1.計画から30数年以上たった川辺川ダム計画について、どの様にお考えですか。
賛成、反対、その他の立場から、理由もあわせてお答えください。
賛成。流域住民の生命・財産を守る手法として、現段躇でダム以上にその効果が高ぃ
と思われる方法は考えにくい。30数年以上経っているというが、昭和51年から昭和59年にかけ、
地元五木村、相良村の一部の地権者の方々が、ダム建設に反対して裁判を提起され闘われた。
その後下流域のことを考えられて和解され、平成3年までに移転のための補償基準について妥
結された。平成13年に最大の頭地代替地が完成し、現在9割以上の方々が移転をされていると
いう歴史を考える必要がある。
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2.現在、潮谷義子県知事の提唱による「川辺川ダムを考える住民討論集会」が開催され
ています。もともとは「ダム事業の大義について、県民の方に国土交通省は説明を行う
必要があると考え、治水を中心とした川辺川ダムの論議について、オープンかつ公正に
論議する場として(知事発言)」企画されたものです。国土交通省の川辺川ダム事業に
対する説明責任とこの「住民討論集会」での議論のあり方について、どうお考えですか?
住民討論集会は、ダム以外で流域の生命、財産が守れるのかどうかということを、県
民に対して明らかにされたということで意義があると考えている。
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3.この「住民討論集会」における議論の中で出されている河床掘削や堤防かさ上げ、緑
のダム等の治水代替案とダムによる治水についてどうお考えですか?
河床掘削や堤防かさ上げ等の代替案は.住民の理解が得られようもなく、現実的ではな
い。緑のダムも一つの学説であり、球磨郡の急峻な山林の状況から見て、治水対策とし
ては非現実的。
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4.2月16日には環境をテーマとした「住民討論集会」が開催され、ダムによる環境への
影響を心配する住民の質問が続出しました。ダムによる環境への影響の有無をどうお考
えですか?理由もあわせてお答えください。
環境への影響が全く無いというわけではないが、選択取水設備や清水バイパスの設置
等これまでにはない取組みにより、相当程度の部分はクリアできるものと考えている。
この他にも、環境への負荷を少なくする対策に国が取り組むとしており、今後も国に
対して環境対策に万全を期すよう求めていきたい。
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5.2001年、球磨川漁業協同組合がダム建設受入を前提とする補償契約を拒否したこと
により、国土交通省は漁業権の強制収用のための裁決申請を熊本県収用委員会に行い、
昨年から収用委員会で審理が続いています。
審理の焦点は、共同漁業権が球磨川漁協に帰属するのか組合員個人に帰属するのかと
いうことと、ダム建設による漁業への影響に対する補償をどう見るかということです。
強制収用という手法と収用委員会での審理内容についてどうお考えですか?
収用は、土地収用法に定められた手続きであり、審理については、収用委員会におい
て適切に行われていると考えている。
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6.川辺川ダムのもう一つの目的である利水については、農水省の川辺川総合土地改良事
業に対して、受益対象農家の過半数が「ダムの水は要らない」と裁判に訴えています。
事業の同意数が焦点となったこの利水裁判は一審では原告農家が敗訴しましたが二審の
福岡高等裁判所の審理は1月に結審し、5月に判決が出される予定です。この問題につい
て、どうお考えですか?
水は要らない、と裁判をする人がいる一方で、1日も早く水が欲しいという人もたく
さんいるのも事実。将来を見据えた地域発展の基盤として、球磨郡の安定的な農業経営
のためにもダムの早期完成を望む。
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7.熊本県の財政状況は、まさに危機といってもいいくらいですが、900億円にも上る県
負担を強いる川辺川ダム事業の県財政に与える影響は計り知れません。以下の3項目に
ついて具体的にお答え下さい。
1)現在の熊本県の負債総額
2)川辺川ダム事業が県財政に及ぼす影響
3)この財政問題をどう解決するか?
現在の熊本県の負債総額は約1兆2千億円と聞いている。
県は川辺川ダム事業の県負担金も織り込んだ上で、現在財政健全化計画に取り組んでおり、
財政再建に向け、県議会と執行部が一体となって最善の努力が必要だと考えている。
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8.30数年間、ダム問題に翻弄され続けてきた五木村、相良村の振興についてどうお考
えですか?
五木村・相良村が、下流のために苦渋の選択をしたという歴史も踏まえて、国・県とも
一体となって両村の振興に取り組むべきと考える。具体的には、昨年12月、県と両村で
策定した「五木・相良地域振興計画」を着実に推進すべき。
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9.各種報道機関の世論調査によると県民の過半数がダム建設反対あるいは見直しであ
り、ダム建設賛成は10%にも届きません。このことと御自身の川辺川ダムに対する見
解について、どうお考えですか?
統計データも様々で、また県民の間に多様な考え方があるのは当然のこと。
しかし、地元の声を身近に聞いている私としては、流域の生命・財産を守るためには、
ダムの早期完成が必要と考えている。