子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
ニュースレター第8号 平成10年(1998年)7月9日発行





●異議申し立て特集●

呼びかけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
異議申し立てフローチャート・・・・・・・・・・・3
異議申し立てQ&A集・・・・・・・・・・・・・・・ 4,5
関連新聞記事・・・・・・・・・・・・・・・・・・6,7,8
総会報告(会計報告・役員一覧)・・・・・・・・・9
総会報告(特別寄稿)・・・・・・・・・・・・・・10,11
総会報告(活動報告)・・・・・・・・・・・・・・12,13
総会報告(活動目的の確認と本年年度の活動計画)・13
利水裁判傍聴記・・・・・・・・・・・・・・・・・13
お知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
編集後記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14


 先月の総会には予想以上の方々に参加していただきましてありがとうございました。
総会でも議題となりました異議申し立てがいよいよ始動します。既に手渡す会からも
呼びかけが届いているかと思います。どちらに出されても結構です。
法律に基づいて国民の権利として直接、計画に対して異議を申し立てるまたとないチ
ャンスです。日頃、政策が国民の声を反映していないと感じていらっしゃる方は選挙
での一票と同様、ご自身の異議を発するいい機会ではないでしょうか。お知り合いの
方も是非お誘い下さい。
 
 異議申し立て用紙と返信用封筒を同封致しました。申し立て期限は8月10日ですが、
集約や提出の都合で、一次集約は7月24日、二次集約は7月末とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。返送先及びお問い合わせは以下までお願いいたします。

異議申し立て事務局
〒869-0222 熊本県玉名郡岱明町野口927番地 土森武友
電話FAX:0968-72-5604(電話は夜間のみ)e-mail:NYC17883@biglobe.ne.jp


●●あなたも川辺川ダム基本計画変更に「異議申し立て」しませんか?

 ご存じの通り、建設省は川辺川ダムの基本計画について(1)総事業費を2650億円
と2.3倍増、(2)工期を2008年までに8年延長、(3)かんがい対象面積を約20%縮
小するが、水田の割合を増やすため利水容量は変更しない、という三点について計画
変更を行い、6月9日に告示しました。
 この計画変更は1月28日東京で行われた川辺川ダム問題ヒアリングで、ダム事業
計画の総事業費等について私たち市民の追及にあった建設省が、苦しまぎれに放って
きたものです。
 私たちは、この計画変更についても、川辺川の自然を破壊し、農民を困らせ、流域
市民の生命財産を脅かすダム計画について、これ以上税金の無駄使いは許せないとい
う立場から反対して来ました。残念ながら計画変更については熊本県議会の承認を得
た熊本県知事の同意の意見が出され、今回の告示に至りました。
 しかし、この計画変更について私たちは、ある法律にしたがって建設省に対して意
見を言うことができます。それが「異議申し立て」という方法なのです。これは、行
政不服審査法という法律に定められた手続きです。
 この法律の趣旨は「行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為
に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡
易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保
することを目的とする」です。国民全員に違法で不当な行政の処分・行為に異議を唱
える権利が保障されているのです。
 私たちは、今回の計画変更というよりも、そもそも川辺川ダム事業計画が「違法か
つ不当な処分・行為」だと思います。なぜなら、建設省は住民の意見を聞こうとしな
いし、法に基づかないダム審の答申を事業推進の根拠としており、環境アセスメント
すら行っていないからです。また詐欺まがいの同意書集めの実態が進行中の利水裁判
でも明らかにされています。ですから「異議申し立て」という手段で建設省にどんど
ん異議を唱えたいと思います。
 それでは、「異議申し立て」はどのように行うのでしょうか?また。「異議申し立
て」すれば、ダム計画は止まるのでしょうか? まず「異議申し立て」の方法ですが、
具体的な方法は後に譲りますが、簡単に言うと異議申し立て書を作成し、それに署名
捺印して、建設大臣に提出するだけです。希望する人は口頭陳述といって、あとで建
設省に対して自分の異議について述べることが出来ます。
 もし「異議申し立て」が建設大臣に認められたら計画変更は無効となりこのダム計
画は中止に追い込まれるでしょう。また、仮に「異議申し立て」が認められなくても、
口頭陳述で自分の異議申し立て理由やこのダム問題に関する意見を公式の場で建設省
の役人に聞かせることによって、建設省に大きな負担をかけることが出来ます。
 なぜなら、建設省は口頭陳述のためにそこに出向いて、口頭陳述を記録し、本人に
確認を取らなければならないからです。大変な労力がかかります。単なる署名とは訳
が違うということをお分かりいただけたでしょうか。
 もちろん、私たちはこの機会を利用し、多くの人に川辺川ダム問題を訴えて、異議
申し立て人になってもらおうと思っています。また、マスコミにも日本初のダム事業
での異議申し立てということを、大きくアピールしたいと思います。
 こういう形でダム反対の世論を形成していけば、いつの日か目的のなくなったダム
建設を建設省にあきらめさせる時が来るでしょう。
 人吉から熊本から福岡から東京から、日本全国津々浦々から、この機会を逃さず川
辺川ダム計画変更に「異議あり!」という声を巻き起こしていきましょう。

