【球磨郡区】 丸山 博氏(無所属、新人、52歳)からの回答

1.計画から30数年以上たった川辺川ダム計画について、どの様にお考えですか。
 賛成、反対、その他の立場から、理由もあわせてお答えください。


原点は球磨盆地の南部大地は、お米が作れる水があったのに、北部台地は 水がなく、38年前、米はお金の代わりをする位、価値があったのに、 時代は変わり、農水省は絶対に米を作らせない為に傾斜造成(3%の傾斜角度以上) をしており、目的が消滅したので反対します。


2.現在、潮谷義子県知事の提唱による「川辺川ダムを考える住民討論集会」が開催され ています。もともとは「ダム事業の大義について、県民の方に国土交通省は説明を行う 必要があると考え、治水を中心とした川辺川ダムの論議について、オープンかつ公正に 論議する場として(知事発言)」企画されたものです。国土交通省の川辺川ダム事業に 対する説明責任とこの「住民討論集会」での議論のあり方について、どうお考えですか?


国交省は国民の税金を使って調査研究又、企画した事は国民つまり納税者に説明 する責任があるのに、その責任を充分に果たしていない。国交省の職員が反対者 に向かって時として説明責任ということばを使うことがあるが、全然立場をわか っていない気がする。


3.この「住民討論集会」における議論の中で出されている河床掘削や堤防かさ上げ、緑 のダム等の治水代替案とダムによる治水についてどうお考えですか?


大手のゼネコンにしかできない、九州最大のダム工事は折角の補助金や町村や県に下りて きた地方交付税を又、中央にすい上げ、底なしの不良債権の穴埋めに 使われるだけで役に立たないと思います。代替案にお金を使えば、農業が落ち込み 建設業が縮小する地方の大切な働く場の確保に大変有効だと思います。


4.2月16日には環境をテーマとした「住民討論集会」が開催され、ダムによる環境への 影響を心配する住民の質問が続出しました。ダムによる環境への影響の有無をどうお考 えですか?理由もあわせてお答えください。


川辺川ダムを勉強し始めた最初の頃、八代のつる詳子さんの、50年前荒瀬ダムが できた時、八代海のノリ農家が3分の1に激減し、現在ではわずか4戸しかいなく なったと聞き大変ショックでした。今は漁民が山に木を植え、山は海の恋人、川 はその仲立ちを実践し、自然再生の方向へ転換する時期です。


5.2001年、球磨川漁業協同組合がダム建設受入を前提とする補償契約を拒否したこと により、国土交通省は漁業権の強制収用のための裁決申請を熊本県収用委員会に行い、 昨年から収用委員会で審理が続いています。
 審理の焦点は、共同漁業権が球磨川漁協に帰属するのか組合員個人に帰属するのかと いうことと、ダム建設による漁業への影響に対する補償をどう見るかということです。 強制収用という手法と収用委員会での審理内容についてどうお考えですか?


清流はけして、漁協組合員だけのものではなく、まして、とても公正とは云えない 組合運営の中で絶対に球磨川漁協のものではないと思います。又、補償金は一時的な ほんのすずめの涙の恵みであり、大自然としての川辺川、球磨川の恵みに比べるのが おこがましいのであり、例え法がそうなっていても絶対に金で自然を売りとばさな いで欲しいと思います。


6.川辺川ダムのもう一つの目的である利水については、農水省の川辺川総合土地改良事 業に対して、受益対象農家の過半数が「ダムの水は要らない」と裁判に訴えています。
事業の同意数が焦点となったこの利水裁判は一審では原告農家が敗訴しましたが二審の 福岡高等裁判所の審理は1月に結審し、5月に判決が出される予定です。この問題につい て、どうお考えですか?


球磨郡選挙区をまわってみますと高齢化そして後継不足などではなく、後継者不在、 又農家不在が目立ちます。受益者といわれる3800戸に新たな負担金、つまり五木村 の苦渋の選択と同じ不安を支えているのがよくわかります。工事は例え強行でき ても、農家をつくる事は絶対にできません。お年寄りの地権者に時として、ダムを 止めてくれと拝まれます。


7.熊本県の財政状況は、まさに危機といってもいいくらいですが、900億円にも上る県 負担を強いる川辺川ダム事業の県財政に与える影響は計り知れません。以下の3項目に ついて具体的にお答え下さい。
 1)現在の熊本県の負債総額
 2)川辺川ダム事業が県財政に及ぼす影響
 3)この財政問題をどう解決するか?


1)1兆1千億円
2)折角の地方交付税と補助金を中央の大手ゼネコンに持ち去られ、 こんな事をしていたら、県は建設業と共に沈没するでしょう!
3)30年かかって農家中心の経済が総建設業経済へ地方を変えてしまいました。 就業人口から云えば明らかに地方では建設業が基幹産業であり、大手のゼネコンの 仕事を大幅にカットして、地域密着型の地方での社会資本整備の仕事に向け、 徐々に本来の農林業を基盤とした経済にしていくべきで、財政問題の解決は出ずる を制すしかないでしょう!


8.30数年間、ダム問題に翻弄され続けてきた五木村、相良村の振興についてどうお考 えですか?


知事がおっしゃっておいでのようにコンクリートのダムと振興策は分けて 考えるべきですし、両村の振興策には山や緑、水を大切にしたものがいっぱい ですし、ダムで栄えた村はないということを再認識すべきです。


9.各種報道機関の世論調査によると県民の過半数がダム建設反対あるいは見直しであ り、ダム建設賛成は10%にも届きません。このことと御自身の川辺川ダムに対する見 解について、どうお考えですか?


賛成9%反対69%、あとはわからないと地元紙の世論調査で知っています。選挙区 をまわり、そのようだと実感していますが、何分地方の選挙は地縁血縁仕事縁で 左右され、実際に私の得票に結びつくか大変心配です!