子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
ニュースレター第6号 平成9年(1997年)10月13日発行




読書の秋。秋の夜長に今月もテンコ盛りの県民の会ニュースレターをどうぞ…
(今月の工夫。読みたい所を探せる目次を付けてみました。)

1)特集・長良DAY97・・・・・・・・・・・2
	毎年9月の連休の恒例行事となった長良川河口関における長良デイ。
	今年は会から合計5名が参加してきました。このイベントでは全国各地
	のダム見直し活動の仲間が集います。前後して電子会議室でやりとりさ
	れた内容から、川辺川ダム見直し活動と全国の運動がつながっている様
	子をご紹介します。

2)こんなことやりました・・・・・・・・・・・6
	a)九州農政局との対話の報告
	b)省庁回り以降の状況報告
	c)川辺川ダム事業説明会参加報告
	d)鶴田公園保存運動より寄稿

3)スクラップブック・・・・・・・・・・・・11
	新聞と雑誌から注目すべき記事を切り抜きました。

4)10月〜12月のイベント案内・・・・・・20
	今月のご紹介は14件の催し物。ぜひお出かけ下さい。

5)その他・・・・・・・・・・・・・・・・・24



○● 特集 ●○
長良川DAY97

 9月13日から15日にかけて、三重県長島町で行われた「長良川DAY97
」に県民の会も参加してきました。13日は「日本の山河と公共事業」と題した
シンポジウムで長良川河口堰や諫早干潟干拓、中海干拓問題(島根県)など各地
の公共事業が取り上げられ、日本の突出した公共事業費や財政投融資のあり方な
どに批判の声が続出しました。14日にはシンポジウム「世界水資源会議」が開
かれ、世界銀行のロバート・グッドランド環境特別顧問は、ダム建設への住民反
対運動の盛り上がりから透明性と公開性が重要になっている世界の潮流を指摘。
また、国際河川ネットワークのパトリック・マッカリー氏は「官僚・政治家・企
業の鉄のトライアングルがダム開発で大きな利益を生んでいる」と指摘。タイの
環境回復地域連合のウィトゥーン・パームポンサチャルン代表は日本の公共事業
とODAが同じ構造であることを指摘、「日本のODAをやめて欲しい」と訴え
ました。
 長良川河川敷では台風接近中にも関わらず、たくさんのテントが並び、時折た
たきつける強い雨の中で夜が更けるまで色々な催しが繰り広げられました。15
日は朝から集会の後で水陸両方からのデモが行われました。



★インターネットを使った川辺川メーリングリスト(kawabegawa2@cup.com)より長
良川DAYの様子をご紹介します。(抜粋・一部引用)
 ちなみにここでは匿名になっていますが、実際のやりとりは本名で行われてい
ます。パソコン最大のメリットは電子メールにあり。そんな気にしてくれる川辺
川メーリングリストへあなたも是非ご参加ください。(詳細は事務局へお問い合
わせ下さい)

●[kawabegawa2:763] 長良川から帰ってきたぞ <97/09/16 19:32>

 川辺川MLのみなさま、こんにちわ。(^o^)/
 13・14・15日と長良川DAYに行って来て、無事帰りました。1日目の
シンポジウムには出られませんでしたが、夜はのチゲ鍋と球磨焼酎のもとに長良
川のスタッフの方や郡上八幡の方々も私達の輪に加わって楽しいひとときが過ご
せました。(^-^) 
 また、2日目はブースの店番をする者、シンポジウムに行く者、郡上八幡に遊
びに行く者と思い思いに昼間の時間を過ごして、夜は時折強い雨がたたきつける
中での野外イベント。天野さんやC・W・ニコルさんのお話の後で山本コータロ
ーさんが雨にもめげず、歌をたくさん歌ってくれて会場は大にぎわいになりまし
た。その後では夜通しで踊られるという郡上踊り、川辺川からも数名一緒に踊っ
ていて、見てるだけでも楽しかったです。来年は私も是非トライしてみたいと思
います。(^_^; 郡上踊りはとっても楽しくて元気のいい踊りです。
 14日の夜は私は12時過ぎには寝てしまったのですが、他のメンバーは雨の
中で3時、4時まで焼酎を飲みながら語り合って(?!)いたようです。お陰で3升
持っていった焼酎では足りずに、よそから酒を調達する始末だったようです。(^_^;
 
球磨焼酎の振る舞い酒は海外ゲスト方々にも飲んでもらい、 世界銀行のグッドラ
ンド氏は「とってもおいしい!」と言って下さいました。 国会請願の署名もたく
さん集まりました。
 雨にはたたられたものの、とても楽しいイベントでした。みんな、みんなあり
がとうございました。(^^) 
 (N@熊本)


●[kawabegawa2:764] 長良川から帰ってきたぞ <97/09/16 21:29>

 長良川DAY参加の皆さんご苦労様でした。当日のデモ行進は、途中から横殴りの
雨になってきて、レインウエアじゃない人はもうどうにでもなれっていう感じで
参加していましたね。それでもがんばってデモったひとは偉い!
 Yさん案の振舞酒はばっちりでしたね。皆さんおいしいという評判で、ちゃん
と請願にも署名してくださっていました。これは来年もやりたいですね。
 Nさんのアピール、どうしてどうしてなかなかでしたよ。はるばる九州から長
良川にきて挨拶しているのが(見た目が小さな)女性で、しかも短い時間にも係
わらずちゃんと網羅して説明している、それだけでももう十分なアピールですよ
。最終日の雨の中でも赤い合羽姿のNさんもとても立派でしたよ。

【反省モード】
 今年も長良川のパネラーでCWニコルさんがきて、この国の官僚や国のシステム
の批判をしていました。いつもと同じような内容だと思いながらも、自分でちょ
っとだけマンネリになっているのに気づきました。この国のとってもひどい状態
にどっぷり浸かった自分が感覚的に麻痺してしまっている。ニコルさんの話はそ
んな自分を気づかせてくれる話でした。黙ってちゃダメですよね。
 来年の長良川もがんばりましょう。
      (Wさん@横浜)


●[kawabegawa2:771] 長良川から帰ってきたぞ   <97/09/17 22:11>

 松本のTです。長良川ではカヌーデモ部隊でした。
 雨の中、いろいろ考えさせられることの多い長良川DAYでした。台風のせい
もあるけど、昨年とくらべると盛り上りに欠けたましたねえ。
 マスコミ報道で多くとりあげられ世論は公共事業に対して否定的になってきま
したが、それに安心したのか、はたまた飽きちゃったのか? 
 たしかに全国9つを超えるダムなどの建設計画は見直されましたが、 内閣は自
民党のおごりともいえる構成で、派閥が復活さえしているという状況。しかも、
川辺川ダムや相模川河口堰、徳山ダムも崖っぷちにかわりなく、いま、まさに危
機的状況の中にいる、のにです。
 人々が慣れていこうとしている。
 関心をなくそうとしているのかも?(考えすぎだったらごめんなさい)
 熱し易くて醒めやすいという国民性が日本には顕著ですが、それが河川をとり
まく状況にもあてはるのかもしれません。

