荒瀬ダムと利水に関して、地元で間違った情報が流れており、地元に無用な対立と混乱が生じていることを強く抗議する抗議行動と、8月1日に行われた企業局の説明会に対する公開質問状提出が8団体により行われました。
以下、抗議文を紹介します。
貴職におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 さて、6月4日貴職は突然の荒瀬ダム撤去凍結表明を行い、民主的プロセスで積み上げてきたダム撤去決定を翻されました。これは行政の継続性を軽視したものであり、非民主的な独断と言わざるを得ません。貴職は何度も、「立ち止まって考える機会を作った」と言われますが、6月4日以降、ダム撤去に関しては「もったいない。一億円稼ぐダム。荒瀬ダムは水ガメだ」などとキャンペーンを張りながら、ダム存続に関しては具体的な積算費用や存続の根拠も明らかにすることなく、現在に至っております。 熊本県企業局は8月1日、流域住民に向けての説明会を八代市で初めて開催しました。しかしながら、その内容は、ダムを継続するためのプレゼンテーションという一方的な内容であり、今後必要と見込まれる費用が全く提示されない不十分極まりないものでした。このような資料で「「立ち止まって考える」ことがどうして可能でしょうか。このような説明会の開催について、まず厳しく抗議をしたいと思います。 さらに企業局は、「荒瀬ダムは、上流に位置する瀬戸石ダムの放流水を受け止め下流への水量変動を調整して放流をしており、1日当たり流入した水量とほぼ同量の水を使用して発電を行う発電専用ダムであり、農業用の利水機能は有しておりません」とホームページで明記(資料:別紙知事への直行便)し、かつ1日の説明会会場でも同様のことを明言しています。 しかし八代市議会への説明会のおり、「渇水期は荒瀬ダムより放流する」と、企業は説明したと報じられております(8月9日 熊日新聞)。また6月21日、上野幸一企業局次長が八代市内の土地改良区に対して「凍結反対派が多いが、皆さんはぜひ私たちを応援してほしい」と支援要請をしていることも報道されております。 このような、説明を聞く対象者によって異なる説明を使い分ける企業局の態度は、地元住民に無用な対立と混乱を巻き起こす卑劣極まりない愚行であると、私たちは厳しく断罪せざるを得ません。地元に起きた対立と混乱の責任は、誰がどのようにとるのでしょうか。さらに貴職は、渇水期には荒瀬ダムの水を「政治的判断のもとで放流する」と発言しました。これはどのような法的根拠に基づいた発言なのか、具体的な放流方法はどのようにするのかを地元住民および県民の前に明らかにするべきです。 長年にわたり、球磨地域の農家を無用な対立と混乱に巻き込んだ「川辺川総合土地改良事業」で行政の果たした役割は、司法の場で厳しく断罪されました。二度と同じ轍を踏むことはできないとして、農家を巻き込んだ新たな一歩を踏み出した前知事の英断は私たちの記憶に新しいところです。 貴職と企業局は、荒瀬ダムの利水機能に関して誤った情報がこれ以上流れ出すことをただちに中止し、八代市の土地改良区の受益者及びすべての県民に対して、荒瀬ダムの利水機能に関する公式かつ正確な情報をあらためて明らかにすることを求めます。さらに、地元に無用な混乱と対立を引き起こした責任を認め、その旨をすべてのメディアを通じて広く発表してくださることを強く要望します。
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