萩原の強化堤防についての住民討論集会発言緑より抜粋

【第1回川辺川ダムを考える住民大会(H13.12.9)発言録より抜粋】

●知事挨拶(熊本県知事 潮谷義子)
「まず国が事業主体であるにもかかわらず、なぜ県がこういう会を主催したか、ということに少しだけふれさせていただきたいと思います。この事業は、私から改めて申し上げるまでもないことでございますけれど、命と財産を守る、そういった観点の中から昭和41年に当時の建設省が計画を発表し、44年に建設に着手されました。 その当初のところの中で五木の皆様方、相良の皆様方、大変、反対、ダム建設反対というお気持ちがありながら、やがて本当に多くの方々の命を救わなければならない、そういう事業であるなら、ということで賛成を表明されました。(中略)しかし私たちは今、今日の長い長い歴史を経まして、この川辺川ダムの目的が命と財産を守る、そういうことについて一貫して国にしても住民の皆様方にわかりやすい説明をして、命と財産を救う最大の手段がダムであるとするならば、多くの方々の理解と共感の中で進められなければならないのではないか。責任を果たして頂きたい、こういうことをまた申し上げてまいりました。今日、私どもは思いがけない事態に遭遇しています。 それは従来、川辺川ダム事業について国土交通省が説明をしておいでになられてきた、同じ資料の中で、代替案、これが出てきたことでございます。必ずしも反対をなさっている方々から一方的に出された、ということではなく、国土交通省のほうからも八代流域に限っていえば、代替案、あり得るというような形の中での説明もあっております。これは私たち県にとりまして、大きな驚きであります。命と財産を守る、そのことが本当にどんな工法の中で、どんな形の中で進められるのがベターであるのか。このダムが尊い命、財産を守るために最も妥当な対策であるという、まさにダム事業の大義について、県民の方に国土交通省は説明を行う必要があると考え、治水を中心とした川辺川ダムの論議について、オープンかつ公正に論議する場として、本日このような会を県は主催したところでございます。」

●国土交通省 C
「また、
川辺川ダムは人吉だけを守るのものではございません。中流部の坂本村、球磨村、そして八代市、この川辺川ダムの洪水を少なくするという効果は下流域全域に及ぶものであります。このように、川辺川ダムは球磨川の治水対策について必要な施設であるという説明をさせていただきました。」

八代地区で、堤防が弱いところを強化したりするという対策が残っている。」 

「そして、さきほど、潮谷知事さんからもご指摘がございましたが、確かに、八代地区だけを見れば、八代地区だけであれば、あと70億円で、八代の皆様だけは80年に1度の洪水に対して安全に暮らせるかもしれません。

 「八代地区につきましては、先ほど申しました堤防の強化対策に加えて、まだ、川辺川ダムがない場合、川の断面積が足りませんので、川幅を広くする代わりに、現在河川敷に公園なんかがありますけれども、そのところを切りまして、掘削しまして、川の断面を広げるというような対策が必要になってまいります。」「これが、川辺川ダム、ある場合とない場合の代替案の概略の説明でございます。」 

●対論者 E
「八代地点ですが、これは国土交通省さんの話にもありましたが、まず、現在の状態でも80年に1回の大洪水といわれる基本高水流量(*5)、9,000立米、これを流下可能です。そして、実は国の方の資料で言いますと、先ほど不等流(*6)計算の結果も出ていましたが、実は国土交通省さんが平成10年まで位に出されている事業説明図ですが、八代地区ではもし川辺川ダムを造らなかったら、120m位川幅を広げなければいけませんよと航空写真付きの資料が出ているんですけれども、最近の主張では、八代については少し掘ればこういうことはせずに、流すことができると言う、突如として説明が変わってしまっているということの疑問があります。 ということで今現状の八代地区は、ダムがなくても洪水を十分に流下させることが可能です。そして今八代地区でやるべきことは、既存の萩原堤防という重要な堤防があるんですけれど、こういう既存の堤防を強化、整備をまず実施することです。」 

「川辺川ダムの治水効果ですが、先ほどお話がありましたが、要は流域の市町村の8割の人口を占める八代ではもう要らないですね。その8割を除外して計算すると費用対効果はわずか0.6に低下して事業をやる意味がなくなってしまうわけですよ」

●国土交通省 B
「萩原地区の水位が高くなっているところ、この箇所の問題でございますけれども、この箇所につきましては二つ問題がございます。一つは堤防の断面自体が不足しているという問題点、あとまた更に堤防の足元、堤脚部といってございますが、堤脚部の断面が深堀しているということでございます。この深堀でございます、これ(高さ)がだいたい、堤防の一番上からの深さが15m程度でございます。建物にすれば4階建てぐらいの建物がすっぽり入る深さまで川底が掘れているということでございます。で、
この川底が掘れていることによって、堤防自体がいつ、洪水になったときに浸食され堤防が極めて危険になる可能性があるということでございます。」

●対論者 E
「結局その断面が不足しているということでそのいつ破提してもおかしくない状態であるということなんですかね。」 

●国土交通省 B 
「断面が不足していることによって、水位が低い場合、通常の水位の場合は特段の問題は生じませんが、水位が高く、
洪水により水位が高くなった時に危険な状態になるということでございます。
 それから、現在萩原地区につきましては、河床低下、川底が先程見ていただきました川底が掘れているということに対応して、川底に新幹線のトンネルで掘削した岩を入れて安定性を高める工事をやってございます。それからまた更に堤防の断面不足ということがございますので、
堤防の断面を現在よりも幅広いものにして堤防を強化していくということをこれからまたやっていくことにしております」

●対論者 D
「それとそういった堤防の強化が必要なのであれば、早急にやっていただきたいと、これも先程言ったことであります。」

●国土交通省 B
「先程説明いたしました事業、資料が先程無かったので説明いたしますが、
強化堤防の整備、八代萩原地区ということで、下の図がございまして、今現在の堤防よりも更に断面をふくらまして堤防を強化するという事業でございまして、これは八代工事事務所の方で今年度から実施することとしているということでございます。」

●対論者 E
「57年は、私は八代住民でして、八代の方でその水は経験しております。川辺川研究会の冊子にもその時の出水の様子、写真入りで載せているんですけども、これはDさん、言われるようにですね、戦後最大の水が流れた出水被害が出ている訳ですよね。このときも、写真を見ていただければ分かるんですけども、萩原堤が、7264立米が流れているんですが、萩原堤がまだまだ余裕があるということでですね、こういうことですね、八代の流下能力は・・充分可能であると、いう検証結果を導きだしているんですよ。」

【第2回川辺川ダムを考える住民大会(H14.2.24)発言録より抜粋】

●国土交通省 B
「具体的には、この八代市の萩原の堤防でございますと、80年に一度の確率で毎秒9,000トンという洪水が起こり得ます。で、それをどうやって守るかと言うと、まず、川の整備をして、毎秒7,000トンは安全に流そうと、そして、川辺川ダム等の整備により毎秒2,000トン、すなわちこの2,000トン分をこの水位を下げて安全を守ろうということでございます。次、お願いします。 ということで、私たちは一生懸命に河川改修をやってまいりました。これ、昭和42年の時のちょうど萩原の堤防の前の川の断面です。こういうふうに色々、川の中は、堆積していて、非常に川の断面が小さいということでございます。次、お願いします。

