徳山村をたずねて

9月14日(月) 朝は早めに起きてゆっくりと食事をし、河原からそのまま仕事に向かう一人を除いて今日は徳山村を訪れる日です。昨日一緒にキャンプをした相模川・吉野川・川辺川連合軍に諫早の中島さんが加わって、待ち合わせの大垣市を目指します。天気は気持ちのいい晴れ。長良川と揖斐川の背割りは信号もなく、景色もよく気持ちよく走れます。
徳山村への案内役は「徳山ダム建設中止を求める会」のまこさん。大垣市で落ち合い、揖斐川町で車を調整、食料を仕入れ、揖斐川をさかのぼっていくと段々にダムのオンパレード。途中からまっ茶色の水が川に流れ込んでいるところもありました。もうすぐ藤橋城(お城の形のプラネタリウム)というところで、車道をウロウロしているカモシカの子供に遭遇。親とはぐれた様子で車は通るし、パニックに陥っているようでした。無事にお母さんのもとに帰ることができればいいのですが。しっかし、こんな車道でカモシカに会うなんて、その場所が自然豊かな場所である証拠なのです。
【写真】徳山ツアー出発前(長良川河川敷にて)
ダムからの補償金で建てられた、藤橋村長ご自慢のプラネタリウム「藤橋城」。道を挟んで向かいには旧徳山村の古い家が移築されていました。
狭い山道をしばらく走ると川の水は清冽な流れとなり、私達の目を楽しませてくれます。ゲートのおじさんに住所・氏名を書かされ、2本掘られた仮排水路トンネルのうちの1本を通りダムサイトへ。トンネルを抜けると川は鉄板で固められ、無惨な姿をさらしていました。
徳山ダムは完成すれば総貯水量6億6千万トンの日本一の巨大ダムになります。しかし目的の1つである「利水」は、長良川河口堰の水も余っているのに、これ以上ためても使い道がありません。「治水」については揖斐川の最上流部のこの場所で水をカットしても、下流にはもっとたくさんの流れ込みがあるので大して役には立たないのです。また、建設予定地周辺には国の天然記念物であるイヌワシや絶滅が危惧されているクマタカの生息も明らかになっています。徳山ダムの事業費は最終的には3千億円もの巨費が投じられようとしているのです。

【写真】ダムサイト予定地
左上のポツンと見える青いシートのあたりがダムの堤頂部。私達のはるか頭上でその巨大さを物語る。
揖斐川の清流 滔々と青い水がほとばしる