2008年9月10日に不知火海沿岸の市民団体より提出した要望書です。
2008年9月10日
熊本県知事 蒲島郁夫様
天草の海を考える会 代表 植村振作
美しい球磨川を守る市民の会 代表 出水 晃
ガイアみなまた 代表 高倉敦子
川辺川大好き・津奈木から 代表 岩崎わか
企業組合エコネットみなまた 代表 山下善寛 
グループ・原発なしで暮らしたい水俣 代表 永野隆文
さかえの杜ほっとはうす 施設長 加藤タケ子
不知火海再生会議 代表 北垣 潮
生産者グループ「きばる」 会長 緒方茂実
チッソ水俣病患者連盟 会長 松崎忠男
本願の会 代表 浜元二徳
水俣病患者連合 委員長 佐々木清登
水俣病互助会 会長 諌山 茂
水俣病市民会議 会長 日吉フミコ
水俣病被害者互助会 会長 佐藤英樹
水俣・ほたるの家 代表 伊東紀美代
水俣に産廃はいらない! みんなの会 代表 坂本龍虹

9月11日の知事判断についての要望書




貴職は、今春の知事選以来、川辺川ダムの是非については9月の県議会で判断する
と公言されてきました。それはいよいよ明日となりました。
川辺川ダム建設が発表されて42年、さまざまな議論・検証がなされてきました。
しかし、貴職が知事就任以降これまでの短い期間に、私達川辺川ダムに反対する住民
の意見が、どれだけ貴職に届いたか大いに疑問の残るところです。
とはいうものの、残る時間はありません。多くの問題を諄々と申し述べる事はいた
しません。川辺川ダムの影響を蒙る不知火海の住民として、私達が、どうしても訴え
たく、また貴職の判断に際して留意していただきたいことを記します。



1.不知火海に注ぐ球磨川は、海に入ると対岸の天草東海岸と南の田浦、水俣に流れ
広がります。その球磨川には昭和29年より、幾多のダムが建設され、その結果、澄
明で豊富な生物資源を誇っていたこの海の汚濁が進み、現在では瀕死の状態に陥って
います。その原因がダムに拠るものである事は、科学的にも立証されています。私達
不知火海の住民にとって、川辺川ダムは、球磨川上流にできる、もうひとつのチッソ
水俣工場であり、決してその建設は許せません。私達にも、上流に向かって、きれい
な水を流せ、という権利があるはずです。

2.私達は、さる6月25日、日本初の「穴あきダム」・島根県の益田川ダムを視察

ました。益田川は、漁業権の無い小さな川ですが、豊かな緑に包まれて沿岸道路を
走っていると、忽然として大きなコンクリートのダムが現れます。堰堤からダム上流
を見はるかすと、土と砂礫と潅木だけの無味乾燥な景色が広がっていました。もし、
川辺川に治水専用の穴あきダムが造られるとすれば、益田川ダムより遥かに巨大な構
造物になります。そして、現在の私達に与えられた情報からすると、かねては水が溜
らない、深さ100メートルのダム湖には、目的が治水のため、はるか底を流れる川
辺川まで降りて行って、人が川と親しむことはできません。こんな空っぽの巨大空間
が五木村の再生に?がるとはとても考えられません。穴あきダムは、五木村、相良村
を殺します。

3.住民と目線を同じくする貴職にとって、選択肢は一つしかないはずです。勇気を
持って川辺川ダム反対を表明してください。

以上




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