●●異議申し立てフローチャート

 http://www.aminet.or.jp/~kawamoto/kawabe/Flow01.gif

●●異議申し立てQ&A集

(1)異議申し立てをするのにお金を払う必要があるのですか?

 → お金は全くかかりません。

(2)納税者じゃないと異議申立てできないのですか?

 → 日本国民なら誰でも異議申し立てできます。小中学生でも大丈夫です。

(3)日本国籍を持っていないと異議申立てできないのですか?

 → 外国籍の人はおそらく無理でしょう。

(4)異議申立てをすることで、建設省から直接問い合わせがあるようなことはあり
ますか?

 → おそらくないと思いますが、問合せがあったら、その場では即答せずに事務局
に連絡してください。対応の方法をお知らせします。

(5)異議を申し立てた後、何かしなければいけないことってあるんですか?

 → 口頭陳述といって、建設省を呼んで直接口頭で、自分の異議についてしゃべる
ことができます。

(6)口頭陳述することが決まったら必ず出て行かなければいけないのですか?

 → 口頭陳述は異議申し立て人が求めるもので、決まったら誘いあって行きましょ
う。その時、どうしても都合がつかない人は次回を要求すればよいのです。

(7)他の人と同じ事しかしゃべれませんが、それでもいいですか?

 → かまいません。ご自分の気持ちを率直に述べてください。

(8)ダム問題についてあまり詳しくないのですが、口頭陳述できますか?

 → 口頭陳述はあくまで義務ではなく権利です。またダム問題に詳しくなくても口
頭陳述できますし、裁判のように相手方が反論してくることもありません。自分のい
いたいことを堂々と述べる機会とお考え頂いて結構です。

(9)後の裁判なんて考えずに、とにかく一言今言っておきたいのだけれど、それで
構わないのですか?

 → 全く構いません。後の裁判のことは何も決まっていません。

(10)異議申し立てを後で取り消すことはできますか?

 → 原則的に取り消すことは出来ますが、代理人に取り消しを含めて委任した場合
は、代理人の同意が必要でしょう。

(11)○○○事業に反対なんだけど、そのこととからめて異議書いてもいいんですか?

 → もちろん、何をからめても構いません。

(12)異議申し立てが認められたらダムは止まるんですか?

 → 認められたらダムは止まるでしょう。

(13)異議申し立てが却下されたら、それまでですか?