 そういう訳で、営々とこういう所に溜まっている土砂を掘削して、掘りまして、川を何とか広げて洪水を流そうと、いうふうにやってきました。そこで、ちょっとここで見ていただきたいのがですね、この萩原の堤防の下、ここが非常に深くえぐれているということです。拡大しますと、こういう形で堤防の下がストーンと落ちているということです。次、お願いします。 これが萩原の堤防のところ、上からですけど、上流から洪水が流れてきます。そうするとちょうどこの堤防のところに非常に強い洪水の流れがドンと当たってしまいます。そうすると洪水が堤防の下をえぐるような形で流れて、どんどん堤防の下がえぐれてしまって、ああいう形になると。スクリーンお願いします。ということで、ちょっとですね実物大という訳にはいきませんので、これが萩原の堤防の縦を4分の1、横を20分の1に縮尺したものです。さきほど洪水の流れが、こちらからこう来てこの堤防に当たって、これがどんどんえぐれると、どんどんえぐれると最後どうなるかと言うと、この堤防が落ちてしまうと、で非常に危険だということでございます。で、このえぐれがどれ位えぐれているのかということを、ちょっとこれもまた模型を使って説明いたします。これは、八代の駅前にあります、私どもの八代工事事務所、これも同じように縮尺していますが、実物は横が60メートル、縦が10メートル、3階建てのビルです。これを横にしてみてください。横にお願いします。そして、このえぐれのところにこのようなビルが横方向に3つぐらい、そしてこのえぐれが一連5〜600メートル続いておりますので、このビルが縦方向に10個、横方向に3つ、こういう大きいビルが30個ぐらい入るくらいのところがえぐれていて、これ非常に危険な状況でございます。どんどん洪水がくると、こちらでえぐれてしまうということで、ちょっとブロックお願いします。じゃあ、これをどうやって守るかということで、色々工法やってきました。すなわち、これをこのまま土ですので、土ですので、このままほっとくと、洪水の時にどんどんえぐれて、最後堤防が落ちて危険だということで、これは、実物の模型ですが、これはブロックです。実物は重さが3トンあります。乗用車3台分、お相撲さんだとまあ20人近くですか。そういう非常に大きいブロックを昭和40年代に3万個ぐらい、ここに敷き詰めて、洪水が来ても、このブロックで洪水をはね返そうと、いうような努力もしましたが、洪水の力というのは、非常に強いもので、このブロックがどんどん流されてしまいました。ということで、色々工法やってきましたが、なかなかこれはという決め手がなくて、現在、やっている取組みを御紹介します。じゃあ、岩石お願いします。 ということで、現在どういうことをやっているかと言うと、このままこの土のところを放っておくとどんどんえぐれて危ないということで、新幹線の工事でトンネルやっているのを皆さん御存知と思いますが、あそこから出てくる岩石を持ってきまして、このえぐれているところをこういうふうに岩石で埋めて、こんだけになればなかなかもう強いということで、多分大丈夫だと、いうことで我々検討して、今このえぐれのところを解消するということで一生懸命やっているということです。じゃあ結構です。あのスクリーンに戻してください。

 ということで、上から見ると八代の球磨川、非常に悠々と流れて安全のように見えますけど、目に見えないところでは、こういうように非常に危険な状況もあるということで、私たち一生懸命河川改修をして、安全に生活していただけるように頑張っているということです。ということで、八代地区の現況では、川の方で今、6,900トン流すことができるということで、一番足りないのは、この川辺川ダムで、八代ですと毎秒1,600メートルの洪水を止めることが、カットすることができると、数字で1,600立方メートルというのが分かんないんで、次お願いします。 具体的に言うと、この萩原の堤防のところで川辺川ダムがある場合、80センチ洪水の時の水位が下がる。要するに洪水の時に例えば、足下を洪水が流れているか、腰のところを洪水が流れているかと、これぐらい水位が下がるのと、当然流量が少なくなれば、洪水の力も弱まりますので、堤防の下がえぐれるとか、そういうような危険性も少なくなると、いうことで、非常に川辺川ダムは八代地区の治水にも役に立つと言うことです。」

●清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会 対論者D
「川辺川ダムがないと、八代地区では萩原堤防などが決壊して、北は千丁、鏡町から南は日奈久までが洪水被害に遭うと想定されています。これは、国土交通省の資料です。要するに国土交通省の資料によると、球磨川に流せる水量は、川底を掘ったり、堤防を高くするなどしても、八代地区では、毎秒7,000トン、人吉では、毎秒4,000トンしかないということです。そのため、それ以上の水量には対処できないので、ダムで調節しようというのが、川辺川ダム計画です。 これも国土交通省の資料です。この図を見てください。これは、洪水シミュレーションといいまして、この青とか黄色とか赤、これは氾濫域なんですが、これは実際に氾濫したんじゃなくて、これは計画のいわゆるシミュレーションです。このシミュレーションによると、萩原堤防は決壊し、八代の駅前は2メートル以上も水につかり、さらに千丁から鏡まで被害が及ぶようになっています。この時に流域全体で、1,850億円もの洪水被害が発生するという予測がされています。実際には、この時、堤防は壊れていないんですが、このような被害シミュレーションの結果は、ダムが必要な根拠として使用されています

 ところが、昭和57年7月、台風19号ですね。国が安全上限と言っている、八代で毎秒7,000トンを上回る洪水が発生しました。実際この時の水位は、堤防の上端からまだ3メートル以上、ここです。萩原堤ですここは。まだ堤防には余裕がありました。これは八代の皆さん、十分御存知のことだと思います。私達は、治水に川辺川ダム不要という報告書を昨年11月に発表しました。するとそれから1ヶ月後の12月9日に相良村で行われた川辺川ダムを考える住民大集会の席上で国土交通省のBさんは、このように発言されました。そして、八代では、ダムが不要であるということを認められました。 「『確かに、八代地区だけを見れば、八代地区だけであれば、70億円で八代の皆様だけは、80年に一度の洪水に対して安全に暮らせるかもしれません。』、そうおっしゃってます。ダムが必要という今までの説明は、いったい何だったのでしょうか。」 

 今までの国土交通省の説明をどのように変わったかということを今から見てみましょう。これは平成10年に国土交通省が公表した資料です。この資料では、もし川辺川ダムがなければ、八代地区では、50メートルから120メートル川幅を広げなければならず、多数の家屋移転が発生するとして、ダム建設が妥当と説明しています。最近はですね、運動公園の辺りをちょっと掘れば大丈夫などとおっしゃってます

●水源開発問題全国連絡会 対論者C
「国土交通省の計算でどういうことが出たかと言いますと、8,600トン、川辺川ダムなしの8,600トン流れるとですね、ここで計画高水位を40センチ上回ってしまうと、だからここは何時破堤してもおかしくないと、です。だから、川辺川ダムが必要だという言い方をされた訳です。しかしながらですね、ここ見てみてください。実際の堤防高、ここはまあ球磨川では例外的に、この八代付近はですね、現況の堤防高が計画堤防高より高いんですね。ここ約70センチ高いです。ですから、40センチ、仮にこの計算が正しいとしましてもですね、実施の余裕高は1.8メートル(=1.5m+0.7m−0.4m)あるんですよ。これで破堤するはずがないですね。次、お願いします。 ということで、まず国土交通省の主張の中で、まず一つはですね、この八代付近に関しては、7キロメートル地点で、計算水位が計画高水位を40センチ上回ると、上回っても実際の余裕高は1.8メートルもある。だから問題ないということです。次です。で、先ほど大仕掛けの道具を使って説明された話ですね。これは河床の深掘れがあると、それから堤防断面が不足していると、だから川辺川ダムが必要だとおっしゃっているんですけれども、これはですね、川辺川ダムがあってもなくても改善が必要なものですよ。」 

川辺川ダムが必要だというのは、問題のすり替えだと思います。」

「八代付近に関しては、川辺川ダムが不要だということがですね、国土交通省の計算からも明らかになったということであります。」

●流域郡市民の会 対論者D
「なぜ八代ではダムなしでも治水可能という事実を今まで隠してらっしゃたのですか。」「なぜ事業の費用対効果が0.73と1を下回る事業ですね、これを継続できるんですかという質問です。」