  人間は行きたいと思えば、かなり無理をしても参加しようとします。 やっぱ、
そこには喜びや楽しみあると思えるからです。
 日本の山河や経済、未来の姿を憂いてなんとかしようとする人々には使命感が
ある。大好きな川を守ろうという熱意が、動機がある。
いっぱい遊んだ川だからとか、そこで知人に会えるとかもあるしね。 あの冷た
い雨にふるえながら、立っていた人たちの中にある建設省や官僚たちにへの怒り
も大きな動機ですね。

 しかし、それを持たない人たちは、やっては来ない。マンネリと感じてしまう。
行ってもなにも変らない!無駄じゃないかというあきらめ感。逆にこっちが声を
大きくすればするほど、敬遠してしまう。

 学生や自分の生きかたを模索している若者たち何人かが参加してくれていて嬉
しかったけど、大多数の無関心層や裏切られつづけても、尚、自民党を支持しつ
づける小羊のように従順な大多数の人々をとりこむのには、このままでは、時間
がかかりすぎる!人はなかなか変らないし変れないからね。その内ひとりひとり
が変るのをまっていては、(それが一番近道で正しいとしても)ダムが完成して
しまう。

 イベントとかなら楽しそうなものに、御祭にしちゃえばいいのだ。
 選挙も祭りパワーでもってこよう!

> 来年の長良川もがんばりましょう。
 はいな!ゲートがあがるまで!
(Tさん@長野・松本)


●[kawabegawa2:773] Re: 長良川から帰ってき  <97/09/18 05:51>

 年々、参加者が減少しているのではないかというのが、ブースでのもっぱらの
話題でした。マンネリとともに強大な権力の既成事実の前にはいかんともしがた
いという現実があると思います。
 これまでの運動の前進はもちろん大いに評価しながら、河口堰本格運用という
現時点にふさわしあらたな形態のイベント=お祭り?が求められているのでしょ
うね。その点、郡上踊りはなかなか素晴らしい取り組みの始まりであったと思い
ます。
 一般人もが気楽に参加できて、それをきっかけに問題を考えて、一歩でも行動
に移していくというマンネリでないあり方を、各地の運動でも大いに創り出して
いく必要があるのでしょう。ぜひ川辺川がその先頭になることを期待しています。
 情勢が厳しいだけに、かえって「遊び心」が重要ではないでしょうか?
(Mさん@岐阜)


●[kawabegawa2:774] Wさん、Mさん、Tさん      <97/09/18 12:13>

>> 雨の中、いろいろ考えさせられることの多い長良川DAYでした。
>>台風のせいもあるけど、昨年とくらべると盛り上りに欠けたましたねえ。
 そうかもしれない。だけどね、あそこにいた人たちは台風が来るのはわかって
いたのに来た人たちでしょ。それにあの土砂降りの雨の中でもたくさんの人がス
テージの前を離れようとしなかった。根性座ってるよ。私はそれに感動しました
。あの人達、あそこにいた人たちは全員立派なダムバスターズだと思う。みんな
に伝えることが一番大事なことなんだと思う。
 ニコルさんも「日本人はおとなしすぎる、もっと怒れ!」って言ってたでしょ
。怒りっぱなしじゃ精神衛生上よくないから、みんなに怒りを伝えていこうよ。
できる範囲で。
(N@熊本)


●[kawabegawa2:781] Re::774 歓迎、ありがと  <97/09/19 00:50>

> あの人達、あそこにいた人たちは全員立派なダムバスターズだと思う。
 そうですね。雨中のデモ行進とカヌー行進は(我ながら)なかなかのものでし
た。私の中学の時の同級生が来ていたのにも驚きましたが(夜の話では雨でカヌ
ーは見合わせて、デモ行進に参加するということでした)、関心は単純な参加人
数でははかれないでしょうね。徳山のブースにいると、地元の桑名の方も数人は
立ち寄られていました。参加団体の輪は広がっていたかもしれない。
(Mさん@岐阜)


●[kawabegawa2:786] 長良川DAY続報
<97/09/20 22:29>

 長良川DAYに行かれた皆さん、改めてお疲れさまです。
 パトリック(国際河川ネットワーク)や、タイのWittoonさん達は、メコン・
ウォッチと共に、16日は外務省回りをしたそうです。国際社会から見たら、「外
務省」は「海外の建設省」です。タイのTERRAのWitoonさんは「日本は公共事業
への関心が盛り上がってますね」とおっしゃってました。シンポジウムの成果で
すね。

1.参加した人数を「尺度」に盛り上がりを計る人は多いかもしれないけど、そう
じゃない人はたくさんいる。「長良川DAYは今年もやった」これが大事なことです。
これが一義的な成果です。「河口堰はできたけど、決着はついていない」。
それを訴え続けることはとても意味があると思う。世論とマスコミはあきっぽい。
でも、そんなこと関係なく、大切だと思うことを「どっしりとマイペース!」で
やればいいんです。

2.結論。イベントは、参加した人が楽しければ、それでいいんです。

3.Witoonの例もあるように、全体の底があがればいいんです。成果があったんだ
な、と東京をウロウロしただけでも感じましたよ。
(Mさん@鎌倉)


●[kawabegawa2:787] その後の長良川から <97/09/21 13:35>

 今年の長良川は、確かに昨年なんかと比べると参加人数が少なかったですね。
ただこれはお天気が悪かったからだけではなかったのでしょうか?だって、台風
がきていて、雨が降るのがわかっている河川敷にキャンプに来る酔狂な人ってそ
うはいないですよね。でもそれだけにきてくれた人達ってのは濃い人達ですよね
。逆に来れなかった人が濃くないと言うわけでもないですよね。

 海外からのゲストが非公式に話していた、アジアの自然保護運動家はどこに行
っても同じメンバーに会う、という話にしても、裏を返せば、みんなめげずにが
んばっているということですしね。

 要は気持ちを忘れないということではないでしょうか?
 私が川辺川の人達をみて、一番感心するのはそのあたりの基本的な姿勢です。

 これで、ダムが止まったら、私はこんな人達のお手伝いができたということで、
とても充実した心のまま、棺桶に入れそうな気がしています。これって、お金じ
ゃ買えませんし、売ってもいないですよね。
(Wさん@横浜)



◇矢部高校の藤山勇治さん(通称:金ちゃん)からの寄稿

(名古屋に行きたくて、メンバーの車に同乗してしまった金ちゃん。結局、いろ
いろと川辺川ブースのお手伝いをさせられた様です。)

 自分は、子供の頃に出会った川を探しています。
 しかし、10年前に見た草の屋根のある川は見つかりません。あの、生き生き
とした川の魚も、あの自由に流れていた澄んだ水も今は姿を変えています。

 草の屋根があった川は、今は硬いコンクリートで覆われ、自由だった川の流れ
も人間の決めた流れになり、澄んでいた水も川底のコンクリートで濁って見えま
す。魚たちの姿もあまり見れなくなっています。悲しいというよりも淋しい思い
です。

