『巨大ダムに揺れる子守唄の村―川辺川ダムと五木の人々』出版


2001年に葦書房から刊行されて以来、大変好評だった『山が笑う 村が沈む〜ダムに揺れる五木の人々〜』(熊本日日新聞社編)が、この度加筆され文庫版として出版され、全国で手に入りやすくなりました!

文庫版のタイトルは『巨大ダムに揺れる子守唄の村〜川辺川ダムと五木の人々〜』。

新風舎文庫で462ページ、848円。
内容は『山が笑う〜』に収められていた2000年1月〜2001年4月に熊本日日新聞に掲載された「五木日記」に、2001年9月の「続・五木日記」、2002年6月から2004年11月の「五木から」となっています。紙面で用いた写真も一部掲載。

全部で300回を越えるこれらの特集は「考 川辺川」の中のもう一つの軸とも言えるもの。この間の激動の川辺川情勢を伝えながら、生活の変化という形で最も影響を受けてきた五木村の人びとの声や過去から現在に至る思いを、見つめ続けてきたシリーズ記事です。

五木の人たちが心をきしませ苦悶していた頃、ダム問題に関心を寄せる声は少なく、村の人たちに届くことはありませんでした。
川辺川ダムに全国の注目が寄せられるようになったのは、村がダムを受け入れてのち。すでにダム関連工事は随分進んでいました。

「この“時差”ともいうべき時間の流れをどう克服したらいいのか。この“時差”を克服しないことには、われわれにとってダム問題は解決しないのではないか」。(まえがきより)

熊日取材班はその“時差”を克服し、同じ地域に住む人間がともに前に進むための一つの方法として、「心のベクトルを思い切って過去に向け、五木の村人たちと一度時間を共有」する試みを始めました。

ここに描かれている五木村民、元村民の方たちの思いや人生は、記者の目を通したものであっても、改めて自分自身に問いかけられるものがあります。
多くの人にとって、直接の当事者である五木の人と話す機会はほとんどありませんが、ぜひこの本を手に取り、知ってもらえればと思います。
沈黙しているように見える五木にも、通奏低音のように、さまざまな揺れる思いがあることが実感できると思います。


『巨大ダムに揺れる子守唄の村―川辺川ダムと五木の人々』

熊本日日新聞社
新風舎文庫 462p(サイズ15cm)
新風舎(ISBN:4797495839)
2005年3月発行

<目次>
五木日記 2000年1月−2001年4月
 「山が笑う」村
 お堂で遊ぶ女の子
 I火鉢のまわりで
 IIシャクナゲ咲く里
 IIIマダラあふれる川
 IV木遣り唄響く里
 V山の力を信じて
 五木の春
 五木日記おわりに
続・五木日記 2001年9月
五木から 2002年6月−2004年11月
あとがき
文庫化にあたって
川辺川ダム計画に関連した用語
川辺川ダム計画をめぐる年表

お求めはお近くの書店、または以下のサイトなどへ 

・Amazon.co.jp http://www.amazon.co.jp/
・クロネコヤマトのブックサービス http://market.bookservice.co.jp/
・セブンイレブン セブンアンドワイ http://www.7andy.jp/books



県民の会トップページへ戻る