「生命を守る」はずのダムによって失われた命
~愛媛県肱川(ひじかわ) ダム緊急放流裁判が問いかけるもの~
愛媛県南部の西予市宇和町を源とする肱川(ひじかわ)は、山間域を出たあと中流に広がる大洲(おおず)盆地を経て、瀬戸内海に流れる長さ100キロほどの一級河川です。この川は藩政時代から水害に悩まされ、さまざまな治水対策がとられてきましたが、これという解決策がなく、昭和になって2つのダム(野村/鹿野川)が建設されました。
2018年7月の西日本豪雨の際、2つの連続ダムは相次いで緊急放流を行い、急激に増水した下流の西予市野村町と大洲市では、かつてない甚大な氾濫が発生。9名の犠牲者が出るに至りました。
現在肱川では、国とふたつの市を相手に、遺族等による裁判が行われています。
「命と財産を守るため」のはずのダムが、命を奪うことになったのはなぜか。
肱川のダム問題、豪雨と氾濫、裁判で伝えようとしていることについて、裁判の原告である遺族や関係者からお話を伺います。
■日時:
2021年10月26日(火) 19:00-20:30 ※Zoom開催
■話し手:
入江 須美(いりえ すみ)さん
1967年、愛媛県西予市野村町生まれ。夫を2018年の野村ダム緊急放流で失う。介護の仕事をしながら、夫が経営していた小さな印刷屋を引き継いでいる。2018年の野村ダムの緊急放流による水害後、全国の専門家の方々から、このダムの放流には問題があると言われ、誰かが訴えないとこのまま終わってしまうと思い、野村ダム、鹿野川ダムの緊急放流による被災者や遺族32名とともに、国と市を提訴し、野村連絡会の代表を務める。ホームページ等で情報発信している。
宮本 幹江(みやもと みきえ)さん
1962年、愛媛県大洲市に生まれる。高校卒業後に上京、30年ほど編集とライターの仕事を続けつつ、小金井市で地域活性化のNPO活動に携わるも、東京の一極集中に疑問をもち、2010年にUターン。地元の古民家で過疎地域を元気にする活動を始めていた矢先の2018年7月、古民家が西日本豪雨による肱川のダム放流で浸水し、改修工事を経て2020年夏に古民家カフェを開業した。建物を所有・運営するNPO法人の理事長として活動するほか、肱川水害訴訟の支援を行っている。
■会場:
オンライン会議システムのzoomを使います。
【熊本県人吉市では、以下の会場でも視聴できます】
○会場:くま川ハウス(熊本県人吉市南泉田町25) ※外山胃腸病院第3駐車場の奥にある民家です。
○問合せ 手渡す会 木本 09018734158
■参加費:
無料
■申込方法:
こちらの第7回セミナー申し込みフォームからお申込みください。メールにてzoom会議参加用のリンクをお送りします。
■主催:
「気候危機と水害:ダムで暮らしは守れるか?」連続セミナー実行委員会
■協力:
アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、メコン・ウォッチ
■お問合せ:
「気候危機と水害:ダムで暮らしは守れるか?」連続セミナー実行委員会
TEL: 03-6909-5983(FoE Japan事務所内)
Email: hatae@foejapan.org