 → 却下または棄却されたら、その決定を取り消せという訴訟を三ヶ月以内に裁判
所に申し立てることができます。裁判をおこさなければ、却下を認めたことになるの
で、この件についてはそれまでということになりますが、異議申し立ての仲間集めの
段階で、日本全国に横のつながりができるでしょう。

●関連記事:新聞記事等(3ページ)

●第2回総会報告●

 第2回総会を6月7日(日曜日)熊本市産業文化会館第6会議室に開催しました。
約50名の方にご参加頂き、記念講演として日本自然保護協会の横山隆一氏に「川辺川
を守る戦略と戦術」と題して講演を頂きました。また来賓として川辺川利水訴訟を支
援する会の上野代表委員、天草の自然を護る会の松本基督氏、清流球磨川・川辺川を
未来に手渡す流域郡市民の会の緒方紀郎氏よりご挨拶頂きました。みなさんありがと
うございました。

●●会計報告及び予算

◆一般会計報告(円) (自 平成9年4月1日〜 
【収入の部】 至 平成10年3月31日)会計責任  川部岬 
科目 決算額 備  考
会費収入 548000 個人239口+団体14口
カンパ収入 484154 
グッズ売上 132620 
シンポ・講演会収入 28758 
前期繰越金 452424 
収入合計 1645956 
【支出の部】 
事務費 227855 文具代・コピー代・印刷代他
通信費 573602 切手・はがき・電話・FAX代

雑費 80472 団体加盟費・謝金
グッズ仕入 102360 
資料代 31000 他団体より資料購入
交通費 254440 9,11,1,3月上京費用
次期繰越金 376227 
支出合計 1645956 

◆H10年度予算案(円) 
【収入の部】 
科目 予算額 備  考
会費収入 600000 個人265口+団体14口
カンパ収入 400000 
グッズ売上 100000 

前期繰越金 376227 
収入合計 1476227 
【支出の部】 
事務費 230000 
通信費 600000 
雑費 100000 
グッズ仕入 100000 
交通費 200000 

次期繰越金 246227 
支出合計 1476227 

●役員一覧 

顧問

 松本幡郎 鷲見一夫

代表

 國徳恭代

副代表

 中島康 つる詳子

運営委員

 角田高美 緒方紀郎
 宮崎公一 原豊典
 瀧本要  梅山究
 原育美  大久保敏朗 
 吉本精樹

会計

 西田陽子

事務局

 川本正道 土森武友
 矢次智浩 川部岬
 大畑靖夫 稲津英弘
 内山武明 宮本貴代  
 木本雅巳 尾方久生

●●特別寄稿 川辺川ダム反対運動に学ぶ

 五木の子守唄を知らない人は私の世代ではいないと思います。その五木の子守唄が
熊本県の五木村の地歌であることを知っている人は少ないことでしょう。川辺川ダム
問題を知るまでは、私もその一人でした。
 もう何年前になるのかは忘れましたが、その五木村を初めて訪ねたとき、「何と美
しい川なのか」という感激と、「何と悲惨な村なのか」という悲壮感が同時に私の脳
裏に焼き付きました。
 日本が国策として森林経営を放棄した結果の過疎化。過疎化に突け込んだ川辺川ダ
ム計画。川辺川・球磨川流域住民から完全に見捨てられている五木村。数多くあるダ
ム予定地自治体が、廃村を阻止するために止む無くダム受入を表明せざるをえなくな
るまで追い込まれていますが、この五木村もその典型です。
 川辺川ダム計画が多くの人に問題として意識され始めたのは、五木村の孤立した反
対運動が挫折してからのこと。人吉を中心とした方々が立ち上がったのは、「五木村
を守ろう」というよりは、「清流川辺川を守ろう」という意識がその始まりだと、私
には思えました。

 下流住民たちの都合で川辺川ダムは計画され、今度もまた、下流住民たちの都合で
「ダム反対」。五木村住民はこのダム計画の中で、いつでも踏んだり蹴ったりの仕打
ちを受けているのは紛れもない事実です。五木村住民との連帯を絶対に無視してはな
らないと私は思っています。