 長良川の河口堰もこれ以上の災害を防ぐため、といっていましたが、川の水位
より低い土地の人は、堤防を築き、輪中を築き村を守りました。石と土を使って
。自然の輪には、さほど傷を入れていないと思います。昔のままではいけないの
でしょうか。

 人は、自分たちで何もかも手を加えないといけない、と勘違いしているのでは
ないでしょうか。改めて自然の形を変えたために怒った災害も少なくないと思い
ます。
 
 自然のままでいいのです。
 無理に変えなくても。
 それが無理なら、手を加えない注意していれば。
 
 川も海も、自然のままでいいのです。改めて人間が手を加えることはないんで
す。子供たちの絵に、緑の自然の川を描かせてやりたいです。硬いコンクリート
の川を描かせたくはないです。そのうち、子供たちの絵は灰色一色になると思い
ます。
 
 自分の子供たちには、まだ生き生きとした緑と、石ころのころがる川底と、澄
んだ水の絵を描かせてやりたい。
 これ以上、自然の形を変えるのは黙ってられません。
  
 自分は、子供の頃に出会った川を探しています。



○● こんなことやりました ●○

【九州農政局との対話の報告】

 10月2日、熊本市二の丸の合同庁舎で行われた県民の会と九州農政局との対話
に参加しました。これは、8月の農水省への要請行動を受けてその時の要請事項
への回答と資料要求に対しての資料を渡してもらうために行われたものです。
 県民の会からは代表、副代表、事務局の計5名、農政局からは水利課の下舞課
長、管理課の阿部課長、事業計画管理課の是沢(これさわ)課長補佐、川辺川
農業水利事業所の飯盛所長ら計4名が出席しました。

 話し合いを始めるに当たって、農政局に対して行った申し入れに対して、継
続的な話し合いを行うことと十分な話し合いの出来る時間をとることについて
は、応じる旨の返答がありましたが、毎回の質問に対する回答は文書で行うこ
とという申し入れには口頭でしか回答しないという返事がありました。その理
由を聞きましたが、結局納得いく理由を聞くことはできませんでした。


 農水省への要請事項の回答については以下の通りでした。

 1.国営川辺川土地改良事業の来年度予算の概算要求を行わないこと→計画
は確定しているので、受益農家の理解を得ながら事業完了に向けて、業務を遂
行する。受益農家や関係自治体と協議しながら事業は推進する。予算要求も継
続して行う。

 2.現在係争中の利水裁判において原告の主張を認め、異議申し立ての棄却
決定を取り消すこと→係争中のことなので、裁判の中で明らかにしていく。

 3.川辺川ダム建設を前提とする国営川辺川土地改良事業を廃止し、農家の
声を聞き、真に農家のためになる農業振興策を講じること→本地域は農業依存
度が高い。地域振興の観点からも農業振興は不可欠。そのためには農業用水の
安定的な供給などの、条件整備、すなわち利水事業は必要。

 4.九州農政局川辺川農業水利事業所の廃止など関連措置を実施すること→来
年度以降も事業所の業務執行体制の整備に努める。
 また、省庁回りの時請求した、国営川辺川土地改良事業の経済効果の資料が
今回出されました。国営、県営、団体営合わせて総事業費592億円余りで、その
直接効果は年間計41億5千万円だそうです。

 今回の対話で出した質問事項は以下の通りです。質問2についての回答は、
ダム審に報告した時点では、提訴されたこの件について裁判での結論が出てな
いから、国としては確定したと考えたからということです。この提訴の重要性
を理解していない理由にならない理由です。
 利水裁判について、農家がこういう裁判を起こしたということ自体極めて異
例だが、そのことにはついてはどう考えているのかという質問には対しては、
提訴が行われたこと自体については、ただ残念であるというばかりで、この事
態を招来した国の責任を全く感じていない回答でした。また、判決によっては
控訴の可能性を匂わすなど、この問題の早期解決を望む農民の願いを踏みにじ
る発言もありました。

 全般的に対話に応じたものの、市民に対する積極的な情報公開をしていこう
という姿勢は伺えませんでした。農家からの申請があったからこの事業を行う、
この事業は該当地域には不可欠という国の強硬な姿勢は相変わらずでした。

 ドイツの換地政策や長野県栄村の田なおし事業のように、農家の満足が得ら
れるようにしたり、農民や住民の自主的主体的な取り組みを自治体が支援した
りして大きな効果が得られているところがあります。日本の農政はそれとは程
遠いと感じました。
(土森 武友)


☆★ 資料1:農政局に出した確認依頼への回答
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                平成9年10月1日  
  子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
  代表  國徳 恭代様

九州農政局水利課長
                  下舞 寿郎

           確認依頼に対する回答

 貴会より確認依頼のあった件について下記の通り回答します。

            記

一.「今回から継続的な話し合いを行うこと」について
 話し合いの申し入れに対しては、可能な限り応じるようにしたい。

二.「十分な話し合いの出来る時間をとること(最低1時間)」について
 話し合いの内容に応じた時間を確保するようにしたい。

 三.「毎回の質問に対する回答は文書で行うこと」について
 質問に対しては、話し合いの中で口頭で回答したい。
----------------------------------------------------------------------
以上



☆★ 資料2:農政局宛の質問書 
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                           平成9年10月2日
九州農政局局長 菱沼 毅様
     
 子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
 熊本市九品寺5丁目4-59-801
 代表  國徳 恭代   
      
第一回対話の質問事項
     
  以下のような質問事項がありますので、お答えいただきますようお願いいた
します。回答期限は次回打ち合わせまでとします(遅くとも1カ月以内)。

                記

1.国営川辺川土地改良事業(以下利水事業)の費用対効果(経済効果)の明
確な説明をしていただき、民主党に出したのと同じ資料を出していただくこと。

2. H8('96)年6月26日「国営川辺川土地改良事業変更計画に対する異議申し立
て棄却決定取消請求」の提訴が熊本地裁に対して行われましたが、同年6月30日
の第7回「川辺川ダム事業審議委員会」(以下ダム審)に出席した九州農政局川
辺川農業水利事業所長・飯盛三郎氏は、利水事業の説明の中でこの提訴の件には
触れていません。それはなぜですか。また、棄却決定の取り消し判決がありうる
にも関わらず、なぜ事業変更計画が確定したとダム審に説明したのですか。お答
えください。

3.川辺川ダムからの水のうち、特に夏場の洪水期第1期(6月11日〜9月15日)
は利水容量は22,000千立法メートルと1年の中で一番少なくなっています(建設
省の資料)。その中でかんがい用水の優先度は下流への河川の正常な機能の維持
に使用される水に次ぐものであり、水が必要とされる渇水期に本当にかんがい用
水として利用できるかどうかは建設省も保証していません。このかんがい用水で
必要とする容量はいくらですか。飯盛氏の説明では10年に一回の干ばつにも対応
しているとのことですが、その根拠は何ですか。もし、かんがい用水が大干ばつ
でダムから来ないような事態になったらどうするのですか。お答えください。

