2005年6月8日、川辺川利水訴訟原告団および同弁護団より、新利水計画策定の第5回意見交換会・集落座談会に関して、以下の意見照会書(兼公正確保委員会申立書)を提出しました。

2005年6月8日

熊本県地域振興部
部長 鎌 倉 孝 幸 殿

川辺川利水訴訟原告団
団  長  茂 吉 隆 典
川辺川利水訴訟弁護団
団  長  板 井   優

意見照会書(兼公正確保委員会申立書) 

1 本年6月7日、相良村意見交換会(同村体育館)における播磨所長の発言・答弁についての申立

1) 播磨所長は、冒頭の「資料@」の説明の中で、資料には記載されていない発言を行っている。それは「深水など中小河川かかり(川辺川かかり以外)の水田についても、『川辺川ダム案』では補給水を配ることができる」という趣旨の発言を二度にわたって行ったことである。この発言は事前協議を経て作成された「二案」の内容から逸脱するものであり、関係農家の方々に誤解を与えるものとして、また、事前協議のルール違反として看過できないものである。
そもそも「資料@」の内容は、あくまでも、1,378haの「概定区域」を基礎に策定した「川辺川ダム案」、「相良六藤堰案」についてのものであり、発言の中で触れた「深水」は概定区域からは外された地域である。ちなみに、播磨所長の、上記趣旨の第一回目の発言が行われた際の説明対象となった、同資料8ページの表の2行目には「かんがい対象面積」として「川辺川ダム案」1,378 ha、「相良六藤堰案」1,064 haと明記されており、この点でも、同資料が国営事業にかかる「概定区域」に限ったものであることは明らかである。
 この趣旨の発言を、播磨所長は錦町の意見交換会では行っている。これを、相良村においても繰り返して行ったことには、ある種の意図を感じざるを得ない。

2) このような事態を正常にもどすため、貴職において、以下の措置をとることを求めるものである。

@ 播磨所長は、直ちに6月7日相良村意見交換会において行った「深水など中小河川かかり(川辺川かかり以外)の水田についても、『川辺川ダム案』では補給水を配ることができる」という趣旨の発言が誤解を招く不適切なものであり、事前協議のルールに反したものであることを認めさせるとともに、取り消させること。
A 播磨所長はじめ、農政局の責任において、関係農家に対し、発言の誤りを周知すること。
B 貴職において、意見交換会、集落座談会の際にも、何人も、上記趣旨の発言を行わないよう必要な手当てをすること。
C 貴職において、国・県・市町村職員の研修会において上記の趣旨の周知徹底を図ること。

2) 同意見交換会において、地域の農家から「川辺川ダム案では、現飛行場水路はどうなるのか」という趣旨の質問があり、特に、撤去するのかどうか、その際の防災対策は、またその費用と負担はどうなるのかという点で重要なものであった。これに対し播磨所長は、水路の処理や防災対策については、「どのような措置をとるのかは、検討しなければならない」として、明確な答弁はしなかった。
また、費用と負担区分については「川辺川ダム案の事業費に組みこまれている」としながらも、その費用については明言せず、「国が出す」との趣旨の答弁を行っている。
「相良六藤堰案」については、事前協議において、基本的に、同じ場所で水路を拡幅し、暗渠とすること、同水路山側に排水路を設け、台地上部からの水等を適切に処理するなどの防災措置を実施することなどについて説明され(3月26日の事前協議資料1「新利水計画策定に関わる主要論点項目について」の7ページに掲載)、その費用は国営事業として国・県・市町村の規定の負担区分によって行うことが了承されている。
 しかし、「川辺川ダム案」については、事前協議において「飛行場水路」の取り扱いについての確実な説明は行われていない。したがって「相良六藤堰案」と同じレベルでの確認・了承は存在しない。播磨所長の上記答弁は、その意味で、少なくとも事前協議における合意を根拠とするものではなく、個人的「不規則発言」、とりあえずの「言い逃れ」とされても仕方の無い類のものである。その点からも播磨所長は上記1.の「発言」に重ねて、逸脱した不適切発言を繰り返すという「誤り」を犯しているといわざるを得ない。

 このことについて、以下のことを求めるものである。
@播磨所長は、上記誤りを認め、答弁を直ちに取り消すこと。
A 九州農政局は「川辺川ダム案」における現「飛行場水路」の取扱いについて費用及び負担区分について明確にし、事前協議に報告し了承を得ること。
B 了承を得るまでは、不用意な「答弁・説明」はおこなわないこと。

                                 以上





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