9月7日(月)、農政局の指示通りに原告団、支援する会、手渡すの会、県民の会それぞれの代表が農政局を訪れ、会見を行いました。
まず、10時半という遅い時間にFAXを送った経緯については「事前に電話したが、電話がつながらなかったため」だとのこと。それぞれの団体に送らなかったことについては農政局側はその不手際を全く自覚しておらず、市民側が確認すると「そういう事実は認める」という返事でした。「事実は認めて」もお詫びの言葉もなく、「事実を認める」の一点張りで、「ミスと言えばミスで申し訳ないと思う」とボソっと言ったのは会見が始まって35分もたった時でした。結局、単独に申し入れた「支援する会」には何の連絡もなかったということで「別途連絡する」ことになり、この日は14日と31日の申し入れに対する回答のみをもらうことになりました。
【14日の申し入れに対する回答】
再評価は事業対象7市町村、土地改良区から意見をもらっており、その意見が受益農家の意見を代表しているものと認識。適正に再評価している。また、川辺川土地改良事業の同意取りについては、司法の場で明らかにしていく。「反対農家」については理解を得るべく、説明会を行う。再評価については、現在12月公表に向けて素案をとりまとめているので、今は内容を公表できない。農政局長との意見交換については、今後も川辺川農業水利事務所及び農政局水利課で対応するので、実現できない。資料提供についても、適切に行っている。
と、今まで局側からもらった回答をそのまま繰り返しただけにすぎませんでした。
【31日の申し入れに対する回答】
4団体が呼び掛けたシンポジウム参加要請については、「参加は適切でない」。
要するに「(受益農家の1/10も入っていない)土地改良区の意見を受益農家の意見と見なしているので、(受益農家の半数を超える)原告農家の意見は聞かない」ということなのです。また、「反対農家に対しては別途説明会を設ける」というので、「いつだ?」と聞くと、「具体的にはわからない。今年度は予定がないから来年度・・・」などと煮え切らない返事が返ってきました。それも「来年度、事業を進める為の説明会」だというのです。12月に公表予定の第三者委員会の結論がどう出るのかもわからないのに、来年度開く予定の説明会を事業を進める為に、反対農家に理解してもらう為に行うのだそうです。いかにも、12月に出る委員会の結論が「推進」だとわかりきっている様な言い方です。「見直す」ための「再評価」ではないのでしょうか?それも理解してもらうためであって、あくまで「意見を聞く」つもりはなさそうです。事業に同意していない人たちの意見を聞かずして(それも同意してい
ない人たちが半数を超えると言うのに)、「再評価」ができるわけがありません。
本来、この事業は農家の為に施されるものなのです。農政局は農家が喜ぶ事業をして当然なのです。それが、なぜ、農政局が農家に「理解を得る」必要があるのでしょう?立場が逆なのではないでしょうか。
そもそも、半数を超える農家が本来農家が喜ぶべき事業に対して裁判を起こすということ自体が異常だと思わないのでしょうか?
問題があるからこそ裁判に訴えているのです。どんなに声を大にしても農水省が聞く耳を持たないから最終的に司法の場で争っているのではないですか。「裁判については司法の場で明らかにするから、再評価にあたっては原告農家の意見は聞かない」などという道理が通るはずがありません。原告団の人たちは口々に、「こんなに事業に同意していない農家がいるのであれば、どんなに推進しようと思っても事業は成功しない」と訴えたのに、農政局側は耳を傾けようとはしませんでした。
最後は原告団長の梅山氏と支援する会の北岡氏から「我々がこうやって申し入れをするのは、農政局に期待をかけているからなんだ。もっと我々の意見を聞いて実状にあった事業をやって欲しい。いい仕事をして欲しい」という言葉で会見は終了しました。