2005年1月5日、美しい球磨川を守る市民の会よりに対し、以下の文書を提出しました。

 また同日、同様の内容で、八代市に対しても要望書(九地整に対し、説明を求めること)を提出しました。

平成17年年1月5日

国土交通大臣 北側 一雄様
九州地方整備局 局長 岡山 和生様

美しい球磨川を守る市民の会
代表 出水 晃 

萩原堤防のフロンティア堤防事業に関する抗議及び要望

 平成16年12月23日の新聞報道により、八代市の萩原堤防のフロンティア堤防化は、平成10年度に概略設計、平成11年年、12年度に水理模型実験の結果を経て、平成13年1月に実施設計も行われていたことが明らかになりました。

 国土交通省は、八代市の大洪水に対応可能な強化堤防の整備を進めるとして、「平成13年度熊本ブロック事業概要」に同堤防のフロンティア堤防化を明記、その一環として、平成13年度には1億円の予算を付けた経緯があるにもかかわらず、当予算の流用を行い、事業の着手を見送ってきました。更に、同堤防のフロンティア堤防事業は取りやめになっていたのに、その事実は、平成16年7月、住民の追及により明らかになるまで、住民討論集会の場においても、また八代市の要望に対しても何の説明報告もなされませんでした。

 また、取りやめた事実に対し、国土交通省は「平成14年7月に策定された堤防設計指針に合わなくなったという理由により、取りやめた」「フロンティア堤防については、現時点で試験的な施工にとどまり、一般に施工されていない」「フロンティア堤防の事業計画書はありません」と説明をしてきました。

 しかし、住民の調査により、フロンティア堤防がすでに他の複数の河川で施工された事実があることが判明しています。また、今回の新聞報道により、フロンティア堤防事業の実施前提となる「実施設計業務報告書」が作成されていたことから、「事業計画書については作成していない」と、報告書の存在を否定してきたこともウソであったことが明らかになりました。

 また、平成14年7月の河川堤防設計指針は、「一般的に確保されるべき最低限度の安全性について述べたもの」であり、「本指針よりも高い安全性を求めることを妨げるものではない」ということが指針に明記されているという同報道の記述からも、国土交通省の「新指針に合わなくなった」という説明は、萩原堤防のフロンティア堤防事業化を中止する根拠とは全く言えません。

 八代の萩原堤防に関しては、国土交通省は「日本一、危ない堤防」「いつ破堤してもおかしくない」「球磨川の治水上重要な地区であり、堤防の強化が極めて重要」と公言しながら、その一方では、ウソの発言を繰り返し、フロンティア堤防事業を取りやめたことは、八代地域住民の生命、財産を軽んじるばかりでなく、市民を愚弄した行為といっても過言ではありません。国土交通省は、市民に対してきちんと説明する責任があります。

 私たちは国土交通省及び九州地方整備局に対し、同堤防のフロンティア堤防事業を、理由もなく取りやめた事実に対し、強く抗議すると共に、八代市において、説明会を開催の上、住民が納得いくまで説明責任を果たされることを強く求めます。

以上


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