【2022年度連続講座】第2回7/3 防災の森づくりを考える
【第2回】森林を活かし、暮らしを守る~多発する災害の中で~
2020年7月の球磨川豪雨災害では、谷筋から流れ出た土砂と流木被害が発生し、下流に甚大な被害拡大をもたらしました。
その背景には、現在の山林の現状と国の森林政策が影響しています。同時に、今後の森林問題を考えるためには先人達が球磨林業地をいかに作ってきたか、歴史から学ぶ必要があります。
全国的な森林政策の動向と球磨林業の歴史や特徴を紹介しつつ、林業従事者や自治体の役割は何か、また流域住民が共に「減災」のための森づくりに参画できるような、暮らしを守るための林業への転換について考えます。
日時:
2022年7月3日(日) 14:00-15:30 ※オンラインと会場のハイブリッド開催
開催方法・場所:
※Zoomによるオンラインならびに会場開催の併用となります。お申込み時に「オンライン参加/会場参加」のいずれかをお知らせ下さい
メイン会場 … 山江村農村環境改善センター2F(球磨郡山江村大字山田甲1356−1)
視聴会場 … 球磨村神瀬木屋角 大岩邸(乗光寺近く)、八代市坂本町片岩「みちのけ、」(くま川ワイワイパーク近く)
※視聴会場とは、メイン会場とオンライン接続してスクリーン視聴する会場
ゲスト:
佐藤 宣子氏(九州大学大学院農学研究院 森林政策学分野・教授)
(プロフィール)
1961年福岡県生まれ。九州大学農学部林学科卒、大学院農学研究科博士課程(林業学専攻)修了。農学博士。大分県きのこ研究指導センター等を経て、2007年から、九州大学大学院農学研究院教授。九州の農山村のフィールドワークを通じて、山村の暮らしと森林政策のあり方を論じてきた。九州森林学会会長、NPO法人九州森林ネットワーク理事長。著書に『地域の未来・自伐林業で定住化を図る~技術、経営、継承、仕事術を学ぶ旅~』、『林業新時代:「自伐」がひらく農林家の未来』(編著書)など。
参加費
無料(要事前申込)
申し込み方法
第2回申込みフォーム または Email kumagawa.mirai [at] gmail.com まで。※[at]を@(半角アットマーク)に替えて送信して下さい。
2022年度連続講座 全体趣旨
球磨川流域は2020年7月4日の球磨川豪雨により甚大な被害を受け、川沿いの家屋や田畑のみならず、流域の山間部にまで及びました。近年、気候変動により予測できない記録的豪雨が全国各地で頻発するようになり、従来型の河川治水対策で安全を守ることはできない時代になっています。
国は、川の中だけでなく広い関係者と連携して治水に取り組む「流域治水」方針を掲げ、蒲島知事も「緑の流域治水」を目標とすると明言しています。しかし、豪雨災害の検証内容は限定的なものであり、球磨川流域の河川整備方針、本流と支流を含めた河川整備計画(原案)策定過程は、従来と同じダムや堤防を中心とした治水計画となっています。気候変動、山林と水害の関わりについて検証や調査はほとんど行われず、安全に暮らしたい住民の声も政策にあまり反映されず、多様な関係者が関わり、あらゆる対策を講じて取り組むという本来の「流域治水」が目指す姿とは異なるものになっています。
そこで本プロジェクトでは、流域に暮らす住民を主人公に、専門家の協力を得ながら、今回の水害時に何が起きたかを検証し、山や川、生態系、従来の治水政策などを巡るわたしたちの暮らしを取り巻く諸課題を整理します。そして、今後同じような被害を起こさず、流域の命や財産を守りながら、豊かな球磨川流域と共に暮らしていくための方法を模索していきたいと考えています。
セミナー情報はこちらにも掲載しています。