 私は人吉周辺の方々に連れられて、西村村長との話合に同席する機会がありました。
西村村長とは計2回、村会議長とは1回だけ直接話ができました。西村村長は、「ダ
ムの底に沈むことなど誰一人として望んではいない。もはやこの村はダムによる振興
策に頼るしかない。それ以上の金を君たちは持ってこれるかい。」と言われたことが
あります。村長に「それを大きい声で言って下さいよ」と頼んだとき、「それができ
れば苦労はないよ」との答えが返ってきました。これらの話し合いで私が確信したこ
とは、「村長も議長も本心は、ダムなんか欲しがっていない。ダムに絡んだ金だけを
目当てにしている」ということです。この確信は今も変わりません。ですから私は、
「五木村振興策を保証することが川辺川ダム阻止」であると本気で思っています。

 建設省が「ダム等事業再評価システムの試行」として「川辺川ダム事業審議委員会」
を発足させてから、球磨川流域の住民運動が活発になったと私は認識しています。問
題だらけの欺瞞的見直し装置である「審議委員会」で唯一評価できることは、これま
で遥か遠くにあった問題をきわめて身近な問題として県民に提示したことです。川辺
川ダムや徳山ダムは地元の反対運動が消滅させられた状況にもかかわらず、流域住民
がダム問題の本質を提起しながら新たな運動を構築しています。吉野川第十堰も徳島
県民全体の問題にしよう、という運動が展開されています。足羽川ダムでは美山町長・
議長の努力で「現計画は犠牲が多く不適当」という文言を答申に書き入れることに成
功しました。苫田ダムでは答申以後も中国地建と連続シンポジウムを開いて、苫田ダ
ム問題の検証をおこなっています。

 川辺川ダムの場合は、幸か不幸か審議委員会答申が手続き的にも科学的にも間違い
だらけの答申を出しました。県民の会をはじめとした熊本の皆さんは、この答申にめ
げるどころか、霞ヶ関バトルで政府を追いつめ、大蔵省から、「審議委員会答申が、
予算を貼り付けた重要な根拠である」という言質を採りました。第2ラウンドでここ
までとれたことは大きな成果だと思います。あとは、審議委員会答申の骨子を一つ一
つ突き崩すせば、自動的に予算貼り付けはできなくなるわけです。
 
 その一つは、利水裁判でこれまでの農水省のやりざまを明らかにし、利水面での川
辺川ダムの根拠を完全に否定することでしょう。
 その二つは、基本高水流量が過大であることを証明することです。これは簡単にで
きることですが、建設省はそうは簡単にはこちら側の主張を認めないでしょう。建設
省の算出方法の不合理性を徹底的に明らかにするためのデータ収集と解析が必要だと
思います。
 その三つは、いわゆるダム神話を事実を以って崩すことです。市房ダムの過大放流
が洪水の原因であったことの証明、とてつもなく大きな余水吐きが使われたときの危
険性の追求、地質上の問題の解明、などはダムがむしろ被害甚大な洪水を引き起こす
ものであることを多くの人に知らせる最適な材料です。
 その四つは、川辺川ダムによって清流川辺川は過去のものになってしまうことの予
測が必要だと思います。

 さて、これらの裁判や論争を挑んで全てに勝ったとしましょう。いや、必ず勝つで
しょう。でも、ダム計画白紙撤回にはそうは簡単には繋がりません。その前にダム本
体工事が完成してしまっている可能性すらあると思います。ではどうすればよいのか?
私はこう思います。

 一つでもよいから、流域の地方自治体(五木村・相良村を含む)が「川辺川ダム反
対」を表明すれば、ダム計画は頓挫するでしょう。「私たちが裁判や論争に勝つとい
うことは、その過程の中で、最低限一つの流域自治体が『ダム反対』を言える状況を
造るということである」、これをしっかりと意識しておきたいと思います。同時に、
ダム抜きの振興策を五木村村民とともに確立したいものですね。

 県民の会をはじめ、熊本県の皆さんはうらやましいほど人材が豊富で、そのうえ、
ものすごく良いチームワーク。これからも水源連の全国の仲間たちに、こういうやり
方もあるんだぞ、という手本をどしどし提示して頂きたいと思います。

