2005年6月9日、川辺川利水訴訟原告団および同弁護団より、新利水計画策定の第5回意見交換会・集落座談会に関して、以下の意見照会書(兼公正確保委員会申立書)を提出しました。

2005年6月9日

熊本県地域振興部
部長 鎌 倉 孝 幸 殿

川辺川利水訴訟原告団
                      名誉団長  梅 山   究
川辺川利水訴訟原告団
団  長  茂 吉 隆 典
川辺川利水訴訟弁護団
団  長  板 井   優

意見照会書(兼公正確保委員会申立書) 

1 私たちは、「水の押し付けは許さない」「ダムの水はいらない」を
掲げて、川辺川利水裁判に勝利しました。私たちの立場は「(ダムの水
はいらない)ノーなものはノーだ」ということです。しかし、私たちは、
水を必要な人に水を届けよう、ダム以外の水を届けようという立場から、
「農民こそが主人公」「情報の共有」を掲げて、新利水計画策定の事前
協議に参加しました。まさに、対立からは何も生まないと考えたからで
す。
2 私たちは、今回の第5回意見交換会・集落座談会、アンケート調査に
あたり、第4回までに行われたやり方と同じように農家の意見を求めるも
のと理解してまいりました。
  しかしながら、これまでの経過は、「始めにダムありき」の立場か
ら対立をあおるものでありました。それは、例えば、川辺川水利事務所
が正確でない事実関係をダム推進派に広めていることに現れています。
また、川辺川開発青年同志会の説明資料は行政である川辺川利水事業組
合の援助を受けています。私たちは、こうした状況では再びこの地域は
対立に包まれるものと考えざるを得ません。
  私たちはこうした立場から、貴職に対し、以下の点について公正確
保委員会において直ちに是正措置を取ることを求めます。
3 今年6月7日(火)19:00〜21:05 錦町下十日市公民館
で開催された集落座談会  
 で要旨次の発言があったので以下のとおり、問題点を指摘する。
 1) 発言要旨
錦町担当者:2日目の農家同士の話合いがあるまではアンケートに記入
しないでほしい。農家同士の話合いが終わってから記入して欲しい。で
きれば次の会は来週でよいか。次回は17日(金)19:30〜とする。
県担当者:県は極力いくようにするが農家同士の話合いの回数が多いた
め、県職員で説明ができるものは限られている。
錦町担当者:もしかしたら役場だけでくるかもしれない。
園田町長:農業には水がいる。なるべく多く人が参加していただきたい。
個人個人と
はいうが事業は多くのもの。隣近所によびかけてほしい。
2) 以下のことについて、公正確保委員会で是正いただきたい。
@ アンケート調査は、主人公である農家が判断することであり、
国・県・市
町村において意見交換会終了後会場で直ちにアンケート用紙を渡し、自
由にアンケート調査に回答をするように説明すべきである。そうしてこ
そ、水や水源を押し付けないということ確保することになるからである。
この点を、まず是正されたい。
 しかしながら、現実には、上記@のように、錦町の担当者がアンケー
ト調査に回答を2回目以降の集落座談会以降に提出するように述べている。
これは、水と水源を農家に押し付けるものであり、直ちに中止されたい。
A  事前協議における合意で、集落座談会で熊本県ダム対策課が
出席することになっているにもかかわらず、上記@の発言で熊本県が集
落座談会に出席しないかのような発言があり、かつ錦町だけで集落座談
会が開催されるかのような錦町担当者の発言があるが、直ちに撤回し、
事前協議で確認したように実施されたい。その際、集落座談会の日程の
調整は調整役である熊本県が行うのであるから、熊本県が参加できない
日程については中止・変更する是正措置をとるようされたい。
B  今年6月4日の事前協議での合意事項では、集落座談会では、
市町村長は水や水源に関する発言はせず、どうしても発言したいのであ
れば最後に、参加した農家の方々にねぎらいの言葉をかける限度にする、
とのこととなった。
しかしながら、上記@での町長の発言はこれに反するものであり、明ら
かに水の押し付けにつながる発言をしているもので、即時中止し、是正
されたい。
 4 なお、本年6月7日(火)19:00〜20:50 多良木町栖
山公民館で開催された集落座談会で、関係者から「給水スタンドはダム
利水案だけにあり、水の必要な人はダム案を押そう」との趣旨の発言が
あった。畑については、ダム案もダム以外案も一緒であり、このような
誤解を抱かないように正確に説明すべきである。





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