水生昆虫調査で見える 川辺川・球磨川の環境の変化

毎年、自然観察くまもと(自然観察指導員熊本県連絡会)では、ダムがある球磨川本流とダムがない川辺川、それと二つが合流した下流の人吉市で水生昆虫の観察会をしています。

この3点とも今年は圧倒的に数が少ないし、大きさも小さい。どこの地点も浮石(持ち上げることができる石)がほとんどなく、沈み石ばかりです。しかも、石の表面の泥の堆積も多い。水害で山からの土石が多かったことと、その後その堆積土石の除去工事で、自然の状態の河原がいまだ回復してないと言えます。これでは自然状態の水生昆虫の比較検討もできません。

川辺川も、水生昆虫は種類も数も激減
川辺川のカワゲラ。以前はずっと大きな個体が多く、種類も何種類も確認できた。今はこのジョウクリカワゲラ1種が目立つ。
人吉市内。流速は結構早い。水生昆虫も大きい個体が出てくるけど、数は少ない。
いろんな水生昆虫たち。

実際、25年以上して、毎年川辺川の水質は一番きれいという結果でしたが、今回は人吉市が一番という結果になりました。数年経てば元の川に戻るのでしょうか?多分山からの土石流入が豪雨の度にあれば、山の荒廃の影響を除外して、ダムのある川・ない川の比較は難しくなるかもしれません。しかし、これらの小さな生き物たちが、自然がおかしいことを必死で伝えているのは間違いないようです。

(報告:つる)

川辺川との合流地点より上流の球磨川。河原の面積がものすごく広がっていた。川辺川と水温も3度ぐらい高く、水もきれいに見えるが透視度で測ると川辺川よりかなり濁っている。
小さな個体しかでてこないのは例年通りだが、今年はこのユスリカの棲管がびっしりついた石が目立った。今までにない現象。

※つる詳子のFacebookより転載。写真等を許可なく無断使用することはご遠慮下さい。

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