2008年9月10日に不知火海沿岸の市民団体より提出した要望書です。
貴職は、今春の知事選以来、川辺川ダムの是非については9月の県議会で判断する と公言されてきました。それはいよいよ明日となりました。 川辺川ダム建設が発表されて42年、さまざまな議論・検証がなされてきました。 しかし、貴職が知事就任以降これまでの短い期間に、私達川辺川ダムに反対する住民 の意見が、どれだけ貴職に届いたか大いに疑問の残るところです。 とはいうものの、残る時間はありません。多くの問題を諄々と申し述べる事はいた しません。川辺川ダムの影響を蒙る不知火海の住民として、私達が、どうしても訴え たく、また貴職の判断に際して留意していただきたいことを記します。 記 1.不知火海に注ぐ球磨川は、海に入ると対岸の天草東海岸と南の田浦、水俣に流れ 広がります。その球磨川には昭和29年より、幾多のダムが建設され、その結果、澄 明で豊富な生物資源を誇っていたこの海の汚濁が進み、現在では瀕死の状態に陥って います。その原因がダムに拠るものである事は、科学的にも立証されています。私達 不知火海の住民にとって、川辺川ダムは、球磨川上流にできる、もうひとつのチッソ 水俣工場であり、決してその建設は許せません。私達にも、上流に向かって、きれい な水を流せ、という権利があるはずです。 2.私達は、さる6月25日、日本初の「穴あきダム」・島根県の益田川ダムを視察 し ました。益田川は、漁業権の無い小さな川ですが、豊かな緑に包まれて沿岸道路を 走っていると、忽然として大きなコンクリートのダムが現れます。堰堤からダム上流 を見はるかすと、土と砂礫と潅木だけの無味乾燥な景色が広がっていました。もし、 川辺川に治水専用の穴あきダムが造られるとすれば、益田川ダムより遥かに巨大な構 造物になります。そして、現在の私達に与えられた情報からすると、かねては水が溜 らない、深さ100メートルのダム湖には、目的が治水のため、はるか底を流れる川 辺川まで降りて行って、人が川と親しむことはできません。こんな空っぽの巨大空間 が五木村の再生に?がるとはとても考えられません。穴あきダムは、五木村、相良村 を殺します。 3.住民と目線を同じくする貴職にとって、選択肢は一つしかないはずです。勇気を 持って川辺川ダム反対を表明してください。 以上
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