4.ダム審の中で「地下水方式は、多量の地下水が期待できないことや揚水ポン
プの 維持費が非常にかさむので、川辺川ダムに依存する方法が最適である」と
の説明を飯盛氏が行っています。この川辺川ダムから水を引く計画でも流れ込み
ではなくて揚水機やポンプアップを行うことになっており、電気代や維持費は相
当かかると見込まれます。なぜ「川辺川ダムに依存する方法が最適」なのでしょ
うか。

5.海外で行われている公共事業の数値化などは考えないのですか。
6.長野県栄村の「田なおし」事業のように、自治体主導の自主的効率的な公共
事業を国が後押し(金は出すが口は出さない)するようなことはしないのですか
。

7.農水省・農政局は国の方針として減反政策を進めていますが、かたやこのよ
うな利水事業を進めることは矛盾していませんか。相反する政策ではありません
か。
----------------------------------------------------------------------
 以上



【省庁回り以降の状況報告】

 8月の省庁回り以降の状況について報告します。9月上旬、秋葉議員を通じて、
対話に応じるよう建設省が九地建を指導する旨の連絡がありました。また、農水
省からも9月上旬、本省構造改善局から代表の國徳に電話あり、対応窓口として
九州農政局の水利課長を担当者として紹介し、要請文に対する返答をこの課長を
通じて行う旨の連絡がありました。それ以降、九地建や農政局との対話について
どう対応していくのか事務局や運営委員で検討しました。

 特に建設省とは安易に対話すると、その内容に関わらず、対話したと言う既成
事実だけが残り、向こうの宣伝に使われる恐れがあるので慎重にしたほうがいと
言う意見が出されました。
 もし、対話するなら、その前に、定期的に対話を継続すること、時間を十分取
ることなどを確認したほうがいいという意見が出され、しばらく様子を見ること
にしました。
  9月20日過ぎに再度農政局から対話したいという連絡があり、こちらは最終的
  に10月2日に対話することになりました。
 9月19日今度は、建設省・川辺川工事事務所が急遽「球磨川流域の住民に川辺
川ダム事業の実施状況についてご説明し、事業についてのご意見をいただく為、
10月4日人吉市、5日八代市で事業説明会を実施すると通知してきました。これ
まで建設省は、住民向けの川辺川ダム説明会を、'95年7月から3回にわたり、開
催していますが、その時は住民から山のように質問が出て、それに十分には答え
ないまま、3回で打ち切ったそうです。これも対応を検討しましたが、向こうの
出方が分からないので、説明会に出て、様子を見ることにしました。
 これとは別に継続的な対話を求める確認文書を九地建、農政局あてに出しまし
た。農政局からは、継続的な対話に応じる旨の回答がきました。九地建からの回
答は、意見は10月4,5日の説明会で聞くということで、県民の会との独自の対話
は行わないということでした。

 10月2日の農政局との対話、4日5日の工事事務所による川辺川ダム説明会の詳
細な報告は別頁にありますので、そちらを参考にして下さい。2日の農政局にし
ろ、4日5日の工事事務所の説明会にしろ、いずれも私たちの知りたいことや聞き
たいことにまともに答えておらず、逆に自分達の事業だけは進めるというもので
あり、とても満足できるものではありませんでした。
 これで、8月以降の行政側との交渉はこれで一段落ついたことになります。
今後どうするか改めて考えないといけません。もちろん、これからも粘り強く行
政との対話を進めていき、ダム事業や利水事業の抱える矛盾や問題点を明らかに
していきたいと思います。
(土森武友)


【川辺川ダム事業説明会参加報告】

 建設省が、急遽、川辺川ダム事業に関する説明会を人吉と八代で開催するとい
うことで、参加して説明を聞いて来ました。200ページに及ぶ分厚い資料も配布
されました。今後も自由参加で公開を原則とした説明会を開いて行きたい(金尾
所長)という事です。注目したいと思います。建設省の案内文につづいて、参加
者の感想を川辺川メーリングリストより抜粋しました。


☆★ 資料3:九州地方建設局より届いた文書
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                        平成9年9月24日
子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
代表 國徳 恭代 様
             建設省九州地方建設局
             川辺川工事事務所
             所長 金尾 健司

  川辺川ダム事業説明会の開催について(ご案内)

 球磨川流域住民の皆様方に川辺川ダム事業の実施状況等についてご説明し、
事業についてのご意見をいただくため、別紙の通り事業説明会を開催いたしま
すので、ご案内申し上げます。


『川辺川ダム事業説明会』の開催について
                          平成9年9月19日
              建設省九州地方建設局
              川辺川工事事務所

 球磨川流域住民の皆様方に川辺川ダム事業の実施状況等についてご説明し、
事業についてのご意見をいただくため、下記により2回にわたり事業説明会を
開催いたしますので、ご案内申し上げます。

                 記

(第一回)
 日 時 :平成9年10月4日(土)13:00〜16:00
 場 所 :人吉市カルチャーパレス 小ホール
      住所 人吉市下城本町1578-1
        (電話 0966-24-3311)
 説明内容:(1) 事業の実施状況
      (2) ご意見、ご質問

(第二回)
 日 時 :平成9年10月5日(日)13:00〜16:00
 場 所 :八代市厚生会館本館ホール
      住所 八代市松江城町1-47
        (電話 0965-32-3196)
 説明内容:(1) 事業の実施状況
      (2) ご意見、ご質問

当日は受付にて資料を配布いたします。入場は無料。

        (問い合わせ先)
         九州地方建設局川辺川工事事務所(TEL:0966-23-3174)
         調査設計課長  森川 幹夫

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●(報告 人吉編)

 10月4日(土)に、人吉で行われたダム説明会に参加しました。内容は、
2年前の説明会と比べ、格段に進歩していた。

 2年前は、光成氏(当時調査設計課長)が、願成寺温泉の風呂桶の写真で、
ダム治水を説明するなど、全くばかげた説明だったのが、今回は、論点がこち
らの言っていることに反論するような形で説明されました。すなわち、これま
で、ダムシンなどを通して私たちが取り組んできたことが、向こうをこちらの
土俵に引きづり出した、とも言えるのではないでしょうか。

 ということは、今後は治水に関するデータの公開を迫っていき、「毎秒70
00トン」というピーク流量が過大であることがきちんと証明されたなら、ダ
ム建設の目的は全て否定できるわけです。資料も随分改定されているので、今
後、十分検討せねばなりません。
(余計にもらってきたので、いる人はご連絡を!)