1998年5月25日
遠藤保男(水源連事務局担当)

●●活動記録

5月
1997/5/25 第1回総会&第2回県民の会シンポジウム「巨大なムダ川辺川ダムは誰の
ため」(熊本市)開催 
1997/3月  〜6月 利水裁判補助参加委任状集めに参加 1997/5/31 諌早湾干潟救
済行動に参加

6月
1997/6/12 仮排水路トンネル工事などに関する資料開示の再請求を川辺川工事事務
所に対して行う
1997/6/20 代表が川辺川工事事務所を訪問
1997/6/20 第2回県民の会シンポジウム決議文を建設省や熊本県に送付
1997/6/21 シンポジウム「ダムはもういらない-ODAと国内公共事業」(東京)に参
加

7月

1997/7/3 第2回勉強会 熊本工業大学教授・中島重旗氏のお話
1997/7/5 シンポジウム「九州の自然を壊す公共事業」(福岡市)に参加
1997/7/12-13 天草環境会議に参加
1997/7/19 白鳥山、川辺川源流行開催
1997/7/20 シンポジウム「諌早のギロチンが川辺川を狙っている!〜ムダな公共事
業と環境破壊を問う」(人吉市)に参加
1997/7/22 民主党の川辺川ダム問題現地調査団の意見聴取に参加
1997/7/29 第3回勉強会 ビデオ上映と天草の自然を護る会・松本基督氏のお話

8月
1997/8/10 シンポジウム「ダム審答申1周年」(人吉市)に参加
1997/8/24 九州DEVANDA生命の祭りIN阿蘇に参加
1997/8/26 建設省、全国の中小ダムの見直し発表
1997/8/27 建設省、農水省、環境庁、大蔵省に要請行動
1997/8/30-31 川辺川現地調査会開催

9月
1997/9/3 利水裁判第4回公判傍聴
1997/9/9 第5回勉強会 球磨川漁協・塚本昭司氏のお話
1997/9/13-15 長良川DAYに参加


10月
1997/10/2 九州農政局と交渉
1997/10/4 建設省「川辺川ダム事業説明会」開催(人吉市)
1997/10/5 建設省「川辺川ダム事業説明会」開催(八代市)
1997/10/14 第6回勉強会 スライド上映、五木村議・田中雄士氏のお話
1997/10/19 球磨川・川辺川の鮎を食べよう会(人吉市)に参加

11月
1997/11/8-9 水源連総会(神奈川県津久井郡)に参加
1997/11/11 第7回勉強会 脊梁の原生林を守る連絡協議会・中村益行氏のお話
1997/11/15-17 「森と自然を守る全国集会」(熊本市・人吉市)に参加
1997/11/30 新潟大学教授・鷲見一夫氏講演会「日本の矛盾−−世界の中の川辺川ダ
ム」(熊本市)開催
1997/11月
〜1998/3月 利水裁判調査票集めに参加

12月
1997/12/3 利水裁判第5回公判傍聴
1997/12/9 第8回勉強会 ビデオ上映
1997/12/22 忘年会

1月
1998/1/20 第9回勉強会 球磨川漁協・吉村勝徳氏のお話
1998/1/28 第1回川辺川ダム問題ヒアリング(霞ヶ関バトル第1ラウンド)に参加
1998/1/28 子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る東京の会発足
1998/1/30 建設省、川辺川ダム基本計画変更に伴う県知事意見の提出を求める

2月
1998/2/10-11 矢田ダム(大分県大野郡大野町)見学ツアーに参加
1998/2/17 第9回勉強会 上京報告、ビデオ上映
1998/2/28 川辺川ダムの基本計画変更が新聞報道される

3月
1998/3/4 利水裁判第6回公判傍聴
1998/3/13 川辺川ダム基本計画変更についての県知事意見案に対する請願を熊本県
議会に提出
1998/3/14 国際ダム反対行動デー賛同イベント「川辺川を食べよう!」開催
1998/3/17 第10回勉強会 理学博士(熊本大学・元教授) 松本幡郎氏のお話
1998/3/24 川辺川ダム基本計画変更についての県知事意見案、熊本県議会で可決承
認
1998/3/26 第2回川辺川ダム問題ヒアリング(霞ヶ関バトル第2ラウンド)に参加
1998/3/28 ダニエル・ビアード講演会(福岡市)に参加