●水源連 対論者B
「まずですね、私たちの方でも、八代に関してですね、色々と事実を挙げているわけですよ。例えば、現況堤防高がですね、計画堤防高が70センチ上回っていると、そうすれば8,600トン毎秒流下が可能ではないかと。そういうことを疑問点として提示しているわけですよ。これはですね、ダムがあろうとなかろうと関係ない話であって、治水としてですね、この8,600トンが流れるのかどうかということについて、まず、八代の場合を検証していきたいということですね。それから、先ほどからですね、堤防断面の不足だとか、あるいは川底の深掘れだとかをいろいろと理由を挙げられておられますけれども、こういうのはすべてですね川辺川ダムとは関係がなくて、どの道やらねばならないことなわけですよ。で、それでそういうふうに考えますと、八代でですね、本当に8,600トン流れるのであればですね、これはダムの効果は全くないということで、事業の費用対効果がですね、0.73になるわけですよ。」

●環境カウンセラー 事前申出者D
「八代の住民です。本日の討論は、八代の住民にとって全く驚くことが三つありました。一つ目は、まず川辺川ダムの根拠の一つとなっていることで、八代の治水が費用対効果の多くを占めているということです。八代の過去の洪水が、水無川の決壊に起因するものであることは市民は知っています。また、萩原の堤防が250年以上も決壊したことがないことも知られています。球磨川に余力があるからこそ、水無川の洪水対策として、現在トンネルで球磨川に流しています。(中略)それを決壊したらという理由で、推定にしたがって費用対効果の理由にされているというのは、本当に驚きです。250年以上も決壊したことがない堤防に対して、80分の1という計画が全く不思議です。」 

「八代ではダムが無くても治水が可能であるということであれば、当然、費用対効果は見直すべきだと思いますけど、費用対効果が、今日の0.73と、もし1を割った場合、これは事業の継続はできるのでしょうか。」

【第3回川辺川ダムを考える住民討論集会 現地視察(H14.6.22) 発言録より抜粋】

●国土交通省A
「これ昭和40年水害の時ですが、これここからもうちょっと下流の、萩原橋のところですが、昔この堤防の上に旅館がありました。それが、昭和40年の水害で、前回の説明会でも説明しましたが、いわゆる護岸の下、堤防の下がですね、えぐれて堤防の上が落ちて、旅館がこれ、崩れて落ちております。で、昭和40年の水害の時も確かに堤防は破堤しなかったという声はございますが、じゃあ、こういうふうにですね、深掘れして堤防が崩れてもう一歩間違えば、破堤、大惨事になるという状況があって、これでも安全に流れたと、、。言えるのかということで私どもはこういう状態が安全だと決して思えないと思います」

「平成7年の水害ですが、やはりこれも下流の深掘れということで、金剛橋の下流のところでこのように護岸が崩れて、これも一歩間違えば大災害になるというような状況で、決して安全に水が流れていたわけではないといういことをご認識いただきたいと思います。」

「下流から7.6キロ地点ですが、(中略)下流側と比べるとここだけ堤防が薄くなってます。で、これ鹿児島本線が迫ってるんでこれ以上こっち側に堤防は厚くできないと。で、じゃあ川側見ていただきたいんですけど、川側もすぐすとんと落ちて、で、下にブロックとか積んでますけれど、ここはいわゆる深掘れがしていて、あの、堤防が薄いんだから、じゃあ厚くすればいいじゃないかと、10メーターぐらい薄いから厚くすればいいじゃないかと。ただ、このままの状態で堤防を厚くしても、結局深掘れして崩れてしまうということで順序としてはまず深掘れの対策をやってそしてこの堤防を厚くして安全にするということで、この地区ではまだ、流下能力が不足しているということです。」

「また、堤防の高さがあるから安全じゃないかということですが、皆さん今立っているここ道路です。で、アスファルトがあってその下を当然砂利を敷いてます。砂利というのは水をつうつうに通しますので、これはとても堤防の役割は果たしません。ですから、まずここの高さのうち道路部分は当然堤防としてはカウントできないと。で、またこれ余盛と、余る盛りとありますが、これ堤防、土で作っておりますので、例えばこの上の道路を補修するときなんか、砂利の面だけすうっときれいに取るっていうこと、、。は無理ですんである程度の厚さに余裕がなきゃいけないということでそれが余盛ですということで、これ堤防、土ですので、管理には万全には万全を期さないと非常に危ないということです。」「昭和57年の水害の時でも、あの赤いところまで、地盤から1.8メートルぐらい高いところです。八代駅でいうと大体1メートル近くのところまで実はこの球磨川で洪水が蕩々と流れていたと。しかも、それは決して安全な状況で流れていたわけではない。」

「この球磨川、全体を如何に安全に守るかということで川辺川ダムによって水位を下げる具体的には八代のこの地区では80センチ水位を下げることによって、こういう堤防の強化もしますが、より安全にしていくということが大事だということで、国土交通省の説明を終わらせていただきます。」

●美しい球磨川を守る市民の会参加者A
「これは、国土交通省さんの内部の技術資料なんですけれども、これはですね、萩原堤防、今後強化堤防にする予定があるんですよ。それの検証をしたときの資料です。」

「これが、前回12月の公開討論会で国土交通省さん、深掘れ、こんな深掘れるんだという説明されました。これは危険だと思ったんですが、これ等倍に延ばしてみたらこうです。そして更に、深掘れのところですね、新幹線のずり入れで埋めちゃうんですよ。更にこんなにすごいですね、強化堤防の工事がされる予定になってるんですよ。つまり、八代に関しては堤防の強化をすればダムは全く必要ないということです。」

「これが国土交通省さんの内部資料なんですが、これが萩原堤防の強化堤防の図です。見て下さい。ものすごい堤防です。これができると川辺川ダムが洪水を防げないような超過洪水に対しても八代を守るという目的ですね。こんなにすばらしい堤防を国土交通省さん、計画して作っていただこうとしています、八代市のために。次お願いします。」

「平成13年度萩原堤防、河川局長は国会でこう述べられてます。球磨川は日本一危険な川。。、、である日本一危険な川であるその球磨川日本一危険な球磨川の最も重要な萩原堤防ここの工事をですね、強化工事、ずっとこれ八代工事事務所重点事業として紹介して予算つけてました。しかし、発注されてません。私達が、八代にダム不要を発表したとたんですね、なんと、今年の事業概要からも萩原堤防の強化堤防の工事が消えています。ダムを造るためにね、この八代守るための強化堤防、これを取りやめているとしたら、非常に重要な、大重要な問題だと思います。ですから、八代に関していけば、この強化堤防、堤防の工事さえきっちりすれば本当にダムはいらないと、でこれは国土交通省さん、是非強化堤防の工事を行っていただいて、私達八代市民が安全に暮らせるようにお願いしたいと思います。以上終わります。」

●国土交通省河川調査官国土交通省B
「うそとか、ごまかしですか、あのこういった表現があっております。こういった表現が一体、何の根拠に基づいて、言えるのかと。私どもですね、一切嘘なんかついていない。まじめにこれまで説明してきておりますし、そういった意味で、この嘘ですとかこういった表現については是非撤回いただきたいという風に思います。」

●美しい球磨川を守る市民の会参加者A
「川辺川ダムもこの萩原の強化堤防も、流域の住民私達のために国土交通省さんが行っていただく事業ですので、是非流域住民が納得できるような、説明を是非していただいて、資料を提供していただいて、情報公開のうえに一緒に考えていくと、いうことでやっていただきたいと思います。」


