【球磨郡区】 松田三郎氏(自民党、現職、38歳)からの回答

1.計画から30数年以上たった川辺川ダム計画について、どの様にお考えですか。
 賛成、反対、その他の立場から、理由もあわせてお答えください。


賛成(容認):計画の目的・必要性にかわりはなく代替案も非現実的だから。住民の 代表である流域市町村長、議会議員大多数の意見であり、要望であるから。


2.現在、潮谷義子県知事の提唱による「川辺川ダムを考える住民討論集会」が開催され ています。もともとは「ダム事業の大義について、県民の方に国土交通省は説明を行う 必要があると考え、治水を中心とした川辺川ダムの論議について、オープンかつ公正に 論議する場として(知事発言)」企画されたものです。国土交通省の川辺川ダム事業に 対する説明責任とこの「住民討論集会」での議論のあり方について、どうお考えですか?


対論形式なので、論点の所在はわかりやすい。国交省の説明責任もほぼはたしたと 考えるが、議論自体は水掛け論的で、意義は少ない。


3.この「住民討論集会」における議論の中で出されている河床掘削や堤防かさ上げ、緑 のダム等の治水代替案とダムによる治水についてどうお考えですか?


代替案は非現実的で無責任。比較すると、現時点ではダムによる治水の方が妥当。


4.2月16日には環境をテーマとした「住民討論集会」が開催され、ダムによる環境への 影響を心配する住民の質問が続出しました。ダムによる環境への影響の有無をどうお考 えですか?理由もあわせてお答えください。


新たに工造物(原文ママ)を造るのだから、以前と比較して全く影響ないとは言え ないと考える。


5.2001年、球磨川漁業協同組合がダム建設受入を前提とする補償契約を拒否したこと により、国土交通省は漁業権の強制収用のための裁決申請を熊本県収用委員会に行い、 昨年から収用委員会で審理が続いています。
 審理の焦点は、共同漁業権が球磨川漁協に帰属するのか組合員個人に帰属するのかと いうことと、ダム建設による漁業への影響に対する補償をどう見るかということです。 強制収用という手法と収用委員会での審理内容についてどうお考えですか?


法制度としてある以上、やむをえない。項目としては妥当と考えるが、慎重を期す姿勢 は評価できるとしても、あまりにも時間がかかりすぎている(最高裁の判決もあるの だから)。


6.川辺川ダムのもう一つの目的である利水については、農水省の川辺川総合土地改良事 業に対して、受益対象農家の過半数が「ダムの水は要らない」と裁判に訴えています。
事業の同意数が焦点となったこの利水裁判は一審では原告農家が敗訴しましたが二審の 福岡高等裁判所の審理は1月に結審し、5月に判決が出される予定です。この問題につい て、どうお考えですか?


二審の判断を待つしかないが、私のまわりでは現実に水がほしいと願う農家も多く、 かなりの投資もしているのでかわいそう。


7.熊本県の財政状況は、まさに危機といってもいいくらいですが、900億円にも上る県 負担を強いる川辺川ダム事業の県財政に与える影響は計り知れません。以下の3項目に ついて具体的にお答え下さい。
 1)現在の熊本県の負債総額
 2)川辺川ダム事業が県財政に及ぼす影響
 3)この財政問題をどう解決するか?


1)起債残高という意味ならば、H15年度末の見込みで1兆2千億円程度
2)多少はあるとしても、交付税措置もあるので、それほどでもない。
3)財政の基本である’入るを計って、出づるを制す’のごとく、他の事務事業の内容、 優先順位の徹底的な見直しをすすめる。


8.30数年間、ダム問題に翻弄され続けてきた五木村、相良村の振興についてどうお考 えですか?


現在の振興計画を、さらに住民の視点を加味して、もっと充実させる。ダムを観光の 目玉に観光業を誘致する。


9.各種報道機関の世論調査によると県民の過半数がダム建設反対あるいは見直しであ り、ダム建設賛成は10%にも届きません。このことと御自身の川辺川ダムに対する見 解について、どうお考えですか?


ことが、人命・重要な財産にかかわることで、多数決的発想のみで考えるべきことで はない。現時点では、ダム案が妥当と考える。