2006年7月14日、今度の球磨川水系河川整備基本方針「検討小委員会」向けに九地整に昨日、申し入れを行いました。
住民側資料の検討や住民推薦の専門家を委員に任命するなど、もっと住民の意見が反映されるような運営を求めるという内容です
以下はその提出文書です。

2006年7月14日

国土交通大臣 北側一雄様

子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
代表  中島 康


「球磨川水系河川整備基本方針」策定のための「検討小委員会」に関する申し入れ書

 国土交通省は球磨川流域の治水や環境保全の長期的指針「河川整備基本方針」を策定する検討小委員会(以下、検討小委)を、4月13日から6月6日まで3回開催してきました。第1回目こそ、委員長の「住民討論集会の追体験をする」という発言がなされるなど、住民側の意見を反映した形での進行がなされるかもしれないという期待を抱かせるものでした。しかし、2回目3回目と回を重ねる度、その期待は裏切られました。住民側が提出した意見書等は検討小委の中では、まともに取り上げられていません。また、森林の保水力については森林水文学の専門家ではない委員の「森林に保水力があることは定説となっていない」という理由にもならない発言で、議論は打ち切られています。

 国交省が任命した委員が、国交省が提出した資料のみで基本高水流量を決定するということであれば、結論は国交省の狙い通りになってしまうことは明らかです。これでは、11年前に川辺川ダム建設事業にお墨付きを与え、流域住民から閉鎖的非民主的と批判を受けた「川辺川ダム事業審議委員会」のあり方と何ら変わるところはありません。熊本では、このような国交省の独善めいた意思決定の手法や住民への説明責任の不足が問題となって、「川辺川ダムを考える住民討論集会」が開催されました。「住民討論集会」においては、住民と国の間で納得できる結論は出されていません。「住民討論集会」で結論が出されてもいないまま、検討小委で結論が出されても、それは県民にとっては全く説得力のないものでしかなく、それを元にした河川整備計画など到底受け入れられるものではありません。
つきましては、貴職に対して、検討小委のあり方について、以下の通り申し入れるものです。




1.住民側の資料も国土交通省事務局は検討小委に提出し、正式に検討させること。
その際には、住民が資料の説明を行う時間を設けること
2.住民側が推薦する専門家を検討小委の委員に任命すること
3.4月6日に申し入れた下記2点を早急に実施すること
@「球磨川水系河川整備基本方針」策定のための「検討小委員会」の人選を見直し、福永浩介人吉市長などダム建設推進の立場が明らかな人物は委員に任命しないこと
A「球磨川水系河川整備基本方針」及び「河川整備計画」策定においては、熊本県を総合コーディネーターとする「川辺川ダムを考える住民討論集会」方式を採用すること                          
以上





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