【第3回川辺川ダムを考える住民討論集会発言録(H14.6.23)より抜粋】
●清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会対論者F
「八代では、八代地区での川辺川ダムの効果はどうかといいますと、これは前回も説明いたしました国土交通省の説明資料です。川辺川ダムが無いと八代では萩原堤防などが決壊して、北は千丁町、鏡町から対論者Eは日奈久までが洪水被害に遭う。川底を掘ったり堤防を高くしても河川で安全に流せる上限は八代では7,000トンである、どうしても河川で流せないから川辺川ダムを建設する、というのが国土交通省の理由です。建設省のコンピューターによると、萩原堤防は20年に一度壊れることになっています。しかし、昭和57年7月に安全上限といっている八代では7,000トンを超える洪水が発生しましたが、萩原堤では堤防上端からまだ3メートルの余裕がありました。第一回目もですね、国がその討論会の時に、国土交通省C所長は『八代だけを見れば80年に1度の洪水に対しては安全に暮らせるかもしれません』そういうふうに発言されました。その前にはこのような説明だったんです。次、平成10年の国交省の資料です。川辺川ダムがないと川幅50メートルから120メートル広げる必要がある。多数の家屋移転が必要なためダム建設のほうが妥当である。最近では、運動公園のあたりをちょっと掘れば大丈夫と言われています。この矛盾についての説明をお願いいたします。ダム建設の、ダム選択の根底になるような大事な説明がころっと変わってしまう。国土交通省の説明責任とは一体何なんでしょうか。このような事実を隠して、何故事業を推進してきたのか、納得のいく説明を求めたいと思います。」「八代ではダムは不要である。結果、費用対効果は1を割る。費用対効果というのは、税金のほうが、それより防げる被害が大きい数だから事業が成り立つということなんですが、八代に川辺川ダムが不要ということは、八代部分の効果が消えますので、防げる被害よりも使う税金のほうが多くなる、そういうことになって、税金の無駄遣いということになります。論点1、費用対効果が1を大きく下回る事業を何故継続するのか、国土交通省へ説明を求めます。」

●水源開発問題全国連絡会対論者C
「八代付近におきましては、国交省は2つの問題をあげています。1つは、川底の深掘れの問題、もう1つは堤防の断面不足の問題です。しかしですね、この川底の深掘れの問題はですね、国交省がこの討論会で述べておられるとおり、この対策は現在実施中であります。一方で、川辺川ダムを造ろうとしてこれを実施するということは、この深掘れ問題というのは、川辺川ダムと無関係にやらなくてはならないということですね。同じように堤防断面不足の問題についても、昨年度からこの堤防の強化工事を進めますという話をしております。これも川辺川ダムとは関係ありません。ということで、川底の深掘れ問題、堤防の断面不足という問題を国交省はあげたんですけれど、これは川辺川ダムと無関係のものをあげてるんですね。そのために、川辺川ダムが必要だと、そういう話をしてるんですね。これはちょっと、あまりにも無茶苦茶な話であります。ということで、八代付近に関しましては、川辺川ダム無しでも、十分に今の状況において、もちろん、この深掘れ対策とか断面不足対策も必要ですけれども、それをすれば、十分に80年に1回の洪水に対応できるということが明らかだということであります。ということで、八代に関しては、川辺川ダムは必要ないということが明らかになったということです。」

●土木技術者対論者E
「この写真は、国土交通省が、前回の12月9日の討論会とそれから2月24日の討論会に配付した資料ですけれども、この萩原地区の、着色部分を掘削するという計画になっています。で、ここでお尋ねしたいのが、どうして国土交通省は、この萩原地区の掘削を放置しているのか、何故掘削ができないのか。昨日の現地調査では、C所長は人吉では川下りとそれから、岩盤が硬くて河川掘削ができないとおっしゃっておられますけれども、萩原地区についてみる限り、川下りもないでしょうし、岩盤が出てくるということでもないと思います。」

「これは、前回の討論会で、国土交通省が説明された萩原地区の横断の状況です。深掘れをしているから、そこの深掘れしたところを埋め戻して、あと強化堤防といいましてこの着色部分をやるというふうにお答えになっているわけですけれども、これもお尋ねしたいんですが、13年度の予算で強化堤防ということが事業組まれていながらどうして実施されなかったのかということをお伺いしたいと思います。これはあの、所内のパンフレットですけども、萩原の強化堤防をやるんだということを、パンフレットの中でいわゆる目玉事業として位置付けておられたのに、事務所のパンフレットから、この強化堤防をやるということが削除になっていると、この点どうしてなのかということをお尋ねしたいと思います。それで、そういった萩原堤、萩原地区における河川の掘削、つまり40センチしか水位がオーバーしないということですから河川の掘削を行って、堤防の強化を行えば、八代地区では十分に川辺川ダムに頼らなくても流量を流せる。そうだとしますと、これは今国土交通省が算定している費用対効果の表なんですけれども、費用対効果というのは最初に説明があったと思います。使ったお金とそれに対する効果、つまり洪水被害を軽減できるという計算の金額になるわけです」

●国土交通省B
「平成13年度の萩原の工事ができなかった理由ということでございますけれども、これにつきましては、当初1億円ということで予算がついてございました。私どもやろうと思っておりましたけれども、結果的に、八代海域の調査委員会の調査費用などが、ちょっとかかりましてそちらの方に予算を充当して、できなかったということでございます。平成14年度も、同じような状況で、現在、萩原地区については予算が付いてないという状況でございます。平成15年度以降、予算が付けば、堤防の基盤の補強、河床の補強対策等、進めていきたいというふうに考えております。」

「強化堤防は切れないというようなお話がございましたけれども、強化堤防の断面、今の段階ではイメージでの断面でございます。現在の堤防が高さが6メートルで、こういう台形のような形ですけれども、強化堤防になりますと、今の堤防の、昨日現場に行かれた方はお分かりだと思いますけれど、鹿児島本線側の、ここから18メートルくらいのイメージの幅の堤防でございます。そうしたことで強化していこうということではあるんですけれども実際洪水の時に破堤しない堤防これは、関東地方と近畿地方で今施工されてございますけれども、スーパー堤防という堤防でございます。これは洪水がこの上を流れても土が持っていかれない。堤防は土でございますので、洪水が流れて堤防の土が持っていかれて壊れるというのが一番恐ろしいところですから、非常に緩い勾配にしてあると、緩い勾配にしてあることによって、仮にこの上を水が流れても堤防は守られるという堤防でございます。こうした形のスーパー堤防にすると高さの30倍、180メートル、この地区で言いますと、位の幅の堤防になるということです。写真、ちょっと見づらくて恐縮ですけれど、場所的にいうと、ここが八代駅ですけれども、今の180メートルでいうとこの赤線の川側ですけれども、八代駅のかなり近いところまでのエリアになってくるということでございます。従いまして、先ほど堤防を強化すれば堤防が切れないということをおっしゃられましたけれども、そういうことはないということでございます。」

●土木技術者対論者E
「私がお尋ねしているのは、費用対効果の計算に入った過程というのが、萩原地区の1キロメートルですか、2キロメートルですか、あの40センチ、ハイウォーターを超えるということが、費用対効果の計算を始める根拠になっているわけですから、それに対して河川掘削やそれから堤防が薄くて破堤するんだということがあるなら強化堤防先ほど今国土交通省Bさんが肥薩線ですか、鉄道のある方に盛り土をするような絵を描かれておりますけれども、私どもが見た強化堤防の絵というのは、川側に、つまり萩原地区は非常に幅が広いわけですから、もう少しコンパクトに河川に水を流して、そういった設計の絵を見ております。それを合わせて、要するに河川の掘削と強化堤防をすれば、計算上40センチしか超えないで費用対効果の計算に入っているわけですから、その、根拠が崩れるのではないですかということをお尋ねしている。」

