2004年12月2日、熊本県あてに以下の要請書を提出しました。

                                2004年12月2日

熊本県知事       潮谷義子 様
熊本県地域振興部 部長 鎌倉孝幸 様

         

子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会 代表 中島 康
              (52住民団体代表連絡先)人吉市九日町93 木本雅己

人吉地点の河道流量に関する要請

 貴職の川辺川ダム問題解決へのご尽力に対し、心より敬意を表します。
 本年8月30日の台風16号時の人吉地点における最大流量は、速報値で4300トンでした。そのときのピーク水位(8月30日16時40分)は3.96mであり、計画高水位(4.07m)まで約0.1mの余裕があり、堤防の天端までは1.6m以上の余裕がありました。
 ところが国土交通省は、これまでの「川辺川ダムを考える住民討論集会」の中で、人吉地点の現況河道の流下能力(流下可能流量)を毎秒3900トン、平水位以上の河床を掘削した場合の河道の流下能力を4000トン、仮に以前の建設省の改修計画通りに河床掘削した場合でも4400トンと主張しており、実際の流量と大きな食い違いを見せています。
 河道流下能力の問題は川辺川ダムの必要性に深く関わる問題です。以下5点について国土交通省が説明責任を果たすよう、熊本県がコーディネートされることを要請します。

                       記

1.本年8月30日の台風16号時の人吉地点における最大流量は、速報値で4300トンとのことだが、確定値と考えてよいのか。また、台風16号に関する球磨川の「高水速報」を全て公表すること。

2.人吉地点の現況河道の流下能力(流下可能流量)。

3.人吉地点で、平水位以上の河床を掘削した場合の河道の流下能力(流下可能流量)。

4.人吉地点で、仮に以前の建設省の改修計画通り河床掘削(1.0〜1.5m程度)した場合の河道の流下能力。

5.国土交通省のホームページによると、「市房ダムは、洪水のピーク時に毎秒403トンの洪水を貯留し、人吉地点の河川水位を最大約20cm低下させた」としています。ところが、人吉地点におけるピーク水位(8月30日16時40分)は3.96mであり、計画高水位(4.07m)まで約0.1mの余裕があり、堤防の天端までは1.6m以上の余裕がありました。 人吉市は、今回の台風16号の出水で、「市房ダムがなければ人吉市内では越水していた」 と市としての正式な見解を公表しています。ただし、水位の低減量については「各地点で異なり明確な数字は回答できない」としています。当然、このような専門的な見解については国土交通省若しくは熊本県の指導のもとに発表されているものと思われますの で、この見解のもととなっている観測、計算資料等を全て公表すること。また万一、この見解が国土交通省若しくは熊本県の指導ではなく、人吉市独自の判断で有る場合には、その判断の正否について、その根拠とともに明らかにされたい。

注)「高水速報」
高水速報とは、警戒水位以上の洪水が発生したときに、その洪水の速報値情報(未確定値)として雨量,水位,流量等をわかりやすく整理し公表したものである。「高水速報」は、洪水終了後、各事務所等にて当該速報に関連する関係資料を作成し整備局にて整理,まとめ,印刷製本を行うが、原則(内部通達)として1週間以内を目途に整備局に関係資料を提出することとなっている。 「高水速報」には、「気象観測記録」,「降水記録」,「出水記録」, 「洪水予報」,「水防活動」,「通信連絡」,「被害記録」などに関することが記載されている。                              
                                           以上





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