4月
1998/4/9 川辺川工事事務所、ダム本体の着工時期を99年度後半と発表
1998/4/12 第2回白鳥山、川辺川源流行開催
1998/4/14 第11回勉強会 理学博士(熊本大学・元教授) 松本幡郎氏のお話
1998/4/19-26 アースウィークくまもと'98(熊本市)でパネル展示と国会請願署名
集め

5月
1998/5/2-3 リバーミーティングwithうんばば中尾(人吉市)に参加
1998/5/12 第12回勉強会 理学博士(熊本大学・元教授) 松本幡郎氏のお話

6月
1998/6/7 第2回総会&日本自然保護協会・横山隆一氏講演会(熊本市)開催

●●会の目的の確認と本年度の活動計画

【会の目的の確認】

●  川辺川ダム事業計画の根底からの見直しを、関係諸機関に要請する。
●  清流・川辺川の価値を県民および国民に広く知ってもらう。


【本年度の活動計画】

●  第3回川辺川ダム問題ヒアリング
(公共事業チェックを実現する議員の会主催)の現地開催要請
●  川辺川ダム事業基本計画変更に対する行政不服審査法による異議申立て(告示は
6月9日。告示後60日間は異議申立てが可能です。)
●  利水裁判支援の継続●  全国へ川辺川を守る活動を広げる●  国会請願の継続●
  ニュースレター年4回発行●  月例勉強会の継続●  シンポジウムの開催
●その他             

(第2回総会報告以上)

●●川辺川利水裁判傍聴記 

 「本日、川辺川土地改良事業の根拠が音をたてて崩れました」国宗弁護士の感慨深
い意見陳述が法廷に響き渡ると、傍聴に駆けつけた多くの人が目を潤ませました。
  現地に何十回と足を運び、原告も、弁護士も、支援団体も一体となって進めてきた、
同意調書の聞取り調査が、やっと実を結んだのです。国がダム建設の理由にしている
「川辺川土地改良事業」計画そのものの根拠が破綻したのです。
 国は、ズサンな「同意書」を故意に作成しました。署名した時、既に死亡していた
人も新たに7名見つかりました。聞取り調査では「同意した」とする人のうち実に9
割近くは同意してないことが判明しました。本日までの調査は全同意者数の30数%
までしか進んでないにもかかわらず、用排水事業と区画整理事業で土地改良事業遂行
に必要な2/3を完全に割り込んだのです。残る農地造成事業についても、聞取り調査
が進むにつれ、すぐに2/3を割り込むことは明白です。
 今後の活動としては、農民ひとりひとりについて同意書の有効無効を確かめる、証
拠調べを裁判官にやってもらうことだと、弁護団長の板井弁護士は話されました。
 現地に裁判官に行ってもらい、農民の実状を知って、ダムの水が本当に必要なのか、
否か、なぜ農民は騙されたのか、そして農業経営の展望も一緒になって考
える、そんな世論を作り上げることが大事だと思いました。
 原告弁護団が裁判所に提出した、前回3/4提出分と合わせた認否状況は以下の通り
です。

事業の種類    提出数 不成立及び錯誤  同意率1  同意率2
用排水(3941)   1127       1062         57%     5.7%
区画整理(1466)  417        392         61%     5.9%
農地造成(883)   255        230         69%     9.8%

※同意率1は全3条資格者()に占める現在までの同意率です。この数値が三分の二=66.
6%を割り込めば良いわけです。上記データは全て、国が「同意」しているとみなして
いる農家だけを対象としています。元から同意してない人は含みません。