●水源連対論者D
「まず、計画堤防高の話をさせてもらいます。これは、12月の説明会資料でございますけれど、ここの中では現在の八代地区の河道では計画高水流量、毎秒8600トンが流下した場合、約1キロメートルにわたって最高で約40センチ川の水位が計画高水を上回ると、ハイウォーターレベルを上回るということを言っているんですね。堤防の断面が不足していることを踏まえた上で、危険水位を超えてこの区間ではいつ堤防が破堤してもおかしくない状態であるというお答えをされております。」

「実際には、現況堤防高が計画堤防高よりも70センチ以上高いんですよ。それは認めてくださいね。(中略)だから40センチ計画高水を上回っても、余裕高は1.8メートルあるわけです。構造令では1.5メートルですね、余裕高が。構造令で定めている1.5メートルを30センチも超えて、十分に1.8メートルもあるということですね。堤防高から見た場合、8600トン流れても、十分に余裕があって破堤の心配はないということであります。それ故に川辺川ダムによる治水効果というのは八代地点においてはもはや喪失していると、」

「次に、先ほどからいろいろと川底の深掘れとか堤防の断面積の不足だとか、その2点上げられております。しかし、これも先ほどお話ししたことでありますけれど、国土交通省は、これに対して対策をしているわけです。どちらも、これは川辺川ダムがあろうとなかろうと、これはやらなければならないことでありまして、川辺川ダムとは無関係の話なんです。国土交通省は川辺川ダムのあるなしにかかわらず対処しなければならない問題を、あたかも川辺川ダムの問題であるというように結びつけている。これが非常に理解しがたいところなんですね。」

●水源連対論者C
「現況堤防高、これは数字だけだというお話ではまったくおかしいですよ。厳然とあるんですよ。現況断面の不足があるんだったらその不足分を補う工事が必要かもしれません。しかし、現況堤防高においては、計画堤防高よりかなり高い状態にあるという現実があるわけですよ。それをまず認めていただきたいということ。それからもう一つ、深掘れの問題とそれから堤防断面の不足問題、川辺川ダムはそちらがこれを作ろうとしているとしているのに、何故一方で進めるかという、これはダムあるなしに関わらずやらなければならないことでしょ。」

●美しい球磨川を守る市民の会事前申出者B
「八代についてなんですけれども、八代ではそういう意味では、7,000トンしか必要ないからダムが必要だということになっております。これは国土交通省さんの資料なんですけれど、八代は20年に1回、この萩原堤防が決壊するということになっております。萩原堤防が20年に1回決壊して、こういう大被害が起こるということで、ダムが必要だということになっております。ところが、実際昭和57年7月に、先程決壊すると言われた安全上限の7,000トンを超える洪水が発生しましたが、堤防の上から3メートルも余裕があって流れたんですよ。住民団体の方が、八代ではダムはもう要らないんじゃないか、要らないんだということを言いました。そうすると12月の公開討論会でC川辺川工事事務所所長は、確かに八代地区だけを見れば、河床掘削を、70億円の河床掘削をすることで、80年に1度の洪水に対しては、安全に暮らせるかもしれませんというふうにおっしゃって、八代ではダム不要ということを認められました。実は、平成13年、それまでは国土交通省さんがどういう説明を八代でされてたかといいますと、平成10年までの国交省資料なんですけれど、これは八代です。川辺川ダムがないと川幅を50メートルから120メートル拡げる必要があります、多数の家屋移転が必要なため、ダム建設が妥当、必要なんだというふうにおっしゃっておりました。ところが最近はちょっと川底を掘れば大丈夫とおっしゃっておりますということで八代については、この河床掘削をすることで、川辺川ダムが想定している80年に1度の洪水を流せるというふうにおっしゃっておりますけれどそれを認められますでしょうかまず一個目。イエス、ノーで結構です。ですから、80年に1度の洪水を河床掘削ですれば、大丈夫、流せるんだということを認められておりますので、もう一回再確認ということです。

●市民の会事前申出者B
「すみません、これですね、時間稼ぎに使われたくありませんので、確かに八代地区だけ見れば、河床掘削をすることで、川辺川ダムが防ぐという80年に1度の洪水に対して安全に暮らせるかもしれませんとおっしゃってますね。」

●国土交通省C
申しております。」

●市民の会事前申出者B
「はい。それでですね、もう一個ですけれど、実は国土交通省さん、20年に1回、萩原堤防が切れるとおっしゃってます。ですから、非常に甚大な被害が頻繁に発生するから、巨額のダムが造っても、割に合うんだということでおっしゃってましたが、これですね、国土交通省さんの資料なんですけど、昭和22年の川幅、ここから上が川幅ですね、平成7年、ここから上が川幅なんですよ。ものすごい川幅が拡げられているんですよ。この細い川幅でですね、実は萩原堤防は250年、決壊してないんですよ。国土交通省さん、川幅をずいぶんと拡げられて、萩原堤防は随分安全になってます。川辺川ダムというのは、皆さんもご存じのように、80年に1度の洪水を防ぐんですよ。ですから、それよりももっと大きな洪水、例えば100年に1度とか200年に1度の洪水が来た場合にはどうなるかというと、ダムは洪水調整を出来ません。つまり上流からだーっとダムに流れ込んだ水は、ダムは調整しきれず、そのままだーっと下流の方に大量の大洪水が流れていくわけですよね。実はですね、建設省の河川局長は、球磨川は日本で一番危険な川であるというふうな発言を国会でなさってるんです。実はその球磨川の一番重要な堤防がこの八代の萩原堤防なんですよ。これは八代工事事務所なんですけど、この一番危険な球磨川の、一番重要な萩原堤防ですね、これを大洪水時、つまり川辺川ダムが防げないような、想定外の大きな洪水についても安全になるようにということで、今の堤防を更に強くする強化堤防というのを考えられています実はこれ強化堤防の写真これも国土交通省さんの資料なんですが」「はい、水勢という非常に大きな強化堤防、がっちりとしたやつを造られています。これを造ることで、川辺川ダムが防ぐ80年に1回の洪水が来てもこれ全然大丈夫じゃないんですか。八代はこの強化堤防の工事をすることで、ダムが無くても80年に1度の洪水に対しては、守られる、大丈夫じゃないんですか。それをちょっと確認したいと思います。」

●国土交通省C
「先程もちょっとの御説明をいたしましたけれども、超過洪水に対して、安全な堤防というのは、スーパー堤防、これはまさに幅が180メートルと非常に大きい堤防です。今、強化堤防とおっしゃっているのは、こうした180メートルの18メートルですから、規模が全然違うということでございます。」

●市民の会事前申出者B
「あのすいません、私の質問が全然伝わってないようですけれど、八代は非常に重要な堤防ですね。ですから、強化堤防という水勢を備えたような非常に強力な堤防を、平成13年度から予算を付けていただいてます。先程ちょっと残念ながら、1億円の予算が他のところに使われましたということでしたけれど。これを、1億円ですか、全部ではもっとかかるんでしょうけど、整備すれば、80年に1度の洪水に対してはどうなるんですか。八代に80年に1度の洪水が来たときに、この強化堤防を造ることで、より安全性が高いダムが要らないということになるんじゃないですか。ダムが要らないというよりも、80年に1度の洪水でも大丈夫だということになるんじゃないですか。」

●国土交通省A
「先程も御説明しましたけれど何トンの水を流すかということとそれを受ける受け皿堤防をどう強化するかということは別の議論なんですね。ダムでカットして何トンの水を流しましょうかと、じゃあ、ぺらぺらの紙で支えられますかといっても出来ない、じゃあここの堤防をどう造りましょうかというのはあります。ここは湾曲部で危険になってて過去にも崩れてますので、それを強化するということは流量を増加することにはならないです。ある流量をどういう強い堤防で守るかということは、その地区、その堤防の状況を見て考えているわけです。ですから、これを造ることによって流量が増えるわけではありません。」