 以下、説明会のダイジェストを人吉新聞に投書しましたので、読まれてくだ
さい。

(以下、投書)
●川辺川ダム計画に対する疑問は募る

 建設省は先日、2年ぶりに「川辺川ダム事業説明会」を開催した。地域住民
の理解を得るために開いたとのことだが、説明会に参加して、川辺川ダム計画
に対する疑問はますます大きくなった。
 川辺川ダム建設の「4つの目的」とされるもののうち、『発電』はダム建設
により水没する、現在稼働している発電所の発電量を補うに過ぎず、『流水の
正常な機能の維持』はダムのない状態が正常な川であることは明白であり、
『かんがい』も、恩恵を受けるはずの4000人の農家のうち2000人以上
が裁判所に異議を訴え、実施不能の状態に追い込まれており、3つの目的は完
全になくなったと言っても過言ではあるまい。

 残る論点は『洪水調節』だけであり、説明会もそれを中心に説明が行われた。
川辺川ダムは、80年に1度の確率で起こる洪水、すなわち人吉地点で毎秒7
000トンのピーク流量を想定して造られるという。ところが、きちんとした
データのある昭和29年以降、最高の流量は昭和57年の5700トン。昭和
40年の大水害でさえ5000トンである。それ以降、河川改修や幼樹林の成
長で洪水の起きる要因は減少しているはずである。にもかかわらず、起こるか
どうかも分からない巨大な洪水を想定し、巨大なダムを造る必要はあるのか、
質問している途中で時間切れとなった。

 また、ダム以外の5つの代替案(河川改修や遊水地、放水路など)を示し、
「いずれの案よりもダム建設が最もよい」と説明していたが、5つの代替案の
組み合わせが、「遊水地と放水路の組み合わせ」しか検討されていないのであ
る。5つの案から2つを組み合わせても10通りあり、それらを有機的に組み
合わせれば無数の方法が考えられるはずである。「他の組み合わせ案は検討し
ないのか」と質問したが、検討はしないと明言した。結局、ダムを造ること自
体が目的になっている。アメリカなどの先進国では、住民の意見をもとに何十
もの案を絞り込んで行くという手法が採られているのだ。

 ほかに、「市房ダムとの統合管理は現時点ではできない」と明言した。
「基本的には個々のダムの操作規則に基く」と説明していたので、統合管理は
できるはずがない。
 また、川辺川ダムには毎秒5160トンも放流できる非常用放水門があり、
使用される事もあり得ることも分かった。さらに、昭和40年水害を体験され
た方は「市房ダムによって引き起こされた災害だ」と怒りを込めて述べられた。
 多くの疑問点を残したまま、ダム説明会は終わった。ダム建設に対する疑問
は募るばかりだ。
97/10/06(月) 19:40 緒方紀郎(GZQ00653)


(報告 八代編)
●八代市で開かれた初めての説明会

 10月5日(日曜日)、昨日の人吉市に続いて八代市で初めて開催された建
設省川辺川工事事務所による「川辺川ダム事業説明会」に参加してきました。
ちなみに八代市は人吉市で合流した川辺川と球磨川が山間部を経て海に流れ出
る部分に位置し人口約10万人の熊本県内で2番目に大きい市です。

 13時〜16時まで、説明1時間、質疑応答2時間の計3時間の予定でした。
 参加者は非常に少なく50人〜70人程度だったと思われます。挨拶に立っ
た八代市長(推進派)が、市内の小学校の運動会と重なり宣伝も不足していた
と話していました。壇上右手には川辺川工事事務所、八代工事事務所、九州地
方建設局から総勢10人が2列に並んで座り左手に司会者が座るという形です。
●総工費は不明!「できるだけ早く計算します」

 まず、金尾川辺川工事事務所長からOHPを使って事業説明がありましたが、
建設コストには全く言及しませんでした。案の定、質疑応答で質問が相次ぎ、
2人の質問者(一人はこのMLでもおなじみの桑原さん)が「一体いくらかか
るのですか?」と問いかけましたが「本体設計等で算定中である為、概算も申
し上げられない。」の一点張りです。

 自分に質問の順番が回ってきたので「おてんとさまから降ってくる雨の予測
にあれだけ緻密な計算をしておきながら、我々の税金を今後いくらつぎ込むの
か、その計算がわからないというのは驚きです。百歩譲って、いつ頃計算でき
て総工費が明らかになるのかだけでも、今日教えて下さい。」と聞きましたが、
現在算定中ということで、所長は「できるだけ早く」としか答えませんでした。
双方、苦笑いです。改めてこんなでたらめな話がよくまかり通るなと思った次
第です。

 また今回配布された資料集(全206ページ)の中に「球磨川の治水対策案の総
合比較表」というページがあるのですが、ダムをつくらんが為の比較であるこ
とが明白で、しかも「それぞれの方法でいくらかかるか」の項目はありません。
これも質問したら、それぞれ建設コストの見積もりはやっていないという事で
した。


●質問は川辺川事業に関する不信感によるものがほとんど。

「森林の保水力に関するデータを持っているのだったら出してほしい」
「八代平野への影響を懸念している」
「実際にダム水害にあっている。こんな説明会で騙されるのはいやだ。作る前
に相談しろ。」
「50億円で宅地の嵩揚げ工事が可能なら、いくらかかるかわからんダムより
もそういう工事を増やして欲しい。」
「ダム審、ダム審というけれど、公正な第三者機関ではないではないか」
「ダム審はなぜ下流の八代市で公聴会を開かなかったのか(3回も申し入れを
したのに)?、説明会を開く前に、まず謝って欲しい」

 等の質問が相次ぎましたが、予定時刻を30分近くすぎたところで打ち切り
となりました。今後も「自由参加」、公開の場で説明会を開きたいとの事なの
で、次回がいつになるのか注目しようと思います。しかし、仮排水路工事の開
始後、まとまった形で資料が出てきたので、これはよかったと思います。いろ
いろ不自然な点が散見されます。

 「国民の理解を得ながら事業を進めるつもりなら、もっと情報公開して下さ
い。」とお願いしてきましたが、「誰の為の事業なのか?」改めて問い続けた
いと思いました。
川本 正道 PAF00407@niftyserve.or.jp
http://www.coara.or.jp/~kawamoto/



【鶴田公園保存運動より】
 
 勉強会出席者の中から生まれてきた新たな運動があります。先日、署名用紙
を同封した鶴田公園を守る会です。第一回目の集まりがもたれ、その報告を頂
きましたのでご紹介します。

●「鶴田公園を守る会」からの報告
江口紀代

 9月26日夜、中央公民館で白川の水や緑を守るための第一回目の勉強会を
開いた。
 等泰三代表の経過報告や説明のあと参加者の意見交換が行われた。

一、左岸側(新屋敷)にも反対意見を持つ者は多い。
一、春、熊本に赴任してきて、大甲橋から眺めた両岸の桜や背景の立田山等の
  風景の美しさに感動した。これは絶対守る必要がある。
一、緑川ダムのヘドロの堆積の問題(甲佐からの参加者)。
一、坪井川遊水地近くに住んでいた住民からも意見があった。
一、八景水谷などの湧水 枯渇。地下水減少。上流の地下水涵養の大切さ、県が
  行っている休耕田の遊水地計画のこと。
一、工事が済んでいる長六橋あたり、今年の大雨時どのくらいまで水がきたの
  だろうか?あそこまでする必要があったのか?
一、明干橋から子飼橋右岸の碩台一町内の住民もこの工事のことをよく理解し
  ていない人が多い。
一、発言していくことの重要性、関連省庁連携による治水の見直し望む。

