球磨川水系の国と県それぞれの管理区間
球磨川水系の整備は、国と県とで下のように分かれています。
○球磨川本流、柳瀬より下の川辺川とダム水没予定地全部
→国の管理
○球磨川の全支流、柳瀬より上流の川辺川
→県の管理
国管理区間に「流水型の川辺川ダム」が含まれているので注目されがちですが、実は県管理区間も、結構とんでもないことになっていて、かなりの場所に、護岸や堤防嵩上げする「築堤」が行われる予定です。
■県の計画書(PDF)はこちらhttps://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/175952.pdf
支流の河道整備は「108ページ」からです。
以下の図が、県管理区間の支流。
あの川も、あの川も県が管理してます。
(クリックで拡大)
溜まった土砂を取り除く河床掘削は良いとしても、自然護岸を取り払って、すべての場所でコンクリ護岸・コンクリ堤防にしていくことが本当に必要なのか…?
コンクリ護岸にすれば、流速も勢いも早くなり、一昨年水害では、特にカーブした場所で整備したての護岸を破壊した例がいくつもあります。これまでは、万一あふれても樹木が流速や土砂流入を防いでくれていた場所も、自然護岸が無くなれば、もしあふれた場合には被害が増大します。自然護岸だからこそ生息できる、虫や魚も多くいます。
また、一昨年災害で、荒廃していた山から流れ出た土砂や流木対策については、林業施策には手を付けず、砂防ダムで防ぐのが基本となっています。砂防ダムの効果は限定的。誰のための砂防ダムなのか?山の問題に手を付けなければ、いたちごっこです。
支流の景観や生態系、水辺の暮らしまで大きく変えてしまう県の計画にも、ぜひご注目下さい。
(報告:寺嶋悠)