2004年12月6日、川辺川利水訴訟原告団および同弁護団より、新利水計画策定の事前協議における国土交通省の対応に関して、以下の声明を発表しました。
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声 明 去る12月3日(金)に開催された事前協議において、国土交通省九州地方整備局及び熊本県土木部は、「地区毎の水利権の現状と今後の取り扱いについて」と題する資料を提出して、川辺川掛り及び中小河川掛りの水利権に関する説明を行った。 ところが、国土交通省九州地方整備局及び熊本県土木部は、例えば、相良村の川村飛行場水路については、昭和45年九州農政局資料などに基づき1.39m3/sの許可水利権が存在すると説明しながら、「現在の受益地において最大1.39m3/s以内とし、既得水利権として取り扱います」と記載した資料を提出し、新利水計画で概定された対象面積に対する必要水量の範囲内においてしか水利権を認めないという独善的な態度を表明した。 私たちは、事前協議において、国土交通省九州地方整備局及び熊本県土木部が、関係六団体の合意とは関わりなく、独自の解釈で対象地域の水利権を処分しようとしていることを厳しく批判するとともに、このような対応は、「はじめにダムありき」という従前の対応に固執するものであり、事前協議の枠組みを壊すものでしかないことを厳しく指摘する。 国営川辺川土地改良事業については、2003年5月16日に下された福岡高裁判決によって、ダムを水源とする利水計画は、関係農家の3分の2以上の同意が得られないことが明らかにされている。そのため、対象地域内で水を必要とする農家に、早くかつ安く水を届けるためには、ダム以外の水源から水を確保する計画(非ダム利水案)を実現する以外に方法はない。 河川管理者たる国土交通省は、現在、新利水事業策定の事前協議で行われている関係農家(及び関係農家を構成員とする水利組合)が保有している既得水利権を前提として、水を分かち合うための関係農家の話し合いの結果を最大限に尊重し、ダム以外の水源による新利水計画(非ダム利水案)の実現に向けて全面的に協力すべきである。 そのために、私たちは、国土交通大臣に対して、直接私たちとの話し合いの機会を持つことを求めるとともに、新利水計画(非ダム利水案)の実現に向けて最大限の協力を行うという確約をなすことを求めていく予定である。 来年春には、熊本県収用委員会により、共同漁業権の収用裁決申請が却下されることも予想される状況のもとで、今こそ国土交通大臣は、新利水計画においてダムの呪縛を解きほどき、ダム以外の水源から一日も早く関係農家に水を届けられるために英断を下されることを強く求めるものである。 2004年12月6日 川辺川利水訴訟原告団 |