  等。

 心細い気持ちではじめた同会であったが、意外にも支持する人が多くて意を
強くすることができました。
 今後、鶴田公園側だけでなく、明干橋〜子飼橋右岸の町内や対岸の新屋敷、
そして広く市民に呼びかけて第二回目の勉強会を計画しています。
 10月24日(金)夜7時から、中央公民館地下会議室。講師は未定。多数
の御参加をお願いします。
平成九年十月三日


○● 10月11月12月の案内板 ●○

◆1◆ 県民の会10月の勉強会 ◆◆

日時:10月14日(火)19時〜21時
場所:熊本市国際交流会館 第2会議室
テーマ:今、五木村を語る。
(1)小杉邦夫さんによるスライド上映&お話
(2)田中雄士さん(五木村村議)によるお話
 自由討論
場所代カンパ:300円


◆2◆ 中島重旗先生を囲む学習会 ◆◆
   昭和40年水害を語る 
〜ダムができたら水害はどうなる〜

日時:10月18日(日)午後1時半〜午後4時
場所:人吉市紺屋町公民館
会費:500円
主催:人吉の経済・観光を考える会
お問い合わせ:原 TEL/FAX 0966-22-7710


◆3◆ 球磨川・川辺川の鮎を食べよう会 ◆◆

日時:10月19日(日)午前11時受付開始
場所:人吉市中川原公園
参加費:大人 1000円、子供 500円
 鮎大2匹とだご汁含む。ご飯、アルコール、お箸、茶碗等は持参して下さい。
クイズ大会もあり。追加の鮎やお土産(有料)もあります。鮎を食べながら楽
しく過ごしましょう。

主催:人吉の観光・経済を考える市民の会
   川辺川の会、美しい球磨川を守る市民の会
   清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会
   子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
お問い合わせ:
原 TEL/FAX 0966-22-7710
つる TEL0965-32-7359  FAX 0965-35-3694


◆4◆ 鶴田公園を守る会第2回勉強会 ◆◆

日時:10月24日(金)夜7時〜
場所:中央公民館地下会議室
講師:未定
 あの熊本市民に親しまれてきた鶴田公園が白川河川改修の為に危機に瀕している
ことは意外に知られていません。ふるって勉強会にご参加ください。


◆5◆ 水俣火のまつりエコツアー ◆◆

10月25日(土)水俣火のまつりに参加
10月26日(日) 
会場 水天荘会議室
★講演会「環境破壊は国境を越えて」
講師:岡島成行氏(読売新聞解説委員)
シンポジウム「足元からの環境問題」
(10/26 午前9時〜午後0時)
原田正純氏(熊本大学医学部助教授)
浜元二徳氏(水俣とアジアをつなぐ会)
水俣市環境担当者
★エコツアー 午後1時〜5時
水俣病資料館、歴史考証館、熊本県環境センター
○資料館では語り部のお話を聴く機会あり。交流会(25日)には水俣病患者さん
も参加されるそうです。
参加費:宿泊 7,000円 学生 5,000円
講演・シンポジウム・エコツアーは無料
主催:環境ネットワークくまもと
   tel&fax 096-360-0539(稲津)


◆6◆ クマタカをめぐる学習会ご案内 ◆◆

 11月上旬、(財)日本自然保護協会(NACS-J)の保護研究部が川辺川の状
況調査に来られることになりました。その機会に、会員の方々にむけた学習会
を開催できることになりました。

 「川辺川のクマタカ」
   〜この生き物を注目する本当の理由〜

話題提供
横山隆一さん(NACS-J保護部長)
日野圭一さん(NACS-J保護研究部)

 川辺川ダム建設予定地周辺にクマタカの生息が確認されてから、その保護を
めぐっては大きな議論がおこっています。クマタカとはどのようにして生きる
生物なのでしょう。また、どうしてクマタカが注目され、クマタカを守ること
とはどういう意味をもつものなのでしょうか。
 学習会の中では、これまでにわかった川辺川のクマタカの生態についてクマ
タカ調査グループからの解説も予定しています。クマタカの生態やそのくらし
の場の保護の方策についてじっくり学習したいと思います。

日時:平成9年11月3日(月)文化の日
場所:人吉カルチャーパレス第2会議室
   (人吉市下城本町 tel:0966-24-3311)
時間:午後1時30分〜午後4時30分
参加費:500円(資料代)
主催:(財)日本自然保護協会、自然観察指導員熊本県連絡会、子守唄の里・
五木を育む清流川辺川を守る県民の会、クマタカを守る会
問い合わせ:連絡会事務局
     (保護担当/つる tel:0965-32-7359)

☆クマタカとそれをとりまく自然保護の課題について、横山さん、日野さんを
まじえてディスカッションをきちんとできるように準備をしたいと思いますの
で、こんな点を知りたい、はっきりさせたい・・・という質問やテーマがあり
ましたら、クマタカに限らずあらかじめ事務局までお届けください。


◆7◆ 川辺川を考える東京の集い 〜元環境庁長官大石武一氏を囲んで〜 ◆◆

日時:11月9日(日)18:00〜
場所:上海園(しゃんはいえん)03-3492-5135
(JR目黒駅西口改札出て左手向側)
内容:県民の会東京支部発足、今後の川辺川ダム問題全国展開に向けて
問い合わせ先TEL/FAX:
 原 0966-22-7710 平野 044-945-4858
 川本 096-365-3836


◆8◆ 県民の会11月の定例会 ◆◆

日時:11月4日(火)19時〜21時
場所:秋津レークタウンクリニック2階会議室
問い合わせ先:川本TEL/FAX 096-365-3836


◆9◆ 県民の会11月の勉強会 ◆◆

日時:11月11日(火)19時〜21時
場所:熊本市国際交流会館 研修室2
講師:中村益行氏
  (脊梁の原生林を守る連絡協議会会長)
場所代カンパ:300円
問い合わせ先TEL/FAX:
國徳 096-364-6039、川本 096-365-3836


◆10◆ 第10回森と自然を守る全国集会・九州 ◆◆
    〜 豊 か な 森 と 自 然 を 未 来 へ 〜

期日:1997年11月15日〜17日
会場:熊本市・熊本学園大学
参加費:3000円 1日のみ参加2000円
   (予稿集代込み)
主催:第10回森と自然を守る全国集会・九州実行委員会
後援:(財)日本自然保護協会・(財)世界自然保護基金日本委員会・
(財)森林森林文化協会・(財)日本野鳥の会・日本昆虫協会・日本渓流釣連盟
・日本勤労者山岳連盟・日本消費者連盟・日本科学者会議・日本環境学会・
日本環境法律家連盟・日本環境教育学会・熊本県保険医協会・
長良川河口堰建設に反対する会・山と渓谷編集部・月刊つり人編集部・
(株)金曜日・朝日新聞社・毎日新聞社・読売新聞社・日本経済新聞社・
西日本新聞社・熊本日日新聞社・NHK熊本放送局・熊本放送・テレビ熊本・
熊本県民テレビ・熊本朝日放送・エフエム中九州

