1.計画から30数年以上たった川辺川ダム計画について、どの様にお考えですか。
賛成、反対、その他の立場から、理由もあわせてお答えください。
流域住民の生命、財産を守る手法として、現在においてもダム以上に効果の高い
方法はなく、治水・農業振興・電源開発などの見地から、十分な環境対策を講じ
つつも、ダムの早期完成を目指すべきであると考える。
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2.現在、潮谷義子県知事の提唱による「川辺川ダムを考える住民討論集会」が開催され
ています。もともとは「ダム事業の大義について、県民の方に国土交通省は説明を行う
必要があると考え、治水を中心とした川辺川ダムの論議について、オープンかつ公正に
論議する場として(知事発言)」企画されたものです。国土交通省の川辺川ダム事業に
対する説明責任とこの「住民討論集会」での議論のあり方について、どうお考えですか?
「住民討論集会」は過去6回行われ、5月末頃には第7回目が行われる予定であると
承知しているが、代替案を含め、データに基づく科学的な議論が十分行われるべき
であると考える。
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3.この「住民討論集会」における議論の中で出されている河床掘削や堤防かさ上げ、緑
のダム等の治水代替案とダムによる治水についてどうお考えですか?
現在まで出された代替案では流域住民の生命・財産を守ることは困難であると考
える。
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4.2月16日には環境をテーマとした「住民討論集会」が開催され、ダムによる環境への
影響を心配する住民の質問が続出しました。ダムによる環境への影響の有無をどうお考
えですか?理由もあわせてお答えください。
環境保全型農業の推進、生活排水・農業排水の水質改善、水産振興などの環境対策
には、万全の措置を講じるべきであると考える。
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5.2001年、球磨川漁業協同組合がダム建設受入を前提とする補償契約を拒否したこと
により、国土交通省は漁業権の強制収用のための裁決申請を熊本県収用委員会に行い、
昨年から収用委員会で審理が続いています。
審理の焦点は、共同漁業権が球磨川漁協に帰属するのか組合員個人に帰属するのかと
いうことと、ダム建設による漁業への影響に対する補償をどう見るかということです。
強制収用という手法と収用委員会での審理内容についてどうお考えですか?
共同漁業樵は租合に帰属するとの最高裁判例(昭和60年)があること、また国として
は「土地収用法」に基づき、やむなく強制収用の採決申請を行ったとこは承知して
いる。
漁業権の帰属、漁業への影響に対する補償を含め、収用委員会で十分な審理が行わ
れるべきであると考える。
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6.川辺川ダムのもう一つの目的である利水については、農水省の川辺川総合土地改良事
業に対して、受益対象農家の過半数が「ダムの水は要らない」と裁判に訴えています。
事業の同意数が焦点となったこの利水裁判は一審では原告農家が敗訴しましたが二審の
福岡高等裁判所の審理は1月に結審し、5月に判決が出される予定です。この問題につい
て、どうお考えですか?
渇水に悩まされている高原台地の農家を含め、多くの受益対象農家がダムの水を待
ち望んでいることも承知しているが、5月に出される高裁の判決に注目したい。
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7.熊本県の財政状況は、まさに危機といってもいいくらいですが、900億円にも上る県
負担を強いる川辺川ダム事業の県財政に与える影響は計り知れません。以下の3項目に
ついて具体的にお答え下さい。
1)現在の熊本県の負債総額
2)川辺川ダム事業が県財政に及ぼす影響
3)この財政問題をどう解決するか?
流域住民の生命・財産と県の財政を比較すべきではないと考える。川辺川ダム関連
事業費は、総額2,650億円で、既に約70%工事が進行していると承知している。
残りの県負担額は総額百数十億円であり、そのうち地方交付税による措置額も考え
られており、県の財政健全化計画に織り込み済みであると聞いている。
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8.30数年間、ダム問題に翻弄され続けてきた五木村、相良村の振興についてどうお考
えですか?
両村ではダム建設を前提とした地域づくりが進められており、それに対しダムの早
期完成を含めた最大限の支援を行うベきであると考える。
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9.各種報道機関の世論調査によると県民の過半数がダム建設反対あるいは見直しであ
り、ダム建設賛成は10%にも届きません。このことと御自身の川辺川ダムに対する見
解について、どうお考えですか?
流域住民の生命・財産とアンケート結果とは同時に議論できない問題であると考
える。