●市民の会事前申出者B
「8,600トンの水が余裕高をもって流れますか。」

●国土交通省B
「8,600トンの水が計画の水位を超えてきた場合、計画水位40センチ超えるかたちになります。その時には堤防は極めて危険な状態であるということです。」

●市民の会事前申出者B
「ですから、強化堤防で。」

●国土交通省B
「それは、強化堤防になっても同じことでございます。」

●市民の会事前申出者B
「じゃあ、どんな強固な堤防を造っても。」

●国土交通省B
「ですから、そうしたものに対して安全な堤防というのは、先程から私が何回も説明しているように、スーパー堤防、ああいうやり方しかありません。今現在の技術といたしましては。」

●市民の会事前申出者B
「そういうことを言われるんでしたらですね、日本中ですね、そりゃスーパー堤防だらけになりますよ。」

●市民の会事前申出者B
「結局私が何をさっきから聞きたいというと、八代は危険だ危険だと、今までずっと言われてました。国土交通省さん。しかし、その危険だと言われている萩原堤防も、掘削をすればダム無しでも流せるということを、いや、80年に1度、先程国土交通省Cさん認められましたけれども、強化堤防にすることで更に八代の安全性は高まるんですねということで、つまり川辺川ダムを造らなくても8,600トンがここに流れても、堤防の余裕高をもって、ちゃんと。余裕高不足になるんですか。」

●国土交通省B
「この強化堤防もですね、川辺川ダムを前提とした強化堤防です。川辺川ダムを前提としたという意味は、八代地点で基本高水流量が毎秒9,000トンありますけれど、それを市房ダムと川辺川ダムで2,000トン減らすと、9,000トンから2,000トン減らすと7,000トン、7,000トンという洪水の計画の水位、それに対して安全なように強化堤をやっていくということでありまして、先程から事前申出者Bさんがおっしゃられている話は、川辺川ダムが無ければの話ですから、無い場合は当然ですね、水位も計画の水位を超えますし、これは強化堤といえども危険な状況になるということでございます。そういったあらゆる水位に対して安全なように造る堤防というのは、強化堤防というようなそんな程度の断面では到底足りない。もっと幅の広い、スーパー堤防と言いましたけれど、これは関東の荒川ですとか、多摩川だとか、近畿でいいますと淀川とかそういった所でやってますけどそういうような所でものすごく幅の広い堤防を今造っておりますこれは、いろんな他の事業と合併してやっていますけれど、そうした形の堤防を造っていかないと、安全だというふうにはならないということでございます。」

●市民の会事前申出者B
「じゃあ、ちょっとお伺いしますけど、この強化堤防工事、これは川辺川ダム事業費から行われるんですか、それとも通常の河川改修で行われるんですか

●国土交通省B
「これは、通常の河川改修事業費で、ということでございますけれども。」

●市民の会事前申出者B
「そうですね。結局なんべんも同じことを言うのもいやなんですけれども、この強化堤防の目的はなんですか。これを作ることでより安全な堤防にするわけですよね。80年に1度、それよりももっと大きな超過洪水に耐えられるようにこの堤防を作られるわけですよ。ですから、壊れない堤防なわけですよ。」

●国土交通省A
「あの、先ほど言いましたように何トン流すかという器と堤防の強化というのがありますね。この堤防の強化は、決められた流量7,000トンを流すときに、ここは湾曲部で深掘れしているから、通常の堤防より危険なんですね。しかも重要な堤防だと、だから7,000トンという決められた流量を流すのに、より安全にしましょうと。しかし、絶対に溢れても安全な堤防って何だといったら、先ほどのスーパー堤防のようなことをやらないと、実際、絶対溢れても壊れません、という堤防はできないということをお伝えしておきます。」

●市民の会事前申出者B
「すいません、じゃ堤防高はいくつになっているんでしょうか、強化堤防の。」

●国土交通省B
「あの、この断面についてはですね、まだ最終決定という段階ではないんですけれども、今と同じ高さの断面を堤防の高さと考えています。」

●市民の会事前申出者B
「現況堤防高ということですか。」

●国土交通省B
「ただ、ちょっと誤解のないようにということですけれども、これはまた当然今の形の道路も、また通ってくるだろうという想定のもとに、今の道路も含めてということでございます。」

●市民の会事前申出者B
「ですから、先ほど、これも何べんもいいますけれども、国土交通省Cさんは八代地区は河床掘削で川辺川ダムなしで安全に暮らせるというふうにおっしゃってますよね。ですからこれを強化堤防にすることで、さらにあそこの堤防が強くなるということで80年に1度の洪水に対して安全に暮らせ、ダムがいらないということです。」

●国土交通省A
「何度も言いますけれども、八代だけを考えて上流を全く考えなければ、そこだけであればそういう方法があるのかもしれない。ただし、全体を守るときには、ダムによって全体を守れて、ダムを造ることによって、ここはこういう堤防とこの器でいいということになっているわけです。ですからそのための、7,000トンを流す時の堤防の強化として、一番弱点ですから、その強化としてやっているだけで、これをもっと流量が増えたときに、流す堤防を作るとかですね溢れても絶対壊れない堤防を作るとかそういう意味ではない。より危険な堤防だから通常よりも手当をするということなんです。」


【第4回川辺川ダムを考える住民大会(H14.9.15)発言録より抜粋】
●国土交通省C
「時々私の説明が拙いせいか、誤解されることがあるんで、はっきりしておきたいのが、この洪水の対策というのは、川で受け持つか、ダムとか遊水地で溜めるか、二者択一ではございません。二者択一ではないんです。まず、川でどれだけ頑張って安全に流せる対策が出来るのか、いわゆる河川改修といわれるものです。これで頑張れる所まで頑張って、それで80年に一度の洪水が流せれば良し、この球磨川の場合は流せない。だから上で溜めなければならないというわけで、」

●美しい球磨川を守る市民の会対論者G
「現在の八代・萩原堤防の写真です。赤い線が、国が主張する川辺川ダムがない場合の洪水水位です。青色の線が国が計画している堤防の高さです。しかし、堤防は実際の国の計画より高く造られているので、十分な余裕があることがわかります。国の主張では、ここの堤防は弱いので、八代では20年に一度程度の雨でも堤防が決壊し、大きな被害が発生するとしています。実は、国が主張している堤防が決壊するはずの流量を上回る洪水が昭和57年7月に発生しました。しかし、その時、堤防が決壊するどころか、堤防の上まで十分な余裕がありました。国は今まで、川辺川ダムがない場合、八代では川幅を50m〜120mも広げなければならないと住民に説明してきました。しかし、最近は川を少し掘れば大丈夫だそうです。では、今までの住民への説明は何だったのでしょうか。これは、私たちが八代で流せる流量を計算した結果です。一番上の黒い線は計画堤防の高さです。この表には入ってませんが、実際の堤防の高さは、計画の堤防の高さよりも高く造られているので、更に上に造られています。赤い線が川辺川ダムがない場合の洪水水位です。この図を見ても、ダムがない場合の洪水流量は堤防よりはるか低い所を流れる事がわかります。不思議なのは、国が計算した水位は、なぜかこれより1mも低くなっており、過去の水位観測の実績と合わないことです。これは、八代・萩原堤防の昔と今の写真です。昔は川幅がこんなに狭かったのです。しかし、ここは250年間決壊しませんでした。現在では、川幅が大きく広げられており、更にたくさんの水が流れます。川幅が狭かったのに250年間決壊していない堤防が、川幅が広がった現在、20年に一度の雨でも決壊するという、国の計算結果には大きな疑問が残ります。更に、250年間決壊していない萩原堤防は、今後更に強い堤防へ改修することが決定しています。この図は、現在の萩原堤防です。今後、強化堤防への改修が行われ、黄色の網掛け部分が更に強化されます。これで、八代の安全性は更に高まります。私たちは、八代ではダム不要という検証結果を2001年11月に発表致しました。その一ヵ月後の12月9日に相良村で開催された川辺川ダムを考える住民大集会で、C川辺川工事事務所長はこのように発言されました「確かに、八代地区だけを見れ。ば、八代地区だけであれば、あと70億円で八代の皆様だけは、80年に1度の洪水に対して安全に暮らせるかもしれません」国も八代ではダム不要を認められたのです。では、ここで費用対効果を見てみましょう。費用対効果というのは、使ったお金に見合った効果があるのかを言います。川辺川ダムは、関連事業の総額が4000億円を超える巨大事業ですが、治水分として1900億円の貴重な税金が使用されます。使う税金に対して、被害防止の効果が大きければ、事業として成り立つのです。しかし、八代でダムが不要となった今、防げる効果より、使う税金のほうが多くなり、無駄遣いとなってしまったのです。八代地区での結論です。八代では十分な流下能力があり、川辺川ダムは要りません。費用対効果が1.0を下回り、ダム事業はこれ以上継続出来ません。また、情報公開により入手した国の内部資料も、住民側主張を裏付ける結果となっていました。国の報告書でも八代で流れる流量が計算してありました。結果は、国が八代で流せる上限と主張する7000トンどころか、住民側主張の9000トン以上の流量が流せることが報告されています。」

