「阿蘇北向谷原始林」保護を 大津町 立野ダム計画でシンポ
大津町にある国指定天然記念物「阿蘇北向
谷原始林」の保護と立野ダム建設計画の是非を
考えるシンポジウムが29日、同町の町民交
流施設オークスプラザで聞かれた。市民グル
ープ「立野ダムによらない自然と生活を守る
会」の主催。
哺乳類生態学者で環境NGO代表の金井塚
務=広島県廿日市市=さんが講演。同町と南
阿蘇村にまたがる同ダム計画について「生物
多様性を持つ原始林の重要な部分が水没す
る。絶対に建設してはならない」と強調。「北
向谷を核に、周辺に大規模な自然林を再生
し、環境教育普及活動を展開する拠点にして
ほしい」と提案した。
先の九州北部豪雨災害の調査報告もあり、
司会メンバーが「立野ダムの水位低減効果は
最大20センチ。想定外の洪水には対応できない。
荒れた人工林の間伐や河川改修を急ぐべき」
と指摘した。同原始林とダム予定地の現地視
察も行った。(三國隆昌)
【写真】阿蘇北向谷原始林の保護と立野ダム
計画の是非について意見を交わしたシンポジ
ウム=大津町
2012年8月1日 熊本日日新聞