※同意率2は聞取り調査実施数に対する同意率です。
同意書が有効とされるもの÷聞取り調査実施数

1998.6.19 16:50  大畑 靖夫

●●お知らせ

●7月の勉強会
日時;7月14日(火)19:00〜 
場所:国際交流会館
講師:松本幡郎先生
連続勉強会『川辺川の地質』第5回
 ご好評の松本教室。いよいよ最終回となりました。毎回、時間切れで質疑応答の時
間が満足にとれませんでしたので、今回は、たっぷりみなさんの質問に松本先生から
答えて頂く時間を設けました。ご参加お待ちします。

●福岡の会勉強会
日時:7月26日(日)15:00〜17:40
場所:中央区大名2-6-46福岡市立青年センター502号
タイトル:
公共事業のムダをなくそう勉強会
 (日本初・ダム事業異議申し立てについて)
会費:無料
主催:川辺川を守る・福岡の会(仮称)
後援:環境共育を考える会
内容:
 公共事業のムダは、国民の税金を浪費し、豊かな自然環境をも破壊することが指摘
され続けています。このような中で、熊本県南部、「五木の子守歌」で有名な五木村
を流れる清流・川辺川に建設が計画されている川辺川ダム建設を止めるために「異議
申し立て」と言う現行の法律に基づいた手続きで、公共事業を止める活動について学
びます。
お問い合わせ・連絡先
040-987-8583 上野 もしくは 092-623-1765 松原

●8月の定例会
日時:8月4日(火)19:00〜21:00
場所:秋津レークタウンクリニック

●8月の勉強会(予定)
日時:8月11日(火)19:00〜21:00
場所:国際交流会館

●第2回川辺川現地調査会
日時:8月22日(土曜日)〜23日(日曜日)
日程:
8月22日(土曜日)
11:30 参加者受付(柳瀬農業構造改善センター)
13:00 開会、日程説明
13:30 現地調査出発
 Aコース:川辺川・五木村・ダムサイト等
 Bコース:市房ダムと球磨川流域等
18:00 劇団吉四六(きっちょむ)劇団公演
19:00 川岸大交流会 21:00 宿舎へご案内
8月23日(日曜日)
9:00 JAくま人吉藍田支所(人吉市西間下町)
パネルディスカッション「ときのアセス・川辺川」
問い合わせ先:
川辺川現地調査実行委員会
熊本県球磨郡相良村柳瀬94-3
TEL/FAX.0966-24-4844

●●編集後記

 お中元に徳島県木頭村(きとうそん)のおからケーキはいかがですか?「ダムに勝
った村」によるダムに頼らない村作りの実践です。たまたま宣伝を見かけましたので
ご紹介します。五木村の物産もご紹介できればと思います。

「(株)きとうむら」の大豆(おから)ケーキ
プレーン ゆず ココア スギナ、モロヘイヤ味など詰め合わせケーキ(直径144mm
 300g 丸型) 
関西、中国、九州の場合   関東、信越に送付の場合
2個 \3,300           ¥3,400
4個 \4,700            \4,800
6個 \6,200            \6,400
*ご注文の要領:「ケーキの個数や地域によって価格が違うので、電話等で問い合わ
せをして正確な代金をお確かめください。ご進物の場合、振込で先払いしてからお申
し込みください。ご自宅で食される場合は代金引替で届けてもらえます。以上は目安
です。」とのことです。

ご注文   電話08846-8-2212 FAX:08848-8-2277
     〒771-6402 徳島県那賀群木頭村出原
      (株)きとうむら
お届け方法 くろねこクール宅急便
お支払方法 ○銀行・郵便振込で
       阿波銀行平谷支店 普通1001371
       那賀西部農協木頭支所 普通6220242
       郵便振替 01610-0-41291
      ○ご自宅の場合、代金引替

 さていよいよ、計画変更に対する異議申し立てです。例によってばたばたと作った
ご案内ですが、一人でも多くの方の「異議」を届けたいものです。
 梅雨が明けて暑さもいよいよ本番。ビールの飲み過ぎに注意しましょう。(川)