九州からの呼びかけ
 1.豊かな森と自然を未来に引き継ぎましょう。
 2.10回目を迎えた全国集会の節目の年として今までの運動を振り返り、
今後の発展を目指しましょう。

日程
11/15(土)(第1日目)  13時〜18時(全体会)
13:00
開会挨拶
 深尾清造(実行委員長・九州大学農学部教授)
 主催者挨拶
 八木健三(日本の森と自然を守る全国連絡会会長)
13:40 基調講演 「森の営みと再生」
 講師 只木良也氏(名古屋大学農学部名誉教授)
15:30 パネルディスカッション「国有林のあり方」
 司会
 庄司幸助(仙台のブナと水・自然を守る会代表)
 パネラー  野口俊邦(信州大学農学部教授)
     根深 誠(登山家)
     我妻 実(全林野中央執行委員長)
17:30 特別報告 「川辺川ダム建設の問題点」
 報告者 吉村勝徳(球磨川漁協組合員)
 全国交流会 11/15 19:00〜21:00 会費4000円
  会場:仙寿荘(熊本市白山 TEL:096-362-3131)

11/16(日)(第2日目)
分科会(9:00〜12:30)  
会場:熊本学園大学12号館 2階・3階・4階
◆第一分科会 ◇林業・森林の再生と過疎の克服
座長 沢畑 亨(水俣市久木野愛林館館長)
報告 1)中山間地農業の現状 2)林業従事者の実態 3)林業・山村の課題(林
業経済研究会)
◆第二分科会 ◇公共事業とダム建設
座長 保母武彦(島根大学教授)
報告 1)川辺川ダム建設の問題点  2)諫早湾干拓事業
◆第三分科会 ◇リゾート開発の問題点
座長 佐藤 誠(熊本大学教授)
1)宮崎県一ツ葉リゾート計画  2)阿蘇グリーンストック
◆第四分科会 ◇人間と自然の共生
座長 深尾清造(九州大学教授)
報告 1)白神山地立入り規制をめぐって 2)諫早湾ムツゴロウ裁判
◆第五分科会 ◇自然保護運動の課題
座長 前 圭一(全国世話人)
報告 1)大規模林道建設阻止の闘い 2)羊角湾国営干拓事業中止の経緯
◆第六分科会 ◇産業廃棄物問題
座長 荒木ひとみ(暮らしと廃棄物を考える熊本の会事務局長)
報告 1)水源と廃棄物処分場  2)ダイオキシンと焼却場
◆第七分科会 ◇水俣病問題と地域の再生
座長 原田正純(熊本大学医学部助教授)
報告 1)水俣病の教訓を自然保護に生かそう  2)もやいなおし・水俣の再生

◎分科会の報告は記入分が全てではなく他にも予定しています。

全体会(13:30〜15:00)
13:30 各分科会の報告   集会宣言採択
 閉会挨拶  岩野茂道(熊本学園大学教授)

11/17(月)(第3日目)★==現地見学==★
●九州脊梁山地 16日 集会場16時発(五家荘樅木泊)
 参加費12,000円(宿泊費・交通費・16日夜17日朝・昼食付)
 1)国見岳(熊本県の最高峰)  20名 
 2)白鳥山(九州の特殊なブナ林)40名
 帰着はいずれも 熊本空港--17時    熊本交通センター--18時
●川辺川建設予定地
16日17時30分 人吉旅館集合・泊 
 参加費15,000円(宿泊費・人吉よりの交通費・16日夜17日朝・昼食付、
宿泊はビール2本、温泉付です。人吉までの交通費は含まれておりません)
定員30名
コース 人吉市−相良村−五木村−人吉市
解散 人吉駅前 17日16時20分 
★問合せ:西田(TEL・FAX096-363-5314)
★自家用車での参加も可です。

☆ヤマメの放流 担当 九州ヤマメを守る会 連絡会 宇都(TEL:096-389-7563)
☆広葉樹の植林 担当 ブナの森を育てる会 連絡先 西村(TEL:0964-33-3780)

▲申し込み案内▼
宿泊
 仙寿荘 6,600円(ツイン)
 熊本KBホテル
 5,500円(ツイン)・シングル6,600円
 料金は一名様一泊朝食付、税金、サービス込み価格(ツインはお二人様利用
時の一人料金)
昼食 16日 弁当600円

【実行委員会連絡先】
〒869-05 熊本県下益城郡松橋町内田557  西村秋二 TEL/FAX 0964-33-0780
〒861-21 熊本市秋津町秋田3441-20   稲津英弘 TEL/FAX 096-360-0539
(開催校世話人)
熊本学園大学 岩野茂道研究室 山内良一研究室 TEL 096-364-5161


◆11◆ 「森の文化と米の文化を守る」森の神々講演会 ◆◆
        〜 今、甦る 縄文のこころ、 〜

講師:安田喜憲氏(やすだ よしのり) 
 環境考古学者。1972年、東北大学大学院理学研究科修士課程修了。理学
博士。1994年より国立国際文化センター教授。環境考古学という新たな分
野を日本で初めて確立した。主な著書に「環境考古学事始」「世界史のなかの
縄文文化」「森林の荒廃と文明の盛衰」「森のこころと文明」など多数。

日時:11月23日(日) 3時〜5時
会場:NTT熊本会館(ダイエー熊本隣)
参加費:1,000円
主催:環境ネットワークくまもと
         tel&fax 096-360-0539(稲津)
 森の民の心はやさしい。このやさしさに満ちた森の文化を、日本人は1万年
以上にわたって営々とつちかってきた。それは力と力の闘争を回避し、自然と
共生し、森の中で循環的に永続的に生きる知恵をもったもうひとつの文明だった。
 これまで私たちが文明という名のもとにあこがれてきたのは、自然を支配し、
破壊し、人間を搾取する巨大な階級支配の構造に立脚した文明だった。だがこ
の地球上には、もうひとつの忘れ去られた文明があったのではなかろうか。そ
れが森の文明であった。その文明は、生きとし生けるものの命にひそやかな畏
敬の念を感じ、自然と人間の間に共生と循環系が維持され、人間同士の間にも
階級支配のない平等主義に立脚した文明である。
 このもうひとつの文明を発見することが必要なのだ。地球環境の危機に直面
し、人口爆発の中で出口のない閉塞状態に陥っている現代においてこそ必要な
のだ。             〜安田氏著書より〜

 ※安田氏は来週水曜日(10/8)からのNHK教育「人間大学」(10:45-11:15)に
出演予定です。評判がいいらしいので是非見てみて下さい。


◆12◆ 「県民の会」講演会 11月30日(日)開催! ◆◆
 今度の講演会では、新潟から国内外のダム問題に詳しい鷲見教授をお招きし
ます。鷲見教授の軽快で楽しい語り口は絶対聴く価値があります。みなさん、
来て下さいね。

