2008年8月19日、川辺川ダム建設促進協に対する住民からの公開質問状を提出しました。

 地元でダムを推進してきた一つの勢力が、球磨川流域12市町村でつくる川辺川ダム建設促進協議会です。以前の報道の通り、ここ数年は
八代市がダムに反対したり、人吉市や相良村が中立など必ずしも一枚岩ではありません。時代遅れのダムを公費で促進することはダム反対が
過半数の流域住民の意思に反するものです。
 以下は、公費で26日の建設促進大会を開催することに関して流域住民が促進協に対して提出した公開質問状です。

2008年8月19日
川辺川ダム促進協議会会長 柳詰 恒雄様
清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域群市民の会 
会長 緒方俊一郎
川辺川住民訴訟原告団  団長 船越 作正

公費によるダム建設促進大会開催に対する公開質問状

 川辺川ダム促進協議会は8月26日にダム建設促進大会の開催を予定しています。

 しかし、新聞社の世論調査でも「流域住民の約7割がダム建設に反対」と報道されるなかで、行政機関が住民に対抗し、公費の支出によるダム建設促進大会を行うことは、行政の公平性を失うもので許されません。

 しかも、川辺川ダム建設の計画は白紙であり、目的から利水や発電がはずれている状況で、いかなるダム建設を促進しようと言うのでしょうか。

 真摯に、流域の治水対策を考えるのではなく、ただただ、ダムであればよいと言うのであれば、「ダムありき」の批判は免れません。

 また、市町村長のなかでも、最大受益地の田中信孝人吉市長やダム建設予定地の徳田正臣相良村長は中立で不参加を表明しており、ダム促進大会が流域の市町村長の総意を代表していないことも明らかです。

 さて、ダムは容量を超える大雨が降れば、超過洪水やダムの異常放流で被害がおこり、またダムが決壊するような事態になれば壊滅的な被害になることは容易に想像できます。 だからこそ、流域の水害体験者自身が「ダムこそ危険」とダム建設に反対し、ダムによらない緊急な治水対策を望んでいるのです。

 また、「未来の子供たちに清流球磨川、川辺川を残したい」という思いは、流域住民の多くの人たちの願いです。

 行政が、こうした住民の声に耳を傾けず、「ダムをつくりたい」勢力と一体化して、住民の前に立ちはだかるなら、歴史に禍根を残すことになるでしょう。

いまこそ、行政は公平、公正の原則を遵守し、公費支出による集会の開催を中止されるよう強く求めると同時に以下の点について質問します。

1, 公費で促進大会を開き、一方の目的のために、行政が世論誘導することのどこに公平、公正さがあるのでしょうか。その根拠について。

2, 費用の総額と財源の内訳について

3, 人吉市長は中立で大会に不参加を表明しているのに、市が大会の事務局を担うのであれば、住民をだますことになると思いますが、実態について

 
以上



川辺川問題に関しては、川辺川総合土地改良事業組合の不正支出に対し2つの住民訴訟が係争中です。今回の事態も同様の問題であると考えています。



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