【2022年度連続講座】第1回6/25 森林保水力を考える

2022年度連続講座「川と森とともに生きる球磨川流域の未来」がスタートします!

全体趣旨:

球磨川流域は2020年7月4日の球磨川豪雨により甚大な被害を受け、川沿いの家屋や田畑のみならず、流域の山間部にまで及びました。近年、気候変動により予測できない記録的豪雨が全国各地で頻発するようになり、従来型の河川治水対策で安全を守ることはできない時代になっています。

国は、川の中だけでなく広い関係者と連携して治水に取り組む「流域治水」方針を掲げ、蒲島知事も「緑の流域治水」を目標とすると明言しています。しかし、豪雨災害の検証内容は限定的なものであり、球磨川流域の河川整備方針、本流と支流を含めた河川整備計画(原案)策定過程は、従来と同じダムや堤防を中心とした治水計画となっています。気候変動、山林と水害の関わりについて検証や調査はほとんど行われず、安全に暮らしたい住民の声も政策にあまり反映されず、多様な関係者が関わり、あらゆる対策を講じて取り組むという本来の「流域治水」が目指す姿とは異なるものになっています。

 そこで本プロジェクトでは、流域に暮らす住民を主人公に、専門家の協力を得ながら、今回の水害時に何が起きたかを検証し、山や川、生態系、従来の治水政策などを巡るわたしたちの暮らしを取り巻く諸課題を整理します。そして、今後同じような被害を起こさず、流域の命や財産を守りながら、豊かな球磨川流域と共に暮らしていくための方法を模索していきたいと考えています。

 セミナー情報はこちらにも掲載しています。

【第1回】「山が水を貯める力」について考える ~森林保水力ってなに?~

2020年7月の球磨川水害では、人的被害や家屋の被害の多くが本流の増水ではなく支流の増水によるものであること、支流からは水だけでなく流木や土砂も一緒に流れてきたことが指摘されてきました。支流の上流の森林の状態については、昔と様子が変わっている、手入れが追い付かない、多くの山で大規模の皆伐が行われている、山の保水力がなくなっている、といった意見が聞かれます。

国や県が(緑の)流域治水を打ち出す中、球磨川流域の約8割を示す森林にどのような課題があり、解決手段があるのか、森林の保水力の観点から模索します。

日時:

2022年6月25日(土)13:30~15:00

開催方法・場所:

オンライン ならびに 視聴会場での開催(球磨村神瀬木屋角 大岩邸、八代市坂本町片岩「みちのけ、」)

ゲスト(オンライン):

蔵治 光一郎氏(東京大学大学院農学生命科学研究科(農学部)教授)

(プロフィール)
1965年生まれ、東京大学農学部林学科卒、同大学院博士課程修了。専門は森と水の科学、森と水と人の関係。東大演習林、球磨川流域、矢作川流域、熱帯林などをフィールドとして現場のニーズを踏まえた実践的な研究を推進してきた。編著書に『緑のダムの科学 -減災・森林・水循環-』『「森と水」の関係を解き明かす 現場からのメッセージ』など、訳書に『水の革命 森林、食糧生産、河川、流域圏の統合的管理』など。

参加費

無料(要事前申込)

申し込み方法

第1回申込みフォーム または Email kumagawa.mirai [at] gmail.com まで。※[at]を@(半角アットマーク)に替えて送信して下さい。

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