今回破壊された柱状節理(幅約100m)よりはるかに大きな柱状節理(幅300m)が立野ダム本体工事で完全に破壊される、という毎日新聞の記事です。昨年夏の、立野ダム「技術委員会」もきちんと取材されているからこその記事です。その資料を基に、立野ダム本体予定地右岸にある柱状節理と板状節理が重なった貴重な地質遺産が、幅200?、高さ90?、厚さ最大40?削り取られ、ダム本体に飲み込まれることが分かります。
この柱状節理を削ってダム本体をつくろうとしているのですが、ここでは、柱状節理と板状節理が交互に何層も堆積しており、立野溶岩が何度にも分かれて流れてきたことが良くわかります。阿蘇や立野峡谷が形成された過程が良くわかる、貴重なジオサイト(地質上の見どころ)であり、後世に残すべき貴重な地質遺産です。
一連の報道で驚くのが、国や県の担当者が「ジオパークとは知らなかった、認識していなかった」との発言です。現地にあった大きな看板にも、ジオ遺産である柱状節理のことが書いてあります(2011.10.10撮影)。知らなかったというならば、よほど地元のことを知らなかったのでしょう。