●土木技術者対論者E
「これは八代の萩原の部分なんですけど、問題になっているのは約6キロ400から8キロぐらいまでの間で、ここの流下能力が問題になっています。ちょっと下の方に数字があると思いますが、6キロ400という数字です。ここが新萩原橋という所です。それから萩原堤といわれる所がありまして、だいたい8キロくらいまでの間の現況の流下能力これがどうか、というのが問題になっている訳です。これも先日情報公開になった国土交通省の平成11年の球磨川水系治水計画検討業務報告書というものですがこれでいきますと6キロ400から7キロ800までの間の現況流下能力ですね、今の川をいじらないで何トン流れるかということがですね、9500トン、だいたい9000トン流れると、これが国土交通省自身が平成11年に現況の流下能力を計算されたのがこの値なんですねそれで討論会、その後に始まりまして、その後でどうして6900トンしか流れない話になるのかというのがまず1点です。これは今の報告書の249ページという所に書いてある6キロ400から8キロくらいまでの間のこういう9000トンという数字が並んだ報告書な訳です。それで、これがちょっと今まで出てきた萩原部分でダムがない場合の流量ですね、8600トンを流した時に、この条件が代替河道を取った時とあります。これが、ちょっとこの資料には書いてないのですが、別のところで、代替河道というのは何かというと、運動公園の前を掘ったり、そういった意味で断面を確保すれば、8600トンを余裕を持って流せるという、国土交通省が計算した値なんですね。それで皆さん思い出していただきたいんですが、国土交通省はこの代替河道ではなくて、現況の河道で8600トンを流した場合には、これよりか80センチ上に越えるというわけです。よりか40 ハイウォーターセンチですね。代替案よりは80センチでいいと思うんですけど。それを整理して考えますと、ダムを作って8600トンを7000トンですか、に流量を落として現況の河道で流したときの水面と、ダムを作らずに現況の河道を掘削するなどの断面確保をして、流したときの水位がほぼ同じということです。そうなりますと、結局ダムを作らなくても川さえ掘れば同じような効果が得られるということになる訳です。」

「これが、萩原部分の現況の写真なんですけども、ここが運動公園といいますか、グラウンドがあるわけですね。その前に、ここに大きく州が溜まってまして、下の写真いいでしょうか。もう少し近づくと、これが実際川の真ん中に大きく張り出しておりまして危ない状態なんですね。今、ここにおいた写真でいうとここの部分なんです。国土交通省が取られた航空写真でいえばこの部分なんですね。私がお尋ねしたいのは、何故この部分を掘らないのかと。国土交通省自身の検討でも、ここを掘れば計画洪水位の下に水位を下げることができる。つまりダムを作ったときと同じ水位に下げることができると言っているわけですね。それをどうして放置しているのかと。国土交通省は、住民の命を守ることよりもダムを作ることを優先しておられるのではないかと私は考えます。ここを掘ってしまえば計画の水位よりか8600トン、ダムがない場合の流量を計画洪水位の下に下げてしまうことができるわけですから、言ってみればここを掘ればダムを作る根拠が崩れてしまうわけですねだからそういった意味でどうしてここの掘削をされないのかといったことをお尋ねしたいと思います。」

●国土交通省C  
「八代での討論会に来られた方、もしくはテレビで見られた方は思い出して頂くと思うんですが。萩原の地区、非常に深掘れしております。堤防の下がえぐられています。えぐられているということは、放っとくと洪水の時にここに水が当たって災害になってしまう。放っておくと例えば、こういうふうな護岸が崩れてしまうということで、当然このえぐれのところは埋めないと危ないんです。それは対論者Eさんも当然技術者だからお分かりになると思います。で、多分対論者Eさんが御主張された現況河道で流れるというのは、そういう埋めなきゃならない所を無視して流せばということで、それは埋めなければならないということでございますそれと何故6900トンかということでございますがまずこの深掘れの所を埋めるというのと、萩原地区で6月22日の現地調査で私、ご説明しましたとおり、堤防が薄いところがございます。これは、私ども非常に住民の方に申し訳ない、1日も早く解消しなければならないと思っておりますが、後ろが鉄道が控えていて、それ以上後ろにはいけない。前は深掘れでズトンと落ちていて深掘対策をやらないと、いくら堤防を厚くしてもまた対策が必要だということでそこを一生懸命やっておりますそれでもまだ6900トンしかないということは、住民の方々には申し訳ないと思っておりますが、それはそれで一生懸命やっております。」

●流域郡市民の会事前申出者D 
「萩原堤の高さは十分なんです。ところが幅が少し足りない。断面積が足りないということらしいんです。ところがこの断面積を解消するためにどうしたらいいと思いますか。これは通常の河川改修、いわゆる堤防を強化することで足りるわけです。そうすると高さは十分にありますので6900トンは、9000トン流れて全く不思議ではない。これはわざわざ川辺川ダムが八代地区では必要ないということなんです。そこで国土交通省C所長にお尋ねなんですが、この断面積の不足分は簡単な補強で済むと思いますが、これは通常の河川改修でできますでしょうか。第一点お尋ねです。」

●国土交通省C
「当然通常の河川改修は必要です。現に萩原の堤防で堤防の規格、必要な厚さよりも薄いところがあるということは事実です。これについて私達は先ほどの深掘れ対策ともどもやって行かなければならない事業と位置づけておりますが、その規格どおりの堤防をやって、且つ深掘れしないようにきちんと対策をやった上で、それで八代地区でハイウォーターを越えないためには7000トンが限度である。そしてそれ以上流そうとすれば、通常の河川改修より新たに追加して、当然我々がダムとコンビネーションで地域の安全を守るために必要な河川改修に加えて必要だと、先ほど第一回の討論会の時に多分誤解されている方いらっしゃると思いますが、70億円というのが、たまたま川辺川研究会さんが出された代替案というものの合計が70億円でございまして、私が70億円といいましたのは八代で通常の河川改修をやった上で新たに必要なコストということでして、ですから八代で川辺川ダムが不要ということは全くございませんし、これを見ていただきたいんですが、当然通常の河川改修をやった上で、更に新たな掘削等の必要が八代ではあります」

