【荒尾市区】 岩中伸司氏(新社会党、現職、54歳)からの回答

1.計画から30数年以上たった川辺川ダム計画について、どの様にお考えですか。
 賛成、反対、その他の立場から、理由もあわせてお答えください。


反対。川辺川ダム建設の目的(治水、利水、発電、洪水調整)が破綻したことに 加え、自然との共生を重視しなければ、素晴らしい地球を未来に残せない。


2.現在、潮谷義子県知事の提唱による「川辺川ダムを考える住民討論集会」が開催され ています。もともとは「ダム事業の大義について、県民の方に国土交通省は説明を行う 必要があると考え、治水を中心とした川辺川ダムの論議について、オープンかつ公正に 論議する場として(知事発言)」企画されたものです。国土交通省の川辺川ダム事業に 対する説明責任とこの「住民討論集会」での議論のあり方について、どうお考えですか?


国土交通省は、始めにダム建設ありきを基本にしているの、治水・環境について の論議がかみ合わない。80年に一度の大洪水に備えるとして議論されているが、 この設定にも問題があると感じる。


3.この「住民討論集会」における議論の中で出されている河床掘削や堤防かさ上げ、緑 のダム等の治水代替案とダムによる治水についてどうお考えですか?


これまでの河川改修でかなり改善されてきた。治水代替案を前向きに取りあげ、 具体化すれば十分。


4.2月16日には環境をテーマとした「住民討論集会」が開催され、ダムによる環境への 影響を心配する住民の質問が続出しました。ダムによる環境への影響の有無をどうお考 えですか?理由もあわせてお答えください。


環境アセスメントを実施すべき。水質悪化が進み球磨川の漁業だけでなく海への 影響も大きなものになり、自然体系がさらに悪化する。


5.2001年、球磨川漁業協同組合がダム建設受入を前提とする補償契約を拒否したこと により、国土交通省は漁業権の強制収用のための裁決申請を熊本県収用委員会に行い、 昨年から収用委員会で審理が続いています。
 審理の焦点は、共同漁業権が球磨川漁協に帰属するのか組合員個人に帰属するのかと いうことと、ダム建設による漁業への影響に対する補償をどう見るかということです。 強制収用という手法と収用委員会での審理内容についてどうお考えですか?


強制収用をとるべきではない


6.川辺川ダムのもう一つの目的である利水については、農水省の川辺川総合土地改良事 業に対して、受益対象農家の過半数が「ダムの水は要らない」と裁判に訴えています。
事業の同意数が焦点となったこの利水裁判は一審では原告農家が敗訴しましたが二審の 福岡高等裁判所の審理は1月に結審し、5月に判決が出される予定です。この問題につい て、どうお考えですか?


農業政策が転換され、減反もすすむ中で農家の大半がダムの水は不要と言っている。 農家に負担をかける利水事業。


7.熊本県の財政状況は、まさに危機といってもいいくらいですが、900億円にも上る県 負担を強いる川辺川ダム事業の県財政に与える影響は計り知れません。以下の3項目に ついて具体的にお答え下さい。
 1)現在の熊本県の負債総額
 2)川辺川ダム事業が県財政に及ぼす影響
 3)この財政問題をどう解決するか?


1)1兆1171億6300万(2003年度末予定)
2)(回答無し)
3)国の事業を聖域化してきたことが財政悪化の要因(川辺川ダム、新幹線、国体など)。 県民にとって必要かどうかチェックすることが大切。企業との癒着を断ち切り、 借金に頼る財政運営を改善していくべき。


8.30数年間、ダム問題に翻弄され続けてきた五木村、相良村の振興についてどうお考 えですか?


道路建設等は進んできた。村民の意見を十分に聞きながら、振興策を検討・実施すべき。


9.各種報道機関の世論調査によると県民の過半数がダム建設反対あるいは見直しであ り、ダム建設賛成は10%にも届きません。このことと御自身の川辺川ダムに対する見 解について、どうお考えですか?


川辺川ダム建設は中止すべき。何回も現地調査に行きましたが、川辺川の清流は 現状のまま、未来へ引き継ぐべきです。