子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会他、川辺川ダムに反対する51団体による、有識者会議の総括意見(骨子)に対する評価です。
2008年8月24日

川辺川ダム計画を否定! ダムなし案もありえると両論併記!

有識者会議の総括意見(骨子)に対する評価


       

 これまで8回に亘って、開催されてきた有識者会議は8月22日に最終会合を終
えました。事務局より提示された報告書案に対し、委員からは「ダム建設が前
提のようだ」と異論が相次ぎ、文言は更に修正されることになりました。金本
委員長はダム建設について、「委員の総意として、ダム容認という解釈ではな
い」としています。報告書案の総括意見は、治水対策として、ダムも一つの選
択肢として容認しているものの、現行の川辺川ダム計画をそのまま是認をして
いません。さらには、ダムの弊害を認め、「河床掘削等の工夫をして、ダムを
造らずに水害に対応する方法もありえる」と、明記されました。ダムを建設し
ない選択肢も盛り込まれて両論併記の報告書となったことは、我々のこれまで
の主張が認められたものと、有識者会議の総括に対し一定の評価をするもので
す。
 
 また、環境の側面からも、「ダムができることにより、河川のシステムが大
きく変化してしまうことは明らかである」「ダムのような構造物の建設は、で
きる限り避けた方が望ましい」とダムが環境に与える影響、環境が損なわれる
ことなどが地域社会に与える影響についても、大きな懸念が示されまた。ダム
を造る場合の費用対効果については、十分に議論ができなかったことを認め、
幅広い観点から、更に議論が必要であることを指摘されました。

 今回の有識者会議では、委員一人一人の意見が尊重され、報告書案ではまと
めのほかに、すべて併記されました。「ダムは賢明な選択ではない」、「ダム
なし案をさらに検討するべき」等の意見をはっきり記述された委員もいます。
今後、蒲島知事は、有識者会議での議論も踏まえて判断されるとのことです
が、現行の川辺川ダムは是認することは難しいと結論付けた有識者会議の総括
は当然に共有され、個別の委員意見も十分に吟味をしていただいたうえでの判
断が期待されます。

また、新たなダムを造る場合には、たとえ流水式ダム(穴あきダム)であれ、
有識者会議で示された更に多くの課題を検証・解決することが求められ、ダム
にこだわる限り、球磨川流域の治水対策は遅れ、地域を更なる混乱へと導くこ
とは間違いありません。
「ダムの環境への負の影響を重視し、ある程度の水害を許容するなら河床掘
削などの方法を工夫してダム以外の方法もありえる」という有識者会議のまと
めは、これまで流域の住民が望んできた治水対策であり、早く・安く・安全な
治水対策として最善なものです。

 蒲島知事は有識者会議のこれらの意見を真摯に受け止め、賢明な判断をされ
るべきです。

2008年8月24日
         
子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会 代表 中島 康
                       他、川辺川ダムに反対する51団体



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