講演会
「日本の矛盾−−世界の中の川辺川ダム」
 〜日本の河川行政は妥当か?〜
日時:11月30日(日)13時〜16時
   (12時30分開場)
場所:NTT熊本会館
  熊本市大江5丁目2-18  TEL:096-366-0151
出演:鷲見一夫新潟大学教授
参加費等:前売り 800円  当日 1000円
問い合わせ先:西田 TEL&FAX 096-363-5314  BYJ01252@niftyserve.or.jp

【講師プロフィール]
 鷲見一夫(すみかずお)新潟大学法学部教授
1938年10月愛知県生まれ。横浜市立大学文理学部国際関係課程卒。一橋
大学大学院法学研究科博士課程修了。横浜市立大学教授等を経て、新潟大学法
学部教授。専門は国際環境法。著書に『世界銀行―開発金融と環境・人権』(
有斐閣)、「三峡ダムと日本」(築地書館)、共著に『アメリカはなぜダム開
発をやめたのか』(築地書館)共訳に『三峡ダム―建設の是非をめぐっての論
争』(築地書館)他。「ODA研究会」主宰。「奥只見のイヌワシと水を守る会」
代表。


◆13◆ 利水裁判第4回公判 ◆◆

日時:12月3日(水)13:30〜
場所:熊本地方裁判所101号法廷
 多くのみなさんの傍聴で原告団弁護団を支援しましょう。


◆14◆ 自然保護セミナー 川と生き物たち」 ◆◆

期日:1997年12月7日(日)
会場:熊本学園大学
主催:自然観察指導員熊本県連絡会

 現在、熊本の川やそこに住む魚たちは、川辺川ダム問題に代表される様々な
河川構造物や河川改修の影響等で、危機的状況にあります。川の変化はそこに
住む生き物たちにとってどのような影響があるのでしょうか。生き物の視点か
ら川を考えてみたいと思います。
 川に住む生き物の声が、私達が未来のためになすべきことを伝えてくれるで
しょう。

○第1部 学習会「水生昆虫の見分け方(仮)」 
 講師:谷田一三氏
 時間:午前9時30分〜午前11時30分
 受講料:500円(資料代として)
○第2部 講演会「河川の変化と魚たち」
 講師:川那部浩哉氏
 「水生昆虫を通して川を見る(仮)」
 講師:谷田一三氏
 時間:午後1時〜午後4時30分
 受講料:500円(資料代として)
 問い合わせ:事務局 tel:0964-33-2912 中田

【講師プロフィール】
○川那部浩哉氏 
 琵琶湖博物館館長、京都大学名誉教授、淡水魚研究の第一人者。主な著・訳
書:「川と湖の生物たち」「偏見の生態学」
○谷田一三氏 
 大阪府立大学総合学科科学部教授、理学博士、水生昆虫の群集生態学・生物
地理の第一人者
 主な著書:「日本の昆虫群集」「日本の水生昆虫」

★前日は川辺川にて現地実習(水生昆虫の調査)を行います。



○● 9月の勉強会報告 ●○

 先月紙面の都合で勉強会の報告をしていませんでしたので、ここで報告させ
て頂きます。9月9日夜7時から国際交流会館第2会議室において県民の会9
月の勉強会を行いました。講師を球磨川漁協理事の塚本昭司さんにお願いしま
したところ、快諾して頂けました。非常に興味深いお話を数多くお聞きする事
ができたと思います。

 球磨川漁協は川辺川を含む球磨川水系の漁業権を管理していますが、「アユ
漁などに致命的影響を与える」としてダム建設に反対の決議をしています。
私たちダム計画見直し派としては、事業者である建設省に対して漁業権という
私権を持つ強力な砦に見える組織です。塚本さんは中でも精力的にダムによる
河川及び流域の環境破壊を懸念されダム計画の矛盾点を漁協内で指摘してこら
れたという事で、一度はお話をうかがいたいと思っていた方です。アウトドア
ライターとしても活躍され、アユや川の自然に対する豊かな知識をユーモアたっ
ぷりに紹介して頂きました。

 例えば球磨川のアユの稚魚は途中に荒瀬ダムがある為、海からそのまま遡上
できず、人間の手によって上流に運ばれているわけですが、その費用は何と一
匹30円もかかるそうです。これを300万匹放流すると、9000万円近い
費用がかかるわけで、釣り愛好家から入漁料を徴収するのはやむを得ないとい
うことでした。知らないところでずいぶんお金がかかっているものです。

 また川辺川のアユは、上流に市房ダムのある球磨川のアユに比べて格段に魚
質がよく、市場でも高く評価されているという事でした。遠く北海道からやっ
てくる釣り人もいるということで、このアユこそもっとアピールするべき川辺
川の観光資源であり、ダムを作れば、貴重な財産を失う事になるという塚本さ
んの言葉には力がこもっていました。ただ漁協内では様々な意見があるという
ことで、やはり河川環境に関する世論の高まりが必要であり、ダムによって失
われるものの大きさを我々自身が把握することもまた重要であると感じました。

 10月19日(日曜日)は、塚本さん達が中心となって鮎食い大会
「球磨川・川辺川の鮎を食べよう」会が人吉市の中川原公園で開催されます。
参加費は大人1000円、子供500円。鮎大2匹とだご汁付きです。県民の会もお手
伝いします。鮎クイズ大会あり、おみやげ売店ありです(詳しくイベント案内
をご覧ください)。 秋の一日を鮎三昧で過ごしてみませんか。ぜひみなさん
人吉へ、また川辺川へお越し下さい。 (川本正道)



○● 前号(第5号)の正誤表 ●○

 7ページ「8月27日(水曜日)」の行動記録が予定が時刻のままになって
いました。正確な時間と対応して頂いた方のお名前及び役職は以下のとおりです。
訂正の上、誤りがあった事をお詫び申し上げます。
(1)建設省河川局河川開発課
  時間:10:00〜11:00 → 10:00〜11:20 
  対応:大西補佐他→大西課長補佐
(2)農水省構造改善局
 時間:11:20〜12:00  → 11:40〜12:20
(3)環境庁自然保護局
  対応:小川調査官他 → 小林 野生生物課課長
(4)大蔵省主計局
  時間:15:00〜15:20  → 15:20〜15:40
  対応:勝主計官 → 勝主計官、中井主査

 以上です。


               【編集後記】

 他のページを印刷しながら書いています。またまた最後はドタバタのニュー
スレター発行となりました。新聞記事を整理していると、ずいぶん関連する記
事の多い事に驚きます。中でも省庁再編の動きは見逃せません。河川局は、そ
して川辺川ダム事業はどこへ行くのでしょうか。以前、友人に「(川辺川ダム
は)絶対止まる。」と言って、うーんと首を傾げられた事がありますが、今だ
ったらそういう反応はしないのではないかなと思います。中止になったら?と
いう問いがあちこちから聞こえてきました。ダム見直しを唱える以上、中止後
の政策にも止める為の努力と同じくらいの注意と努力を傾けるのは当然でしょう。
そういう活動が近い内に(あるいはいつか)出来ると確信しています。その時
が正念場だと思います。 (川本正道)