南陵高校の演習林を視察

2022年5月7日、あさぎり町の南稜高校の演習林が素晴らしいと聞いていたので、東京大学の蔵治先生に案内していただいた。

20ヘクタールを超える敷地内の殆どはスギやヒノキの人工林であるが、50年以上も生徒たちの手によって間伐を繰り返し、林床は下草や低木で覆われた森であった。間伐によって空いた空間には再植林されているので、50年超えたものや、まだ10年も経ってないような細い木が混在している。

林床の植物は、八代ではほんの10年前までは当たり前にあったものばかり。シカ防護柵も張ってないが、演習林を含めこの辺りはシカの食害は殆どないようである。流域内にまだな場所があることを知ってほっとする

偶然にもこの日の朝刊には、この高校と東大と県大が一緒に取り組み始めた森林保水力の調査開始の記事があった。本来ならば国が今策定中の河川整備計画に盛り込むべき事項である。ここでの成果は今後の森林保全に役立つことだろう。国が当てにできない以上、私たちはできることから始めなければならない。まだまだ少数派であるが、こうやって一部の研究者や高校などが動き出すことによって、また次の動きが出てくることだろう。

久々に流域内で地面が見えないほどに下草・低木で覆われた森を見て満足。

(報告:つる詳子)

(写真クリックで拡大)

下草・低木で覆われたスギの人工林
様々な樹齢のスギが混在している。
5月7日の熊日朝刊。こういう経験をした生徒たちは林業の将来を担う仕事ができるのだろうな。多くの高校生に経験してほしい。

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