【菊池市区】 前川 收氏(自民党、現職、42歳)からの回答

1.計画から30数年以上たった川辺川ダム計画について、どの様にお考えですか。
 賛成、反対、その他の立場から、理由もあわせてお答えください。


賛成


2.現在、潮谷義子県知事の提唱による「川辺川ダムを考える住民討論集会」が開催され ています。もともとは「ダム事業の大義について、県民の方に国土交通省は説明を行う 必要があると考え、治水を中心とした川辺川ダムの論議について、オープンかつ公正に 論議する場として(知事発言)」企画されたものです。国土交通省の川辺川ダム事業に 対する説明責任とこの「住民討論集会」での議論のあり方について、どうお考えですか?


国土交通省の説明責任は必要である。同時に代替案をもってダム不要を主張する 反対側も説明責任がある。県もその責任がある。住民討論集会はもっと早くはじめる べきであったと思う。もう残された時間がすくなく、回数をふやすべきだ。


3.この「住民討論集会」における議論の中で出されている河床掘削や堤防かさ上げ、緑 のダム等の治水代替案とダムによる治水についてどうお考えですか?


現時点で流域住民の生命財産を守る機能として科学的根拠に欠ける。


4.2月16日には環境をテーマとした「住民討論集会」が開催され、ダムによる環境への 影響を心配する住民の質問が続出しました。ダムによる環境への影響の有無をどうお考 えですか?理由もあわせてお答えください。


私は竜門ダム下流で暮らす者であり、ダムによる影響が全くないとは思わない。
しかし治水、利水の効果を考えれば、その影響は非常に少ない。竜門ダム下流 住民からの不安の声をほとんど聞いた事がなく、川辺川ダムには竜門にない 清水バイパスも設置されるので更にその影響は少ないと思う。


5.2001年、球磨川漁業協同組合がダム建設受入を前提とする補償契約を拒否したこと により、国土交通省は漁業権の強制収用のための裁決申請を熊本県収用委員会に行い、 昨年から収用委員会で審理が続いています。
 審理の焦点は、共同漁業権が球磨川漁協に帰属するのか組合員個人に帰属するのかと いうことと、ダム建設による漁業への影響に対する補償をどう見るかということです。 強制収用という手法と収用委員会での審理内容についてどうお考えですか?


別に問題ない


6.川辺川ダムのもう一つの目的である利水については、農水省の川辺川総合土地改良事 業に対して、受益対象農家の過半数が「ダムの水は要らない」と裁判に訴えています。
事業の同意数が焦点となったこの利水裁判は一審では原告農家が敗訴しましたが二審の 福岡高等裁判所の審理は1月に結審し、5月に判決が出される予定です。この問題につい て、どうお考えですか?


本当にダムの水が要らないのであれば必要ないと思う。しかし、ダム以外の水の 確保は非常に困難であろう。竜門ダムの利水受益者はみんなよろこび、受益地 以外の地区からも拡大要望をうけている。


7.熊本県の財政状況は、まさに危機といってもいいくらいですが、900億円にも上る県 負担を強いる川辺川ダム事業の県財政に与える影響は計り知れません。以下の3項目に ついて具体的にお答え下さい。
 1)現在の熊本県の負債総額
 2)川辺川ダム事業が県財政に及ぼす影響
 3)この財政問題をどう解決するか?


1)約1兆2千億円
2)すでに負担金支払いは継続しており、本体着工も折り込んである。
3)すでに本年度予算に折り込み済。


8.30数年間、ダム問題に翻弄され続けてきた五木村、相良村の振興についてどうお考 えですか?


必要。


9.各種報道機関の世論調査によると県民の過半数がダム建設反対あるいは見直しであ り、ダム建設賛成は10%にも届きません。このことと御自身の川辺川ダムに対する見 解について、どうお考えですか?


もともと洪水をなくす為の事業であり、被害地区の皆さんの考え方を重要視 すべき。世論調査の結果に左右され、もし又洪水が発生し、住民の生命財産を 危険にさらす事はできない。世論調査の結果を軽視する考え方と断定すること なく、行政の責任として考えてほしい。本当にもう洪水はないのであれば、 必要ない。しかし予想しうる災害を事前に防ぐことも責任である。