支流上流部の皆伐の深刻さ
令和2年の球磨川流域の山間部の崩落はものすごく、その対策は全く進んでないのに、皆伐地はどんどん広がっている。
分収育林の50年契約も本年度ぐらいで切れるし、国有林の伐採も民間開放されたので入札が終了次第皆伐に入るだろう。
八代では大規模バイオマス工場も建設中。シカの食害で急斜面からは大雨が降るたびに土石がゴロゴロ流れて、斜面や谷を崩している。まや、行くたびに小さな崩落であった場所もその面積が広がっている。もちろん新しい皆伐地も目立つ。盗伐の問題も深刻になりそうだ。自伐型林業が災害に強く持続可能であることは分かっても、施業者受け入れやその技術指導の対応を考えると、急激に広がるとは思えない。今の森林政策の中でできる事は限られているが、林業に関わるすべての人の意識が変われば、それぞれの場所でできる事があるはず。
私もあきらめずに、明日から徳島で自伐型林業の勉強をしてきます。現場を見る度に、焦燥感、手遅れ感に襲われるが、それでもできる事を考えたい。林業者でない私にできることは本当に少ないけど、こんな山の下流に私たちは住んでいることだけでも伝えたい。そして、決して流域だけの問題ではなく、無関心でいると日本全体がこうなる可能性があることを。
(報告:つる詳子)