●流域郡市民の会事前申出者D
「ここは250年間決壊していないということです。国土交通省のシミュレーションでは、八代地区では20年に一回、洪水の被害が起こるという想定のもとにこの被害はカウントされています。250年間、実際には全然破堤していないんですよ。それが地域の住民の財産を守るために川辺川ダムが必要であるとしている。もし萩原堤が大変危険な堤防で一刻も早く改修しなければいけない。実は昨年12月の第一回目の資料にそういうふうに書いてあるんです。読みましょうか「堤防の断面が不足していることを踏まえた危険水位を越え、この区間ではいつ堤、防が破堤してもおかしくない状態である。もし、いつ破堤してもおかしくないんであれ」ば、今年の夏もどうして放ったらかしだったんですか。どうして簡単な堤防強化をやらないんですか。まずそのことをちゃんとやるべきでしょう、生命のことを考えるなら。

【第5回川辺川ダムを考える住民大会(H14.12.21)発言録より抜粋】
●国土交通省D
「これは実態でございますが、八代地域、萩原の堤防は、昔から今と同じくらいの高さでございました。ところが昔は、やはりお城側を守るということで、対岸の堤防、例えば昭和13年でも2.5メートル低かったという事実があります。ですから、過去においては洪水は対岸の方に溢れていて、結果として萩原堤防は、守られていたと。しかも、守られていたとしてもそれが安全だったかとというと、実際、昭和40年、対岸の方に洪水が溢れていたにも関わらず、萩原の堤防でも、このように堤防がえぐれて旅館が流出してしまったという事実があります。決して250年間安全だったわけではありません(次お願。いします)また、堤防の特性として、土で出来ておりますので、仮に堤防を洪水が乗り越えなくても、長い間洪水にさらされれば、このように堤防がえぐれて、堤防が破堤して大災害になるということは、これは不幸なことに全国でも100以上の事例がございます。こういう実態があるので、堤防には必要な高さ、必要な厚さ、必要な品質が求められているというわけです。高ければいい、高ければ薄くてもいい、材質は関係ないというものではありません。」

●市民の会対論者G 
「これは今回やっと公開された資料を元に計算した八代の洪水水位です黒い線は、計画堤防の高さです。赤い線が川辺川ダムがない場合の洪水水位です。この図を見ても、ダムがない場合の洪水水量は、堤防よりもはるか低い所を流れることが分かります。しかも先程写真で紹介したように、萩原堤防は計画より高く造られており、更に余裕があるのです。これは、八代萩原堤防の昔と今の航空写真です。昔は川幅がこんなに狭かったのです。現在では、川幅が大きく広げられており、更にたくさんの水が流せます。川幅が狭かったのに、250年間決壊していない堤防なのですが、川幅が更に広がった現在、20年に1度の雨でも決壊するという国の洪水被害の計算結果には、大きな疑問が残ります。250年間決壊していない萩原堤防は、今後更に強い堤防へ改修することが決定しています。この図は、萩原堤防です。今後、堤防の厚みを増して、強化堤防にする改修が行われます。これで八代の安全性は更に高まります。また、情報公開により入手した国土交通省の内部資料も、住民側主張を裏付ける結果となっていました。昨年12月9日に相良村で開催された川辺川ダムを考える住民大集会でD川辺川工事事務所所長は、このように発言しました『確かに八代地区だけを見れば八代地区だけであれば、あと70億円で八代の皆様だけは、80年に1度の洪水に対して安全に暮らせるかもしれません』国も八代では、ダム不要を認めたのです。八代地区での結論です。十分な流下能力があり、川辺川ダムは要りません。」

●国土交通省D
「要するに八代地区はもう安全だからもう何もしなくてもいいから、費用対効果がゼロだというご指摘だと思いますが、今日お配りしている資料73ページをお開き下さい。これは昭和40年7月の八代地区の状況でございます。写真の左側が萩原、右側溢れております。で、このように溢れていたと、対岸の方に溢れていたという状況の中で対岸の方に溢れていたから萩原の方は水の力弱かったはずですが1ページめくっていただいて75ページでございます。75ページに対岸が先に溢れていたんで比較的水の力が弱かったであろう萩原のところですが、このように堤防がえぐれて旅館が流されてしまった。で、これはここで止まったと思いますが、これまさに一歩間違えば破堤していたというような状況でございます。」

●市民の会対論者G
「私が要は言いたいのは、八代というのは今後強化堤防を工事されます。で、八代というのは今度の強化堤防というのは、200年に1遍の洪水まで耐えうる堤防ということで工事をされようとしてるんじゃないですか。それでこれは萩原堤防の業務やっているのをちょっと紹介しますと「本業務は計画洪水以上、上回った場合でも絶対に破堤災害を許すことなく、超過洪水に対して被害を軽減する目的として球磨川下流、萩原堤防に置いてフロンティア堤防の築造を計画しており、当該地区の現況堤防流下能力、後背地現況等を留意したフロンティア堤防の概略設計を実施するとともに、被害軽減効果について検討し、今後の球磨川水系治水計画立案の基礎資料とするものである」ということで、測量調査設計実績情報サービスの方で、萩原堤防このように紹介されています。つまり非常に頑丈な強化堤防になるのに、何で20年に1遍、堤防が切れて、あんなにたくさん被害が出なきゃいけないんだと。250年間切れていない堤防が、さらに強化した堤防で強くなるのに、何故それが20年に一遍切れて、それが莫大な洪水被害が上がるとして、被害が積み上がっていくのかということをお伺いしているところなんですけど、その点について明確にお答えいただければと思います。」

●国土交通省D
「まず確認ですが先ほど対論者Gさん200年に1度でも切れないと言いましたがどこに書いてあるのでしょうか。200年に1度というのは。どこの事務所のいつの事業説明資料か、原本もしくは出典をきっちりしていただければ、もしかしたらこれ、関東地方整備局京浜工事事務所の資料じゃ困るわけで、どこの説明資料の、いつのかちょっと教えてください。」

●総合コーディネーター
平成10年度球磨川萩原堤防補強強化検討業務。これは国交省、こういう資料をご存じですか。「出版元と所在、分かりますか。」

●国土交通省D
この情報サービス、分かりませんが、いずれにしろ国土交通省の正式見解ではないものを持ってきて、私どもがそういうことを主張していると、そういうことを喧伝していると主張されても困ります。皆さんも困ると思います。国土交通省とダム反対側で議論しているんですから、よその資料でやられても困るということでございます。」

●国土交通省B
「今の資料、もう一回出していただきますか。」

●土木技術対論者E
「今申し上げているのは、国土交通省は20年に1回や5年に1回の洪水で萩原堤防が破堤するとしてですね、莫大な被害金額を想定してるわけですね。ところが強化堤防というのをやれば、そういった破堤が無くなるのではないですか。つまり、費用対効果が1.0を割るんではないか決まっている事業を何故やらないかという、そこに住民としては非常に疑義があるわけです。これをやってしまえばダムを作る根拠が無くなってしまうから、事業をやらないんではないかという疑義を持っているということです。」

●国土交通省B
萩原堤の強化対策これは実施していきます。で、堤防の強化やる為には、これは討論集会で今まで何回もご説明してきておりますが、萩原の箇所では深掘れが進んでおります。ですから下の方から深くえぐれて掘れている所がありますので、そこから立ち上げていかないと、堤防を厚くすると言っても、基礎の方でまた、がさっと落ちてしまうということもありますから、基礎の方からしっかり固めていくという工事をやります。また落ちてしまうというようなこともありますから、基礎の方からしっかり固めていくという工事をやってまいります。そこの基礎を固めている工事について、順次やっていくことにしているということでございまして、ダムをやらんがためにここの対策を怠っていると、対論者Gさんおっしゃいましたけれども、具体的に根拠のある御発言をしていただきたい。」