の浸水被害解消を急ぐ。対象
としては熊本市の小磧橋上流9・9キロ区間、
阿蘇市の黒川の38・8キロ区間に加え、菊陽・
大津町区間でも、河川激甚災害対策特別緊急
事業と災害関連事業の採択を目指す方針だ。
(編集委員 野□和紀)

【図】熊本市街地の白川の現状

2012年8月22日 熊本日日新聞

自川の流量 観測史上最大 熊本市で毎秒2300トン
7月の九州北部豪雨

 県内に甚大な被害をもたらした7月12日の九州北部豪雨
災害時に、熊本市を流れる白川の流量が観測史上最大の毎
秒2300トン(暫定値)だったことが、国土交通省熊本河
川国道事務所の21日までの分析で分かった。
 基準地点である代継橋で調べた。1953(昭和28)年
の6・26水害時は毎秒3200~3400トン流れたと推定
されている。56年に観測を始めて以降では、白川が熊本市
街地で前回氾濫した90年7月洪水時の毎秒1760トンが
最大だった。
 12日は国交省雨量観測所のうち阿蘇地域の5ヵ所で3時
間雨量が観測史上1位を記録。最も多かった坊中では午
前6時までに315ミリ降り、過去最大だった90年の194
ミリを大幅に上回った。11日午後からの24時間雨量も517ミリ
に上った。
 短時間に大雨が降ったことで水位も急激に上昇。代継橋
では12日午前4時過ぎに0・84メートルだったが、2時間後には
4メートルも増え、氾濫危険水位(5メートル)に迫る4・83
メートルになった。同10時半には6・32メートルに達し、
これまで最高だった80年8月の5・88メートルを0・44
メートル上回った。(編集委員 野口和紀)

2012年8月22日 熊本日日新聞

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