2007年5月7日 国土交通大臣 冬柴鐵三 様 熊本県知事  潮谷義子 様           子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会              他川辺川ダム建設に反対する52住民団体               代表 中島 康 「くまがわ・明日の川づくり報告会」の開催中止と 河川整備基本方針検討小委員会のやり直しを求める要望書   河川整備基本方針検討小委員会の設置を位置づけている改正河川 法は、「地域の意向を反映して具体の整備内容を定める」ことや、 「一旦河川整備計画に位置づけられたダム事業についても社会情勢の 変化等により見直しが必要と判断されれば、適宜整備計画の見直しを 行っていくことになる」ことを規定しています(「改正河川法の解説 とこれからの河川行政」編著:建設省河川法研究会)。同法の趣旨から 考えますと、反映させるべき地域の意向として、球磨川・川辺川流 域の水害に遭われた方々をはじめ、熊本県民の意向を重視する必要 があります。  報道によりますと、国土交通省は河川整備基本方針の内容、小委 員会等での審議の状況について報告会を開催するとのことですが、 川辺川及び球磨川の水害被災者の意向は、昨年5月2日付で河川整備 基本方針検討小委員会に提出しました「水害被災者の意向が反映さ れるように現地調査を行うことを求める要望書」にある通りです。 つまり、球磨川・川辺川流域の水害に遭われた方々に対する聞き取 り調査によりますと、治水対策として川辺川ダム建設を望むものは 69戸中2戸に過ぎず、67戸は堤防強化や河床の土砂除去等を望むも のでした。このことからも、水害被災者は川辺川ダムによる治水は 希望していないことは明白です。  報道機関による今回の統一地方選挙においてのダム問題に関する 意識調査においても、地元住民が治水対策として川辺川ダムを望ん でいないことは明白です。また、昨年11月には、ダム予定地の相 良村が川辺川ダム建設反対を表明し、ダム建設の最大の「受益地」 とされる人吉市でもダムに中立の市長が誕生しています。  ところが、昨年4月から11回にわたり開催された河川整備基本方 針検討小委員会では、ダム建設に中立の立場をとる潮谷義子知事 以外の委員が、川辺川ダム建設を容認しようとする国土交通省の 見解を、実質上追認するばかりでした。また、住民からは毎回多 くの意見書や要望書などが提出されましたが、ほとんど議論され ませんでした。これでは、科学的で合理的な議論ができたとはと ても言えません。住民参加を理念とする新河川法の精神に反する 手法で検討された河川整備基本方針を、私達住民は到底受け入れ られるものではありません。  また、国と県で十分話し合った上で説明責任を果たすべきです。 国が県を差し置いて、報告会を開くことは許されるものではあり ません。  よって、「くまがわ・明日の川づくり報告会」開催の中止と、 河川整備基本方針検討小委員会のやり直しを、強く要望するも のです。                          以上