小委員会(河川整備基本方針等検討小委員会)って
そもそもなに?


このページでは、小委員会の位置付けと主な問題点についてまとめています。


小委員会の位置付け

国交省の中には多くの審議会があり、その中でさまざまな政策が決められています。
それぞれの審議会の下には分科会や部会があり、さらにその下には委員会があります。

「河川整備基本方針等検討小委員会」は、審議会である「社会資本整備審議会」の中にある「河川分科会」の中の委員会の一つです。(下図参照)

<河川整備基本方針検討小委員会>


このホームページでは、便宜的に「河川整備基本方針等検討小委員会」のことを「小委員会」と表記しています。


主な問題点

小委員会では、全国の一級河川についての河川整備基本方針を決めています。
小委員会委員は、上位組織である河川分科会の中の一部の委員と重複し、また地元住民の代表する者として、各河川ごとに地元知事や自治体首長も委員に入っています。
「球磨川水系河川整備基本方針」策定では、潮谷義子熊本県知事と福永浩介前人吉市長が委員に入っていました。

  球磨川水系河川整備基本方針についての小委員会委員名簿

小委員会協議は、国交省の担当者が説明をし、それについて各委員が審議をする形を取っています。
しかし、ほとんどの場合、1度の小委員会の中で2〜3河川を扱い、また2〜3回の審議で一つの河川・水系についての河川整備基本方針が決められてます。

また、新しい河川整備基本方針づくりでは、単に治水や利水の方針だけではなく、住民参加、環境保全の視点を入れた中期的な方針を決めることになっています。
しかし、委員には土木の専門家が多く、環境の専門家は一人も入っていません。
さらに、中心となる委員は国交省関連審議会において、複数の委員を兼任しているような「有識者・専門家」です。

そのため、実際には国交省担当者の提案に沿って、国交省の立場寄りの「有識者・専門家」が中心となって、きわめて短時間の審議の中で決定されているというひどい現状です。

また、河川整備基本方針に含まれる重要な項目に、基本高水流量(大雨の時にどれだけの水が河川を流れるかを定めたもの)があります。
ほとんどの河川では、この数字がダムや堰などの建設の根拠として使われています。
この重要な数字が、国交省と、公平性に疑問のある委員を中心とした審議のみで決定されることについて、市民社会からは強い批判があります。

球磨川水系河川整備基本方針策定へ向けた小委員会では、県民の代表である潮谷義子知事が国交省の説明に対し、繰り返し「県民の納得が得られない」と疑問を提示し続けましたが、最終的には、近藤委員長によって審議が打ち切られ、強引に審議を終了させられました。

また、市民側から小委員会に対して数十通の意見書が提出されましたが、それらについてほとんど審議されることはありませんでした。

  球磨川水系河川整備基本方針についての小委員会記録


小委員会で「河川整備基本方針」が決められたあとはどうなるの?


小委員会で「河川整備基本方針」決まると、上位の河川分科会において形式的に審議されます。

  球磨川水系河川整備基本方針についての第二十五回河川分科会(平成19年4月19日)

その後、この河川整備基本方針に沿って、より具体的な「河川整備計画」が作られることになります。


関連リンク
 > 全国の河川整備基本方針・基本計画の策定状況
 
> 河川整備基本方針検討小委員会 
 
> 社会資本整備審議会河川分科会
 
> 社会資本整備審議会
 
> 河川局


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